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それぞれの夜

屋根の上を歩いていると、冒険者ギルドの建物が見えた。


まだ、灯りがついている。

屋根の上まで来ると、バルガスが息巻いているのが見える。


……今は、そっとしておこう。



横穴の前までたどり着く。


俺たちが入っていない方の横穴に入り、様子を伺った。


「見た感じ、同じような作りだな」


野犬などの死骸は見当たらない。


スライム退治で終わったというバルガスの報告通りだ。


だが実際には、奥に土石流の発生源がある。


ジョーの話では、寄生されたオークだったらしい。


ジョーが倒し、村の方へ回収してもらったという。


僧侶であるジョーの戦い方はよく分からないが、


上半身の筋肉を見る限り、戦えそうではある。

だが、傷ひとつなかったように見えた。肉弾戦じゃないのかな。



落盤のせいか、それ以上奥へは進めない。


「セリナの魔法が、こちらにも影響したか」


隙間を探してみるが、人が通れそうな場所はない。


試しに殴ってみる。


……手が痛い。


当たり前か。鍛えてないんだから。


身体強化を使えば多少はマシだが、


素手で殴るのはやめておく。


代わりに壁に向かって飛び、蹴り込んでさらに上へ登ってみた。


建物の屋根に上がるときに使っている動きなので、


だいぶ様になってきた気がする。


猫の時より、人間の時の方が効果が強いな。


飛び蹴りでもできれば格好いいのだが、

強化しても格闘技術まで上がるわけじゃない。

訓練次第だろうが、今は移動に使うだけで十分だ。


あとは雷魔法か。


あまり使うと人間に戻ってしまうから、少しだけにしておこう。


雷を指先に小さく集め、近くの岩に当ててみる。


小さな爆発音とともに、岩が割れた。


指先が少し痺れているが、問題はなさそうだ。



「少し速い相手には、当てられる気がしないな」



次に、手のひらを意識してファイアーボールを試す。


だが、猫の時のように魔力が集まる気がまったくしない。


「使える魔法が違うのは、便利なんだか不便なんだか」


ファイアーボールなら出力調整は簡単だが、


雷は集める箇所を限定しながら調整する必要がある。


しばらく練習したところで、違和感を覚えた。


無理はせず、早めに戻ることにする。


人間から猫に戻る前に、館へ戻らないとな。





横穴を出たところで、


俺たちが入った方から気配を感じた。


訓練されているのか、かなり微かな気配だ。


追いたい気持ちはあるが、時間がない。



……戻ろう。






まだ、宴会は続いていた。


ジョーは、ほぼ全裸だな。


風邪を引くぞ。


館に入ると同時に猫に戻る。


間に合った。


ベランダの窓、猫だと開けづらいのよね。


随分体が冷えたので、ベッドの上で丸くなっておく。


セリナが戻ってきても、


暖かい布団で寝られた方がいいだろう。

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