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報告と酒と

街に戻ると、バルガスはもう酒を飲んでいた。

意識を取り戻したセリナに水を頼むメイリーを見て、ニヤつきながら近寄ってくる。


「よう。えらく苦労したみたいだな」

「ああ、思ったより大事だった」


「スライムごときでか。情けないな。明日からは俺がリーダーを代わってやろうか」


状況も聞かずに言う。……爪が出かけた。危ないセリナに刺さるところだった。


俺の威嚇に気づいたのか、バルガスは一瞬こちらを見るが、すぐにメイリーへ戻る。


「家名がなければ、お前はただの兵士だ。いや飾りか」

その言葉がメイリーに刺さる。


拳を握るメイリーを見て、バルガスは満足そうだった。


「報告を済ませよう」


メイリーは淡々と言う。


セリナはまだぼんやりしている。


報告が進むにつれ、スライムに寄生された野犬の話で、バルガスの表情が曇った。


自分の報告は、横穴のスライムを駆除しただけ。

僧侶に任せて戻ってきたらしい。


討伐数も、難易度も――俺たちの方が上だった。


だが、メイリーはそこを突かない。

重要なのは災害が繰り返さないことだ。



「その先は見たか。土石流の先だ」


「……スライムで埋まってた」


話を切り上げたがってるのがわかる。


明らかに態度が悪い。


「話にならない。ジョーから聞こう」


メイリーの言葉に、バルガスはテーブルを叩いた。



一触即発。

その時、扉が開く。



ジョーと、畑で一緒だった男たちがなだれ込んでくる。


「お疲れさまです。水源の調査、終わりました」


涼しい顔で言い切る。手に持った酒瓶が空だ。

こいつ、飲みながらやってたな。


「みんなお疲れ様!今日は奢りだ。飲もう!」


店が一気に騒がしくなる。


「報告は?」

メイリーが聞く。


ジョーは空になった酒瓶を見て、首をかしげた。


「全部片付けましたよ。寄生されたオークがいたんで、俺が止めて。みんなにも手伝ってもらいました」


さらっと言う。


「オークなら俺一人でも十分だ」


「でもバルガスさんいなかったでしょ」

ジョーの言葉にバルガスが黙る。



街の人間は戦えるようには見えない。

結果、戦ったのはジョー人だった。


「危ないところは俺が。全部やると、あの人たちもつまらないでしょう。

お片付けをお願いしましたよ?セリナさんの真似ですけどね」


ジョーの元に酒が届くと一気に飲み干す。

空のジョッキをふり、店員にウィンクする。



コイツはやる奴だ

そう思った、その直後。


「じゃあ、バルガスさん。支払いお願いします」


一瞬、店が静まった。


みんなの目がバルガスに集まる


バルガスは何かを言おうと口を開けたが、


何も言わず金貨をジョーに叩きつけ、椅子を蹴って出て行った。


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