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同居人は異世界の女神さま!? 男に逃げられ、金も尽き、運まで消えたら、女神に振り回された件について  作者: yururitohikari


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6/11

ひとつ屋根の下

 静まり返った日曜の昼下がり。


 驚異的な胸囲を採寸した衝撃も冷め、下着と服はネットでポチッと注文済み。

 杏はようやく「ちょっと落ち着いてきたかも…」と、冷蔵庫から作り置きのルイボスティーを取り出しコップに注ぐ。


 その時、静かに、かつ真剣な声が背後から届いた。


 「アンちゃん!」


 ──うわっ。


 手元が狂う杏。

 お茶があらぬ方向に飛び散る。


 「……今、なんて呼んだ?」

 「杏ちゃん?」

 「いやいやいや、“アンちゃん”て!」


 布巾でルイボスティーを拭いながら

 「それ、なんかこう、思い出すのよ。おじいちゃんが、昔ハマってたトレンディドラマの、アンチャン!って福山雅治的な」


 「ふくやま?」レイネが反芻する


 「あ、わからないか。──おじいちゃんって、私を呼ぶとき、いちいちモノマネするのよ」

 田舎で米農家をやっているパワフル爺さんである。

 最近、アイガモロボットを導入したとかでLINEを送ってきている。

 「女の子なのに、アンチャンって──どうなのよ?と子供心に思ってた」


 杏は物思いにふけりそうになり──ふと思う。


 記憶をたどってみても、自分から“杏ちゃん”なんて名乗った記憶はない。

 「え、私……名前、言ったっけ?」


 レイネは少しだけ目を泳がせたあと、ぱっと笑顔になる。


 「名乗ってたよ。昨日の夜、ちゃんと。“たかなしあん”って」


 「あ、そっか……?いや、なんかぼんやりしてたから覚えてないや」

 (まあ、昨日は“冷蔵庫から異世界人”っていう大事件が起きたしね……)


 「でも“杏ちゃん”って、なんかこそばゆいのよね。子供の頃はまだしも…」


 「じゃあ、“あーちゃん”でいい?」

 「……“あーちゃん”も、学生時代のあだ名だし恥ずかしいけど……まあ、それでいいや」

 「じゃぁ、あーちゃん!」

 レイネはにっこり笑って両手を合わせた。


 「レイネさんは、どう呼べばいい? 異世界でどう呼ばれてたとかある?」

 「ん──?」


 レイネは何やら思惑そうな顔である。

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