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初任務

社用の車がようやくクリスティーナに配給された。今まではレンタカーなどを借りていた。

「今まで、シカゴくらいの距離なら車が丁度いいわ。」

ヘンリーとクリスティーナは会場に向かう。

「クリスティーナ、こんなに激しい音楽聞いて耳が痛くならないのか?」

「あんたの声聞くよりかはこっちの方がずっと良いわ。」

ヘンリーは音楽を変えた。

「勝手に音楽を変えないで。」

「良いだろ、別に。誰も困らないんだから。」

「私が困るのよ。勝手に変えないで。」

二人は喧嘩してるうちに会場に到着した。

「ついたわ。」

「何も無い所じゃないか。クリスティーナ、どうしたんだ?」

車は突然出て来る穴に吸い込まれた。

「この穴何なんだよ。」

「この会社の独自のテクノロジーで亜空間を開発したのよ。作るまで社長達が苦労したのよ。」

「だから住所とかが特定出来ないわけなのか。」

「そう言うことよ。普通の検索エンジンでは絶対ヒットしないのよ。住所が特定なんてされたら一巻の終わりよ。私達のやってる事は人権人権言う世間様からしたら極悪非道の行為よ。必ずしも、世間で共感されるわけではない。私は世間の共感などどうでも良いから。思う存分ゲーム運営して、世の中のゴミを振り回して、動揺する表情を観察したいだけなの。残念ながら、この私でも、普通の人間には罪悪感があるの。だけど、人のことを理由をつけて追い詰めてる人間なら思う存分操作して遊べるのよ。」

「クリスティーナ、お前中々サイコパスだな。性格が悪いと言うか。こんな社員にはなりたくないな。ケイジさんみたいになりたいな。」

「プレイヤー達に同情ばかりしていたらこの仕事は保たないのよ。」

クリスティーナの言う通りだ。社長である私も悪趣味にならなかったらこんな残酷なゲームを開発する会社など立ち上げるつもりは無かった。

「私がサイコパスなら、ここの社長もサイコパスと言うことになるね。」

「社長はあったこと無いけどな。」

「社長は普通にどこにでもいそうな女性よ。良いから会場を設営するよ。」

クリスティーナとヘンリーはゲーム会場に入った。

「会場汚いな。」

「まずは掃除からよ。」

「そんな事もしなきゃいけねーのか。」

「これは会社の大事な資産よ。本当はプレイヤー達にやらせるべきだったけどね。」

渋々と二人は掃除をした。

「うわっ!血だ!」

血痕が残っていた。

「そんなので騒いでるわけ?これじゃあ、この仕事持たないわ。」

「ここで何があったんだよ?」

「プレイヤー同士の殴り合いよ。クズはクズ同士つながることも多いけど、私達が巧みに操作すればクズ同士仲間割れして殴り合うのよ。もしくは究極的な状況に追い込んでやったり。ゲーム中はプレイヤー同士の殴り合いを禁止してるゲームマスターもいるようだけど、私が禁止にしてるのは凶器で戦うことくらいね。半殺しにされようが私は知らないわ。」

「凶器を使わせるのは禁止なんだな。」

「私達の目的はどんなゴミのような人間でも更生させることよ。」

「更生出来なかったらそのプレイヤー達はどうなるんだ?」

汚れを取りながら彼は言った。

「そんな事今は知る必要ないわ。遠回しに言うなら会社が引き続き引き取って管理するのよ。」

「そうなの聞いてない。」

「あんたは今はこれからの任務こと考えることよ。」

「分かってるって。」

二人は掃除を終える。

「次は私達の操作室のチェックよ。」

操作室に入った。

「ゲームに必要な機械は備品開発部が用意してくれたようね。」

クリスティーナは不備がないか確認した。

「プレイヤー達を集める前にチェックしておくと面倒なことは無いわ。」

パソコンを操作した。

「ちょっと提出書類を少し仕上げるから待ってて。」

「分かったよ。」

クリスティーナは書類を提出して、準備した。

「まず、プレイヤー集めの時は仮面は必須よ。服も上からマントを羽織るわよ。」

二人はマントで服と顔を隠した。

「今回のプレイヤーは8人。最初の任務にしてはそこそこ多い人数ね。」

「プレイヤーが全員シカゴにいるわけじゃ無いんだな。」

「そうよ。中々面倒臭いシステムなのよ。」

車で一人目のプレイヤーの所に向かう。

「一人目はティム・ウィリアムズよ。これから私が一人で捕まえるから手本を見なさい。」

クリスティーナは罠を仕掛けた。

「ん?あの男、走ってないか?」

「痛い。何だこれ。」

クリスティーナの罠に引っかかった。さらに男を感電させる。男は気絶して、クリスティーナは男を運ぶ。

「捕獲成功。イージーな動物ね。」

「感電させれば良いんだな。」

「それが手っ取り早い捕獲の仕方よ。もちろん他の技を使って捕まえることもあるけど、最初は電気を使いこなせないからこのスタンガンで気絶させなさい。二人目を捕まえたら一度会場に戻るわよ。」

「はーい。」

二人目のプレイヤーに接近した。

「マット・カサビアン見つけたわ。」

「あいつか。」

ヘンリーがカラーボールを投げた。

「誰だ!」

上からクリスティーナが降りて、気絶させた。

「二人目捕獲!会場に戻るよ。」

プレイヤー2名をトランクに入れて、運転する。

「これって何度も往復しなきゃいけないのか?」

「そうよ。トランクはたくさんプレイヤーを入れられないのよ。プレイヤー達がここに来れば良いけど、そうもいかないのよ。本当にプレイヤー集めが面倒臭い仕事よ。」

ゲーム会場につき、プレイヤーを会場にいれた。

「次行くわよ。」

3人目のプレイヤーのもとに行く。

「次はジム・ジョンソンよ。コイツもとんでもないやつよ。スタンガンであいつを狙いなさい。」

ヘンリーは男にスタンガンを当てて気絶させた。

「速やかに運びなさい。」

彼は気絶した男を車に乗せた。

「次のターゲットを狙いに行くわよ。」

「あとプレイヤーが5人か。」

移動が多い為、クリスティーナとヘンリーは交代で車を運転した。

「電話だ。」

ベンから電話が来た。

「クリスティーナ、新人と初任務はどうだ?順調か?」

「特に何か取り柄のある新人じゃないわ。」

「お前の担当の新人って、ヘンリー・クリストファーだっけ?」

「そうよ。所々とぼけてんのよ。」

「電気訓練の話、ケイジから聞いたぞ。あんなに面白いからこの会社に入れて正解だな。」

「電気だけよ。他は特に何かに長けてるわけじゃないけど、教育係として伸ばしてるみるわ。」

「ヘンリーもクリスティーナの部下になるのも大変だな。」

「何で?あんたみたいな女たらしでどうしようもない男よりかはマシよ。」

「クリスティーナのしごきに付き合わなきゃならねーからな。」

「私は部下にそんな事してるつもりなんて無いわ。」

「情報部の美女からご飯に誘われたから、行ってくる。嫉妬するなよ!」

「私がそんな女に見える?」

二人の会話は終わった。

「誰からなんだ?」

「私とケイジの上司よ。」

二人は4人目のプレイヤーに接近する。

「システム部のハッキング成功ね。」

「あれがラファエル・ウォーターハウスか。」

彼の信者の携帯をハッキングして人気のない所に誘導した。

「情報部、応答せよ。森には監視してる信者は何人いる?」

「4人です。」

「中々多いわね。」

クリスティーナはナイフを投げて、木にいる信者はよけた勢いで転倒した。

「殺す気でやらないと私達の負けよ。」

ヘンリーもカラーボールを信者の顔面に命中させた。

「残る信者は一人よ。しょうがない、強行突破よ。」

木から降りて、プレイヤーを感電させた。ヘンリーが彼を運ぶ。銃声が響く。

「銃で私と勝負なんて良い度胸してるじゃない。面白い。」

戦ってる間にヘンリーはプレイヤーを無事に車に乗せた。

「会場に戻るわよ。」

会場に戻り、二人のプレイヤー達を入れた。

「ここはどこだ?」

「こいつら誰?」

突然の状況にゲーム会場のプレイヤーは動揺していた。

「次のプレイヤーはレジーナ・インズよ。」

「女もいるのか?」

「当たり前よ。この女もとんでもないことしてるのよ。」

「あそこにいたぞ。」

クリスティーナは女をあっという間に気絶させた。そして拘束して車のトランクに入れた。

「女の教祖なのか?」

「それと近いものよ。」

二人は5人目のプレイヤーを探した。

「次はピーター・ギリアムよ。こいつは本当に死んでも誰も悲しまないような人間よ。」

「そんなにか。」

「こんなのが許されてるなんて世界を腐ってるものね。」

「クリスティーナにも人の心があるんだな。」

プレイヤーを発見した。

「今度は俺に任せろ。」

「馬鹿!一人で出しゃばらないで!」

ヘンリーは一人で強行突破する。するとプレイヤーは振り返る。

「ヘンリー!あの馬鹿!!何してるのよ。目の前に突っ走って攻撃なんて。」

ヘンリーは電気を発動した。そしてプレイヤーは感電して気絶した。広範囲で電気が走った。

「ヤバい、山火事じゃん。ヘンリー急げ!!」

電気がたくさん流れて、木が燃え出した。

「ついた。」

車のトランクにのせた。

「良かった。車が無事で。」

二人は車に乗って、急いで逃げた。

「この間抜け野郎!!何してるのか分かってるの?こんな目立つことしたら私達の存在がバレるのよ。」

「プレイヤー気絶させられたから良いじゃないすか。」

「そう言う問題じゃないの。あの電気の量なら車だって壊れることあるし、プレイヤーが死んでゲームが成り立たなくなるのよ。それにおまけに山火事よ。ちょっとは行動を分析して。」

「え?プレイヤー死んでるの?」

「生きてるよ。私がそいつ周りに流れる電気の量を調整したのよ。」

「電気を調整できるんだな。見直したぞ。」

「感心してる場合?あんたの起こしたミスもカバーしてるのよ。」

二人はゲーム会場に戻る。プレイヤー達は怒っていた。

「ここはどこなんだ?」

「出せよ!」

「どういうことなんだよ!」

「出せよ!」

モニターがつく。

「怒鳴っても無駄よ。あんた達はこれから楽しい楽しいゲームに参加してもらわないといけないんだから。エサよ!」

ドッグフードをばら撒いた。

「俺達を家畜か何かだと思ってるのか?」

「ドッグフードなんて食ってらねーよ!おい、クソ女、何だこれは!」

クリスティーナは口を開く。

「家畜の方がまだ価値あるわ。価値以下のゴミなんだよ!ドッグフード食えるだけでも感謝しなさい。」

モニターは消えた。

「おいどこにいるんだ!」

クリスティーナとヘンリーは会場を出た。

「普段は人を騙して操って生きてるのに、実験動物みたいに翻弄されてる姿見ると面白くてたまらないわね。」

クリスティーナはだいぶ頭のネジが飛んでいた。

「次のプレイヤーは?」

「ゴードン・ワシントンよ。」

7人目のプレイヤーに接近した。

「あんたがヘマをしたから私が行く。」

彼女はプレイヤーをあっという間に仕留めた。そしてヘンリーと車まで運んで拘束した。

「最後のプレイヤーはフェリシア・ファーマンね。」

「今度は女か。」

プレイヤーを発見した。

「あそこだ。」

ヘンリーはカラーボールをプレイヤーに当てた。

「うわっ。何?」

動揺してる間にクリスティーナが背後を狙ってスタンガンで気絶させた。

「これで全員捕まえたわ。」

彼女を車に運んだ。

「捕獲完了。会場に戻るよ。」

「長かった。」

「こんなにテクノロジーが発達してるのに、プレイヤー集めは少し原始的なやり方ね。」

プレイヤー集めは社員の成績を見るために必須だ。

「これがプレイヤー集めの一連の流れね。必ずしも会場の近くにプレイヤーがいるわけじゃない。」

「いずれはこの作業を一人でするってわけだな。」

「そうよ。だからあのようなヘマはもうしないことよ。」

「分かったよ。」

「電気を調整しないと業務に支障が出るわ。」

ヘンリーは電気を大量に放出出来る分、量を調整することが出来ない。任務では場所が特定されるようなデメリットが生じてしまう。

「そのうち電気を回避出来る技を身に着けなさい。」

二人は会場に到着した。

「おい、出せよ!」

「ここはどこ?あんた達誰?」

「出口はどこにもないようだな。」

「ドアが取れもあかない。」

プレイヤー達の様子をクリスティーナとヘンリーは見ていた。

「普段の威勢はどっかに消えたようね。所詮権力なんて無くなったらただの取り柄もない人間なのよ。」

「宗教家はカリスマ性があるはずだが。」

「それに早速喧嘩してるわ。同族嫌悪というものね。ヘンリー、ワインを取ってきて。」

赤ワインをグラスにつぎ、二人は飲んだ。

「今回取り扱うゲームは9つのゲームよ。新人のうちは自分でゲームを作ることは出来ないと思いなさい。これが私が考えたゲームよ。」

「館内のマップは?」

「これよ。」

情報部からのマップをヘンリーは見た。

「結構広い会場だな。」

「脱出ゲームをはじめるよ。モニターをつけて。」

何も反応しなかった。

「違う。そのボタンじゃない。ここよ。」

早速ヘンリーはミスをした。

「下僕ども、待たせたわ。はじめよう、脱出ゲームを。」

ゲームがはじまった。

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