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新人社員3

入社して2日目になる。

「あー、クロエの奴がケイジさんのもとで教えてもらうのかよ。羨ましいな。」

ヘンリーと太一は部屋で話す。

「クリスティーナもケイジ同じレベルの成績だぞ。俺の上司はジェイだ。」

「どんな人なん?俺ケイジさんの凄さしか知らんからさ。」

「ちょっとは社員のことを知る気になったらどうなんだ?情報部から貰った情報だけど、ジェイはケイジとクリスティーナと並ぶ成績の10期生だ。彼は入社当初は成績が下から1や2を争う成績だったんだ。だけど見えない所で努力しまくってどん底から這い上がったんだ。すごい上司に俺はあたるんだ。」

「クリスティーナか。もっと良い上司に当たりたかったな。」

「まだ教えてもらっても無いのに決めつけんなよ。」

二人は就寝した。


アレクサンドラ、ケイジ、クリスティーナ、ジェイ、オリバーがゲーム会場にいた。新入社員は会場に入った。

「あれ、こんなに少ないの?」

クロエが聞く。

「他の社員は全員任務を行っている。中には国外に任務するのに移動してるやつもいる。」

ケイジは言った。

「海外任務もあるのか。」

「1年目の間は国内で任務を行ってもらう。任務を行う前に通過儀礼がある。まずこれを飲め。」

イナズマの柄の缶を新入社員は手に取った。

「これはいったい何なの?」

ロレンツァは聞いた。

「飲んだら説明する。」

「得体のしれないものを飲むわけ?」

「飲むしか無いでしょ。」

新入社員は一斉に何か分からない飲み物を飲んだ。

「うわ全身がしびれる。」

「何だこれ。」

新入社員は痺れていたので落ち着かなかった。

「しびれはあと1分後におさまる。」

ケイジは言った。

「どうやら全員飲んだようだな。これは雷を発動させる為のドリンクだ。我が社ならでは発明品だ。」

「雷出ろ!」

ヘンリーは雷を出そうとした。

「あんたね。ただ飲んだだけで雷は出ないのよ。」

クリスティーナはヘンリーに言った。

「その通りだ。雷を発動するのには訓練が必要だ。」

「雷の使い道は?」

エリーゼが聞く。

「電気の供給のためだ。ここで使ってる電気設備はゲーム推進部が放った電力も使われている。」

ケイジは手に電気を放つ。

「すげー、電気出してるよ。」

「何をしたらそうなるの?」

「強そう。」

新入社員はケイジを見て感心した。

「任務で使う機械の電気の供給も電気を放って行う。」

「私も使えるのよ。」

クリスティーナも電気を放った。

「まずは電気を放つ練習からだな。」

新入社員は電気を出そうとしたが中々発動出来なかった。

「電気でろ!」

「力ずくでやっても意味がない。手で発動する場合は体全体で気を集中させるんだ。」

ケイジは言った。

「最初のうちは大きく息を吸って深呼吸だ。」

全員深呼吸をする。

「一発で電気を出せる奴はそうそういない。だからひたすら手に気を集めるんだ。」

「電気出ない。」

「これ本当に電気出せるのか?」

新入社員はそう言いながらもひたすら電気を出そうと頑張った。1時間かけた。

「手に少し電流が走った。」

エリーゼは言った。

「それは電気が出る予兆だ。もうすぐだ。」

「私も痺れてきた。」

「俺もだ。」

「俺全然変化無いけど。」

ヘンリーはまだ手に痺れすら走ってない。

「どうやったらそんなの出せるんだよ。」

ケイジやクリスティーナが電気を出してる所を見ても思い通りにいかなかった。

「どうやら苦戦してるようね。」

クリスティーナはヘンリーを見て言った。

「お前、あいつの教育係としてアドバイスは無いのか?」

「私がアドバイスするのは任務の時だけよ。」

「力が入りすぎてるぞ。」

ケイジはヘンリーに言った。

「そうですか?」

「身体を重くするじゃなくて、軽くするんだ。」

「それは体重はそこそこあるから。」

「力を入れなくて良い所まで力を入れてる。」

ヘンリーは苦戦していた。

「あれ?」

クロエからは一瞬電気が見えて、音が鳴った。

「今のがまさか電気ですか?」

「そうよ。」

アレクサンドラは言った。

「私達のような電気は発動出来ないけど、最初はこんなもんよ。少し電流が走れば十分。」

またクロエからは少しばかり電気が出た。

「やったー!」

「一番乗りはクロエ・デンゼルね。あんたの部下はきっと優秀ね。」

「そうだな。お前の部下だっていくらでも這い上がれる要素がある。」

「何かそう言う感じには見えないけど。」

「新人の成長は多少俺達の成績にも響く。」

「あー、任務ではヘマしないと良いけど。」

クリスティーナはヘンリーをずっと見た。

「ベンの奴も俺ら二人をすぐに一人でゲームを運営出来るレベルに上げたから今は会社での成績は良い。」

「あれはうち等の実力よ。」

クリスティーナはこの会社は個人戦なので全て自分の実力だと思った。

「電気が出たぞ。」

「お前もか?俺もだ。」

「私もよ。」

太一、ジュンソ、エリーゼは少量の電気を発動した。

「ヘンリー頑張れ。」

「電気でろー!」

大声で叫んだ。

「叫んでも電気は出ないわ。」

「電気出た!」

ロレンツァも電気を発動した。

「全員が電気を出し終わったら今日の研修は終わりだ。」

ケイジはグレースとヘンリーを見て言った。

「中々出ないわ。」

「待ってる奴らは足でも電気を出してみろ。少しだけで良い。」

他の新入社員は足で電気を出す練習をした。

「手は電気出るけど、足は中々出ないな。」

「これはきついな。」

グレースは電気を出した。

「電気出たわ。」

「髪と手同時に電気出したぞ。」

ジェイはグレースを見て驚いた。最初の研修で2つ以上の部位で電気を出すのはかなりの至難の業だ。

「ケイジ、あの新人電気量がかなり多いわ。」

「そのようだな。」

電気量は訓練次第で増やすことも出来るが、グレースは最初の段階で少し電気量が多い。

「電気でろ!」

「やり直し。」

「これでどうだ!」

「まだ甘い。」

ケイジは無表情で言った。何度やっても成果が出なくて3時間がかかった。

「あー、もう出来ねーよ。」

「この程度か?」

「一回休憩させてくれ。」

「分かった。休みたいだけ休めば良い。」

ケイジはヘンリーを休ませた。他の新入社員は引き続き練習した。

「よし再開する!」

ヘンリーは立ち上がり、全員が彼に注目する。

「電気が出せそうな気がするんだ。これだ!」

「うわーーー!」

広範囲で雷が発動した。会場中に電気が走る。

「何今の…」

クリスティーナ、アレクサンドラ、オリヴァー、ジェイは圧倒されて呆然とした。ケイジ、クロエ、ジュンソ以外は感電した。

「ケイジ、今のなんだ?」

ジュンソが聞く。

「ヘンリーがついに電気を出したようだな。」

「それなら俺達が感電しないのは何故だ?」

「俺が雷を防御した。」

電気や雷を防御する技もケイジやクリスティーナは身につけている。しかし広範囲かつ速い電気が発動されたのでクリスティーナですら回避したり防御したりすることは出来なかった。

「やったー!電気が出た。」

「電気というか凶器だ。」

太一は言った。

「この量出せれば十分だ。出来るか?」

ケイジは聞く。

「出せば良いんですね。」

また広範囲の電気が走った。

「ヘンリーも中々やるな。」

ジェイは言った。

「電気量はすごいけど、物凄い特訓が必要ね。」

「今日はこのくらいにする。研修は数日で終わって、すぐに任務にする。」

「任務って、もしかしてゲームのことですか?」

ヘンリーが聞く。

「当たり前じゃないの。他に何があると言うの?」

クリスティーナは言った。

「俺そんなに頭回るタイプじゃねーからさ。」

「少しは頭を使え。」

「任務中は君達の上司がつきっきりだ。」

ケイジは言った。

「マジか。クリスティーナと一緒なのか。」

「そんなあからさまな態度取るのね。私は教育係として十分の人材なのよ。」

「ケイジさん、クリスティーナで大丈夫なんすか?」

「クリスティーナはまだ教育係としては未熟だから良い機会になるだろうな。」

ケイジが少し笑いながら言った。

「私をからかうのはいいから、へましたら許さないからね。」

彼女はそう言ってどこかに言った。

「クロエ、ソジュン、こっちに来い。」

彼らはケイジのもとに来る。

「任務は2日後だ。朝9時にラスベガス行きの社用ヘリコプターに乗る。」

ケイジもついに社用ヘリコプターが使えるくらい出世した。

「ちなみに他の社員もラスベガスの違う会場で任務をするからヘリコプターはそいつと同席だ。」

「分かりました。」

「任務楽しみね。」

「これがプレイヤーのリストだ。このプレイヤー達を集合させるんだ。これが中々に面倒くさい作業だ。」

「自動的に集まるわけじゃないのね。」

「プレイヤーを確保する道具は十分揃ってるけどな。」

「こいつら強盗犯か?そうだ。」

「太一、こっちに来い。」

ジェイが太一を呼んだ。

「今回の任務の会場はニューオリンズだ。そしてこれがプレイヤー達のリストだ。」

「詐欺師にゲームをやらせるってわけですね。」

「任務では雷を使うから、鍛えておくぞ。任務は2日後だ。」

「このお面は任務の時するんですか?」

「もちろんだ。休憩時間以外はこのお面を使う。」

「ジェイさん、カッコイイっすね。」

太一はお面をしたジェイをはじめてみた。

「エリーゼとグレース集合よ。」

アレクサンドラは二人を呼んだ。

「2日後にモントリオールで任務よ。」

「国をまたぐのね。」

「安心して任務は英語で行うから。」

「ロレンツァ、任務について話すぞ。」

任務の話が行われる中、ヘンリーはクリスティーナを探し回った。

「ケイジさん、クリスティーナのやつどこに行ったんすか?」

「クリスティーナなら、備品開発部のオフィスに行った。」

「分かりました。」

ヘンリーは走ってクリスティーナを探す。

「あの上司どこに行ってるんだ?」

備品開発部の部屋に行った。

「クリスティーナのやつはどこに言った?」

「食堂の方に行った。」

ヘンリーはまた探す。

「クリスティーナは?」

「寮の1階にいる。」

またヘンリーは探す。何度探しても見つからない。

「あの上司本当にどこにいるんだ。」

「ここよ。探すのに時間かかりすぎね。」

クリスティーナが後ろから現れた。

「そこにいたのかよ。いつからここに?」

「任務について聞きに来たんでしょ?」

「そうだ。」

「他の同期の上司達が言ってるように、私達の任務も2日後よ。スタートはバラバラじゃ駄目なのよ。場所はシカゴよ。プレイヤーのリストよ。プレイヤー集めの前に必ず目を通すように。」

「小さなカルト宗教の教祖がターゲットってわけか。」

「狂った宗教家をターゲットにするのは去年からはじまった我々の取り組みよ。そのうち不正をしてる政治家とかもターゲットになるかもしれないわね。」

「任務は何をするんですか?」

「機械の操作だけじゃなくて、プレイヤー達の観察よ。最終的には救いようの無いゴミを少しでもプライドをへし折ったり、人間としての尊厳を奪いまくって更生させること。」

「それはやり過ぎじゃないのか?」

「そう思うのはあんたの勝手よ。だけどあんたのような考えが通じないのはゲームを運営したら気がつくはずよ。」

クリスティーナは立ち止まるヘンリーを置いて、歩き出した。

「ヘンリー、任務までに、電気の訓練をしなさい。」

ヘンリーは寮に戻った。

「俺は太一としばらくお別れか。」

「ゲーム推進部の宿命だ。」

「任務楽しみだな。」

「俺が上司と受け持つプレイヤーは詐欺師だ。どうせなら人を権力で支配する人間を受け持ちたかったけど、新人の俺にはこの任務しか無い。」

「俺は教祖とかがターゲットだ。」

「ヘンリー、俺がやりたそうな任務やりやがって、羨ましい身分だな!」

「俺はケイジさんが上司のクロエが羨ましい。」

「俺の上司はどんな奴か気になるな。」


ケイジ、クリスティーナ、ジェイは夜ご飯をともにとる。

「お前ら、ご飯とってきたぞ。」

「ありがとう。ジェイ。」

ジェイのチョイスの夕ご飯だ。

「あんた彼女出来たんだって?」

クリスティーナが聞く。

「そうだ。」

「情報部の社員と付き合ってるんだ。右肩上がりで色々上手くいってるのね。あんたが部下を持つ日が来るなんて想像もしていなかったわね。」

クリスティーナは情報部からジェイの情報をいち早く知った。

「それにしても、お前の部下は凄いな。あれくらいの電気量があるから。」

「だからこそこれから色々厄介な予感がするのよ。」

「必ずしも広範囲に攻撃出来るのがメリットではないからな。」

ケイジは言った。

「これ、もう少し焼いて欲しかったわ。」

クリスティーナは電気で食品を焼いた。

「よし、次のゲームに備えてゲーム会場を予習しておく。」

ジェイはご飯をすぐに食べて去った。

「2日後ね。また久々にしごいてあけまるわ。」

クリスティーナはプレイヤー達の名前を頭に浮かべながら言った。

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