第6自摸「アカナシゼンアカなにがちがうの(前編)」
第6自摸
「アカナシゼンアカなにがちがうの(前編)」
ある日、いつも行ってる雀荘で肉ちゃんは仲良くしてもらってる店員さんに声をかけられました。
「ウチの店、土日に出れる女子バイトが足りなくて。肉倉さんかネガ子ちゃんウチでバイトしたりしない?立番だけでいいし週末のピーク時だけでいいから1人欲しくて」
「私は?」
「サキちゃんはプロ選手だろう。基本的に立番メインのスタッフが欲しいんだよ」
「私やりたいです」
……というわけで週末だけお手伝いさんとして雇われることになった肉ちゃんです。こんにちは。
初日は仕事を覚えるためにお客さんの少ない時間帯の出勤になりました。
「雀荘の立ち仕事は単純作業。覚えてしまえば簡単だから少しずつ知っていこうね」とリーダーの深谷さんは言っていたが、本当だろうか。
「おーい、九条くん」
「はい」
「九条くんが肉倉さんの教育係をやってくれ。とりあえず今日のセット予約の設定をしつつそれを教える感じで」
「分かりました」
「じゃあ、肉倉さん。今日の予約済みセットを設定するという仕事を教えるからついてきて」
「はい!」
(初仕事だあ〜!ワクワク)
「よし、今日の予約はアカナシの簡単な設定だ。やってもらうには丁度いい」
「アカナシ?」
◉正解と解説
「アカナシってのは赤牌は入れないってこと。赤《祝儀対象牌》なしのセットだからチップも今回は片付けて」
「チップを片付けるのは納得なんですけど…」
「けどなんだ?」
「あかを抜いておくことに何の意味があるんですか?」
「ん?」
「だって色なんか無視すればいいだけのことじゃないですか」
「……それは、そうなんだけどね…」
後編へ続く