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突然の異世界で苦労する話  作者: あばどーん
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プロローグ1-2

設定とかは後から生えてきたりします。

投稿は不定期です。

行き当たりばったりで書いているから説明回が長いなー

プロローグはチュートリアルです。よしなに


「あれ・・・俺・・・名前なんだっけ?」

「なんだと?」


混乱し狼狽えている俺を見て2人が不思議そうな顔でこちらを見ている。

ヴァスに名前を聞かれ答えようとしたが答えられなかった。

名前以外にも他の自身の情報を思い出そうとしたが全くといっていいほど思い出せなかった。


「は?あれ?何で?は?は?はぁ!?うぇ?うぇ?」

「おい、落ち着け」

「大丈夫でございますか?」


意味不明すぎて変な笑いが出そうになり疑問譜が頭の中で爆発して乱反射している。

そこである事に気づいた。


「荷物だ・・・」


そう荷物の中に個人情報の塊である財布やスマホが入っている。

これさえ確認できれば自分が何者かが分かる。


「ヴァスさん、頼みがあるんだ、俺の荷物を返して欲しい俺の名前が分かるかもしれない」

「いいぞ。ただし条件がある」


条件付きだがすんなりと許可がおりた。

正直許可なんて下りないと思いミアーナに縋ろうと算段を立てていたんだが。

とりあえず条件を聞く事にしよう。


「条件?俺に出来る事なんてないと思ういますけど?」

「お前の持っている食料をよこせ」

「それだけですか?」

「それだけだ」


それだけ?本当に?

というか何故俺に許可を取る必要がある?

言ってしまえば俺は今捕虜の身だ。

俺の許可が必要な事など何一無いはずだ。

この世界に捕虜扱いに対するモラルがあれば別だが。


「わかったその条件を飲もう」

「持ってこさせるから少し待ってろ」


そう言いヴァスがテントの外にいる見張りに荷物を持ってこさせる。

持ってくるまでの間にミアーナが俺に質問を始める。


「あなた様、記憶が無くなってしまったので?」

「記憶喪失なんて事はないと思います。身元を証明する物が荷物に入っていますのでそれさえ見れば思い出すはずです。たぶん、恐らく、きっと・・・」

「ふん、気にする程のことではないだろ、名前が無いなんてのは特段珍しいことじゃない」


名前が無いのが珍しいことじゃないってお前・・・。

この世界はかなり殺伐としているのかもしれない。


「それに、お前に限って名前が無いなんて事はないだろう」

「なんでわかるんです?」

「あなた様の身につけている物が上等な物ばかりですから、恐らく何処かの貴族か商家の者でしょう」


なるほど確かに言われてみれば異世界物には着ている物が珍しく貴族と間違われたりすることがあるな。

話をしている外から声が掛かる。


「持ってきたぞー!!」

「ああ、悪い」


ヴァスが外から荷物を受け取り俺に渡して。


「さあ、早く封印を解け。それ以外は何もするなよ?」


とか言ってきた。


「はぁ?」


あまりにも理解できなかったのでつい素で返してしまった。


「お前が何かしらの細工をしているのは分かっているんだ。とぼけていないでさっさと解除しろ」

「何も細工なんてしてないですよ?」

「俺は魔法の事はさっぱりだがこんな上等な物に貴族が何も施してないなんてのはありえない」


本当に何も無いんだけど。

俺のバックパックは別に高級品って訳じゃないんだけど?

口で言っても仕方ないから論より証拠で示すとするか。


「それじゃ開けますね?」

「いいぞ、やれ」


チャックに手を掛けファスナーを開いていく。

カエルの口のように空いたバックに手を入れ、条件の物を取り出していく。

出し終わり荷物をヴァスへ返す。


「はい、だしましたよ」

「これだけか?」

「これだけだ」


パンはコンビニで買ったでかい円形のパンだから量は問題ないはずだ。

問題は味だ。

もしここで獣人達が食べられない物なら交渉は決裂。

俺の素性は一切わからないままだ。


「あなた様、これは何でございましょう?パン・・・ですか?」


コンビニで買った未開封のパンを指して不思議そうにしてるミアーナを見て少し大げさに演技っぽく強調して言った。


「これは()()を大量に使っている菓子パンという物です。大変甘くおいしゅうございます。」


砂糖が流通していないならこのパンはやばいだろうな。

いわゆる菓子パンだ。

異世界の人からすればかなりの高級品だと思うけど。

お茶はどうだろう口に合わないもしれない。


「砂糖だと!」

「まぁ、お砂糖!」


よし、やはり砂糖はかなり貴重品らしい。


「もう一つはホットドックと呼ばれるパンになります。こちらは砂糖を使っておりませんがソーセージとパンに調味料であるマスタードの組み合わせがグッドです」


お茶に関しては葉を濾した水の説明で通った。

同じ物が獣人達の間でも飲まれているらしい。

やっぱお茶なんだよなぁ。お茶しか勝たん。


「毒見しろ」

「ヴァス、これほどの高級品を譲ってもらえるのですよ?毒などと・・・」

「いや、当然ですよ。毒見します」


ヴァスに言われ毒見をする。

当然だ。怪しい奴の物なんてのは信用してはならない。


ましてや、口に含む物なら尚更だ。

どれほど鍛えていても毒に対して生き物はあまりにも無力だ。


毒見の為に菓子パンの袋を開けると甘い砂糖の香りがテント内に漂う。

獣人二人は鼻を小刻み鳴らし砂糖の香りを感じている。

改めて砂糖の使われている量に二人驚いているようだった。


そんな様子をみながら大きな円形の菓子パンを一切れ千切って毒見を始める。

ホットドックも一口齧りお茶を啜る。


「うん、うまい」


これで証明できたはずだ。

その後ヴァスとミアーナが一口ずつ食べその味に驚愕していた。


「はぁ~美味しい~」

「これはうまい!」


毒見は終了した。

これで少しは信頼してもらえたらいいんだけどな。


ミアーナとヴァスがラグニールに色々報告しに行くのでテントを空けて出ていった。

その間荷物を持ってきてくれた獣人が俺の見張り役になった。

子供だった。


「ガノ。よろしくな人間」

「え?あぁ、よろしくお願いします」


ガノと言うらしい茶色の髪の獣人だった。

すごく元気がいい。

あと距離が近い。


「人間、お前どこから来たんだ?なんでミアーナ様と仲いいんだ?めっちゃ甘い匂いすんななんで?」


など矢継ぎ早に質問攻めされる。

どうしてこんなに距離が近い?


「なぁ、獣人は人間が嫌いなんじゃないのか?」

「うん?別に?キライじゃないよ!」

「そうなのか?出会った時お前らに警戒されまくったぞ?」

「うーんとよくわかんないけど―――」


ガノが何か言いかけた時にミアーナが帰ってきた。

獣人だからか耳がいいんだろうか?

聞こえていたのだろう。


「それについては私が説明いたします」

「ガノも一緒にするー」



そこから先の話は結構シンドイ話だった。

ガノとミアーナの話をまとめると。

そもそも獣人は見た目が人によっている者と獣によっている者がいる。

ヴァスやラグニールは獣似でミアーナやガノは人よりだ。


ミアーナやガノは人との間に生まれたハーフで混血。

ヴァスやラグニールは獣人同士の間に生まれた純血。


ようは獣人としての種を人間の血が混じる事によって絶やされている。

そういう考えを持った者達が獣人の中には少なくはないようだ。

ラグニールが率いるグループにはそういう者はいないらしい。

なら何故自分に対してそこまで警戒したのか?


結論から言うと人間の貴族による迫害が原因。

どうも貴族にやり手の魔術師がいるらしくソイツにミアーナの異能(スペシャル)がばれてしまい国に追われる羽目になったらしい。

ミアーナを連れて国から脱出する予定だったが貴族の動き出しが早く後手に回った。


ミアーナが何処ににいるかわからなくする為に各グループに分かれ行動した。

ラグニールは危険地帯である森を通り国境を越えて獣人差別のない【アフターン中立国】に入ろうとした。


しかし、準備不足で逃げてきたから計画もボロボロでここに来るまでで40人程いたが12人まで減ったようだ。

思い返してみれば殆どが武装していたとはいえ若い衆が多く見受けられた。

だが、実際に戦闘が出来る者はヴァス・ラグニール・ミアーナを含めた5人だけなようだ。

それにミアーナのいるグループ以外は捨て駒同然の内容だ。


そんな厳しい状況に置かれている中現れたのは身なりが綺麗で上等な衣服を着ていた人間の俺。

警戒されて当然だ。


話終わった後にミアーナが目に涙を貯めていた。

だが、泣きはしない

恐らくこれまでに嫌という程泣いたたのだろう

涙は枯れかけていた。

ガノがミアーナに抱き着く。


「私の所為なのです・・・私の・・・こんな力欲しくなかった・・・」

「ミアーナ様は悪くないよ!」


ミアーナは自分が原因だと考えているようだ。

だがミアーナの力だけが目当てでここまでするものか?

相手も追いかけて来て危険地帯に入ってきているはずだ。

恐らく別の要因がありそうだが今詮索するのは無しだ。


沈黙が場を支配している。


重い空気に耐え切れず何か場の空気を変える言葉を探すが見つからず。

なら励まそうと思案し余計な事に気づく。


あそこで俺を殺さないというミアーナやラグニールが下した決断が常軌を逸した物だということに。


出会って間もないがラグニールが運否天賦に賭けるような奴じゃないのは一目で分かる。

それ程までにミアーナの完成未来図(パーフェクトルート)が強力なのだ。

そしてミアーナは俺が獣人達を救うと言い切った。

きっと獣人達は藁にも縋る思いでこの決断を受け入れたのだ。


この重い空気の外から報告が終わり帰ってきたヴァスの声が掛かる。


「ガノ、就寝時間だ。ミアーナ様もお休み下さい」

「わかりました。ガノ、ありがとう。」


ガノの励ましに礼を言いこちらに向き直り


「寝ましょうか」


バツが悪そうに微笑みながら言う


「あ・・・はい。」


動物の皮だろうか?

それを敷いた簡易な寝床に就きため息を漏らす


「はぁ」


今日一日で分かった事がある。

異世界物にも色々なジャンルがあるが恐らく俺はハードモード系の異世界だ。

大した能力も与えられず与えられたとしても「呪いだろ」ってヤツだったりする知恵とか努力で何とかしていくタイプだ。


大体与えられた能力は死んでから発動。

死にかけて発動したりするんだけど。

自分が死ぬ事が前提の能力なんて絶対に嫌だ。


もし、死ぬことが前提の能力だったら・・・。

今すぐここから逃げ出したい。


「俺には無理だよ」


俺が獣人達を救う?

俺に助けられる力があればそりゃ助けてあげたい。

でも、俺には何の力も無い。


獣人達は俺に「()()」を期待しているようだが無理だ。

みんなには悪いが奇跡なんて夢みない方がいい。


そうだこれは夢だ異世界なんてものはありえない存在しないんだ。

目が覚めればいつも通りの日常に戻っていて会社に出勤しているだろう。


そんな奇跡を夢見ていると意識が薄れていきやがて手放した。

ラグニールは村の代表で100人程の獣人達をまとめていました。

ヴァス・ラグニールは狼をイメージ

アーミアは白い狐

ガノは茶色の柴犬

こいつらが住んでいた国の名前は【レイドイ】


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