プロローグ
初投稿です。
小説の事とかなんもわかりません。
どれくらいになるかわかりませんが完結させるつもりで書きます。
批判、賛同コメントどんとこいです。
対戦よろしくお願いします。
俺は仕事の夜勤を終えて家に帰る途中だったはずなのだが。
気づいたら森の中で木々に囲まれた白い花畑のど真ん中に仰向けで寝ころんでいた。
どうやら俺は夜勤帰りに異世界へ飛ばされてしまったらしい理由はわからん。
だがこんな森森してる所は帰り道に無かったし、そもそもまだ朝日は昇っていなかったのに太陽はほぼ真上にある。
それに―
その時大きな影が上空を通過する
「ゴァァァァァァ!!!!!」
空気を震わせ思わず耳を塞さぎたくなる程の凄まじい咆哮が辺りに響く。
遠くからでもわかる漆黒の巨躯、翼、尻尾。初めて見たが一発でそれだとわかる。
その圧倒的な存在感を放つそれの名は。
そう、龍だ。
これが異世界でなければ何処だっていうんだ?
しかも黒龍だ見つかればまず命はないだろう。さっきからここら一帯を旋回しているようだ。
仰向けの体を起こし胡坐をかいて自身のポケットの中を確認する。
「とりあえず財布とスマホはあるな。」
落とすとまずいので持っているリュックの中にしまう。
ついでに中に入ってる物の確認をする。
「リュックの中はコンビニのパンと救急キットに着替えと作業服か」
サイドポケットにも色々入っているが後にしよう。
荷物を確認し終えて龍の飛んでいる方を見て。
「何か探しているのか?」
龍の行動に疑問を抱いていると近くからこちらに向かって草木をかき分ける音が聞こえてきた。
その音に立ち上がり身構えたが音が近づいてくるにつれて複数の鉄と鉄が擦れる音や「大丈夫だ」「ここまでくれば」「この場所だ間違いない」などの話声が聞こえて来る。
(あぁぁ~~文明の音~~~)
と心の中でふざけて
「人かぁ」
とつぶやき安堵してため息をもらす。
しかし、ここは異世界だ。人である確証がない事に気が付いた。
人だよな?人であってくれ。
そう願うが・・・。
現実は非常である。
茂みから出てきた音の正体達のリーダーであろう黒い狼みたいな人物と目が合い両者硬直する。
状況の把握に脳内CPUがフル稼働しているのだろう。かくゆう俺も脳内CPU100%使用中だ。
何故なら人ではあったが恐らく亜人・獣人と呼ばれる種族だろう。
尻尾と耳をもっていた。
しかし、異世界物では亜人種などが人に差別され奴隷種族などにもなっている物があるため、もしそうだった場合この状況は最悪だと言ってもいいだろう。
この世界の人間の民度を俺は信じたい。
獣人達は十数人程いたが全員こちらに対し驚きを隠せないといった様子だ。
また、その殆どが武装しており何処かしらに傷を負っていて正に手負いの獣といった感じだ。
(頼む!友好的であってくれ頼む!!)祈る神はいないが心の中で手を合わせ身構える。
静寂に包まれ張り詰めた空間の中で風が草木を優しく撫でる音だけが聞こえ長いようで短い間が流れるそして―――
直後に抜剣され、囲まれた。
『薄汚い人間が何故ここにいる!!答えろ!』
「先回りされたのか!?」「ここもダメなのか・・・」「うぇえええん!!」「安全ではなかったのか!?」「どういことだ!」
(はい。この世界の人間はクソです。本当にありがとうございました。)
現実は非情である。
半ばヤケクソ気味に心の中で叫びながらどうすれば殺されずに済むのかを脳内CPU100%中の100%で考えながらはじき出した答えは全力で命乞いすることだ。
目の前にいる黒い毛のリーダー格の男は2mはあろう巨体で体格に見合った巨大な曲剣を構えている。
どうあがいても勝てる気がしないし逃げれる気がしない。
全力で命乞いすること以外に選択肢がないのだ。
「まて!まて!まて!待ってくれ!!頼む!落ち着いてくれ!俺は敵じゃない!」
そういいながら俺は両手で相手を制止しながら頭の後ろにゆっくりと両手を組み膝をつき自分が無害だということを出来るだけ伝える。
しかし、「騙されるな!」「人間の言葉に耳を貸すな!」「早く殺せ!」など。
とにかく俺には早々に消えて欲しいようだ。
声の大きさには自信があったのでドラゴンに負けないくらいの声で言い放った。
「俺は仕事から帰る途中だった。そして意識を失って気づいたらここにいたんだ!魔法かもしれないが俺は魔法を使えない!ここが何処かもわからない!俺は何も知らないんだ!ドラゴンが近くを飛んでいた!こんなうるさくしていては見つかってしまう!それに俺は獣人を差別したことなんて一度もにゃい!頼むから殺さないでくれ!!」
途中恐怖のあまり舌を噛んでしまった。噛み方もやばい。完全にバカにしている。気づかれたら終わる。
冷や汗が止まらず目が泳ぎ頭が真っ白になる。
そこに声が掛けられる。
「その人は嘘をついてはいません」
柔らかく優しい声だった。ついでにめちゃくちゃ美人だった。
周りがざわつきだし彼女を心配する声があがる。
「ミアーナ様?!」「お下がり下さい危険です!」「いけませんミアーナ様!」
『何故ここにいる!?子供達と一緒に下がっていろ!』
黒い毛のリーダーが少し怒ったように言う
「いいえ、下がりません。ラグニール、ここでこの方を殺してはいけません」
ミアーナと呼ばれた女性は、黒い毛のリーダー、ラグニールに言う。
『なんだと?お前の直感には何度も助けられてきた。だがな、今回ばかりは―』
ラグニールが言葉を言い終える前にミアーナは俺を守るようにラグニールの前に立ちはだかり手を広げ
「いけません」
『本気か?・・・』
「・・・」
『ミアーナ』
ミアーナは言葉を発さずラグニールの目を見続けている。
ラグニールは2mはあろう巨体でミアーナは150㎝程なので物凄い体格差になってしまっている。
とんでもない威圧感だが、ミアーナは一歩も引かずたじろぐことは無かった。
『負けだ』
そう言うとラグニールは背に剣を収めた。
『皆、剣を収めよ』
「戦士長!!本気ですか!?」
『良い、ミアーナの直感はいつでも正しい方向に我々を導いた』
「ですが!」
2番め位に強そうな黒に赤が少し混じった狼っぽい奴が詰め寄る。
『それにここで時間を食う訳にはいかんのだ、ヴァスよ』
ラグニールは悔しそうに拳を握りながらヴァス、自分自身に言い聞かせるように言う。
『ただし、少しでもおかしな真似をしたら即刻叩き斬る。良いな?ミアーナ』
「はい、それで構いません」
(なんとか助かったーー!!)
そんなこんなで夕刻に差し掛かったのでこの白い花の場所にテントを張る事にした。
何故かミアーナとおんなじテントに入れられた。
◇◇◇
ラグニールとミアーナは獣人達に俺の事を説明をしてなんとか受け入れてもらった。
荷物は没収された。
それとヴァスと呼ばれた赤黒毛の奴は俺の監視兼ミアーナの護衛になった。
なんでもヴァスはラグニールの息子らしく次期戦士長だとか、エリートってやつだ。
テント設営が終わる頃には日が落ちており。
焚き木で焚いた火と松明の明かりだけが森の暗闇を照らしている。
今夜は月明りがないようだ。
見張り番は交代制なのだが俺もやろうかと言い出したら。
自分は監視対象だということで見張り番には出なくていいらしい。
「仮に人間がこの暗闇の中、まともに見張りができるとも思えん」
ヴァスに鼻で笑われた。
ミアーナにテントでこの世界について色々聞く事にした。
まず、どうしてミアーナがあそこまで俺の事を庇ってくれたかについてはミアーナの【異能】に関係あるらしい。
そもそも【異能】ってなんぞ?って感じだった俺に説明してくれたから情報整理もかねてまとめてみよう。
【異能】とはこの世界に住むあらゆる生き物に先天的・後天的に発現する【世界のルール】で魔術・神術・呪術・気術に属さない物を言う。
似たような魔術等はあるが【世界のルール】である異能には及ばないとのこと。
任意で発動できるものではないらしく勝手に発動したり条件を満たす事で発動したりとバラバラで効果もそれに見合うかは使うまでわからない。
発動するのに代償を払う物もあれば何のデメリットも無しに発動出来る物まで様々。
もし任意で発動できる異能を所持している場合いろんな国や組織から狙われる。
ただ、上手く取り入ればいくらかの地位や名誉が手に入る。
強力な異能持ちをめぐり大昔に大戦争があった。
それ以来、異能持ちの扱いは難しいのが一般の認識。
この世界で異能を持つ事のメリット・デメリットはこんな感じ。
そして、ミアーナの異能が
【未来完成図】自身が未来に向かうための最良の選択が分かるらしい。
発動条件は自身が運命の岐路に立たされた時に発動する。
ようは未来予知。直感だ。
俺を助けたのはこの異能に俺が映ったので殺すのを止めたらしい。
で、その映った映像に俺が異能を使って獣人達を救っていたんだと。
「・・・異能なんて持ってませんけど?そんな期待されても困るんだが?なんもできないよ?」
「いいえ、そんなことはありません。あなた様は必ず我々の救いになります」
ミアーナ曰くここまではっきりと未来が見えたのが初めてらしく俺に出会った事を運命とかいってる。
あと、自然に手握ったりしないでドキがムネムネするんで。
そんなやりとりをしているとヴァスが
「所でお前、名前は?」
「え?ああ」
ミアーナもそういえば、と言った顔でこちらを見て来る。
「俺の名前は・・・名前は・・・」
あれ?俺・・・名前なんて言うんだっけ?
白い花には魔除けの効果があり焚火にいれると効果が倍増します。
ミアーナは嘘をついてるかどうか見分けれる能力は持っていません女の勘です。