正体
「俺は、ダンピールだ!」
―――ダンピール、それは、人間とヴァンパイアの間の子。つまりは、半分ヴァンパイア、半分人間ということだ。
「ダンピール、、、ですか、、、。あの、もうひとつ、、、あなたの、名前は、?」
凛秘睹は彼に聞く。彼はダンピールと言った。つまりは、あの種族ではないということだ。凛秘睹にとっては、助かったとも言える。
「俺の名前は、有栖川河奈飛だ、ところで、君は。君はなんという?」
彼――河奈飛は名前を聞いた。そりゃあ当たり前である。なにせ名前を聞いたのだ、返さなければそれこそ無礼に当たるだろう。
「僕は凛秘睹です。流星凛秘睹。ヴァンパイアです。」
…………
お互いに黙る。なぜか、、、それは、凛秘睹の言った自己紹介が原因だ。彼はこの、誰が聞いてるかもわからないこの街中で、言ってしまったのだ。
「僕はヴァンパイアだ」
と、、、、、
この沈黙を先に破ったのは河奈飛だった。
「ははははは!そうか!君は口が軽いな!危ないね、そうだなぁ、、、、」
彼は、たっぷり言葉を溜め、そして、こう言った。
「俺と来い!!そうすれば、この世の裏側、、、君の知りたいことが、知れるかも知れないからね」
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この世には裏と表がある。
コインの裏表、性格の裏表、、、、。そして、それはこの世界にも当然のようにある。
凛秘睹は、その世界の裏側、、、、この理不尽な世界を知りたいのだ。そして、改善したい。
どんなに努力しても、どんなに泣いても、苦しんでも報われることの無いこの世界。罵倒され、殴られ、蹴られ、、、。誉められて、喜んで、調子に乗り更に努力してまた罵倒される。その繰り返し。友達を、、仲間を作ることを恐れ、逃げ、1人になることに何も疑問を感じなくなっていく、、、。
そんなことを考え、思い出に浸っていた凛秘睹の思考を呼び戻したのは、彼の、、、河奈飛の、今にも消えてしまいそうな、どこか儚い姿。彼は今、何を考えているのだろう、、、。
次回!!河奈飛の過去!(多分)
ぜんぜん物語進みませんねすみません、、、