ざまぁ系とは何ぞやって話
※注意!
本エッセイにはざまぁ系に対する非常に強い非難が含まれる上、エゴイスティックな内容となっております。苦手な方はブラウザバックしてください。
目次
①ざまぁとはそもそも何か
②作者様に対する注意点
③読者様に対する注意点
④安易なざまぁ導入についての注意喚起
⑤ジャンルとしての価値
⑥総括
始めに、とあるキャラの台詞を借りて、最高にお下品な一言から入りましょう。
射 精 の 百 倍 気 持 ち い い ぜ !
はい。申し訳ありません。
ですがざまぁというのは一言で言えば、そのような瞬間的快楽であると申し上げたい。
加えて申し上げますと、最低にお下劣な陵辱プレイコンテンツでありましょう。
①ざまぁとはそもそも何か
さて、たった5文で大体言いたいことは言い終わってしまったわけですが……では何故そのようなものだと断言するのか、それを詳しく説明していきしょうか。
まず『ざまぁ』がどの様な演出であるかを定義するところから入りますね。
一つ、主人公が誰かに屈辱を味合わされる。
二つ、その後に主人公がその誰かを屈辱的な目に遭わせる。
とりあえずこれだけです。超簡単ですね。
テンプレ的に追放からの立場逆転みたいな感じだったりしますが、本質的には相手を見下すことが重要でしょう。
土下座させるのです! 処刑するのです! 踏みにじるのです!
詰まるところ重要なのはそこだけ。
バトルもののように勝利することが重要なのではなく、恨みの対象を私刑する瞬間に最高のオーガニズムを迎える訳ですね。
ハハハ、超気持ち悪〜い。
例えばサイコパスのキャラが「人を殺して気持ちいい!」って絶頂してるじゃないですか。アレと一緒ですよ。
外様から見ればオナニーしてるようなものな訳で、この手のものがドン引きされるのはそういう理由からな訳です。
有り体に言ってしまえば、かなり頭の悪いエロ漫画と一緒です。
ウケる? そりゃ当たり前ですよ。エロいものはウケますから。
だからざまぁを書く場合や読む場合というのは注意が必要です。
②作者様に対する注意点
まず、ざまぁが面白いからウケてるわけじゃありません。
素材は問題ないんですよ。全てを失った主人公というのは最高の題材です。
しかし失う過程が適当で、尚且つ倒すのも力任せで終わっても読まれていると言う状況を考えれば、物語性は全く重要視されていません。
作者様が一生懸命書いた文章や重厚な設定の殆どに価値は無く、ボコボコにされるキャラを見て絶頂したくて皆読んでます。
つまり陵辱ものの同人誌ですね。
逆に言えば、陵辱される人間が変化していく様をじっくり書けば、物語的には面白くなる場合もあるでしょう。
それはもうざまぁじゃない?
そりゃそうですよ、ざまぁ自体を連発しても面白いわけないじゃないですか。ハハハ。
エロに近しいと言ってもエロシーンそのものはありませんから、継続して引きつける魅力はざまぁには存在しません。
それでも続けるとしたら、まぁ、良いとこ二回までですかね。
三回目以降はワンパターンで面白くないでしょう。
③読者様に対する注意点
続きまして読者様に対する注意点ですが、ざまぁを読み過ぎると残虐なものにのめり込む場合があります。
上記でも書きましたが、ざまぁと言うものの本質は踏みにじることです。
それによる快楽は凄まじく、普通ではあり得ない鬱屈とした感情を満たしてくれます。
しかし当然ですが、現実には他者を見下すのは非常に危険です。
見下されているというのは普通に分かってしまいますし、そうなれば反感を持たれるのは必至。
皆それを分かっているから我慢を覚えますし、協調して生きていくのです。
それなのに見下すことが我慢出来なくなれば、読者様はいずれ背中を刺される(裏切られる)かも知れません。
そのくらい見下すという行いは下劣な行いですから、あまり慣れない方が良いでしょう。
④安易なざまぁ導入についての注意喚起
話は少し変わりまして、ざまぁを話の導入にしてとにかく読ませる、という手法をとっている作者様もいらっしゃるでしょう。
ですが正直お勧めは致しません。
上記で書いた通り、ざまぁというのは導入した時点でストーリーの品質は低下します。
いくら大衆文学が高尚なものではないといっても、程度というものがあるんですよ。
人が落ちぶれていくのをユーザが楽しめる様な書かれ方をしている時点で、それは極端に低俗なもの、つまり猥褻物と同レベルなものになってしまいます。
ですから逆転劇を書くにしても、「ざまぁ」をウリにすることだけは避けたほうがいい。
逆転劇はあくまでも成長と勝利が主題でなければなりません。
勝利のカタルシスの中に「上にいた人間を見下ろしてやりたい」という鬱屈した感情が紛れ込んでいるにしても、それを押し隠して振る舞うのが紳士というもの。
いわばネガティブな娯楽とでもいうべきものを生産し続けていては、負け犬の妄想という誹りからは逃れられないでしょう。
⑤ジャンルとしての価値
ただまぁ主張を翻す様ですが、そういうコンテンツでも需要があって売れるなら、ある意味で正義です。
「エロコンテンツに価値はないのか?」と聞かれれば、「ある」と答えますから。
AVもエロ漫画もエロゲも買ってますし、所謂ポルノ商品を否定はしません。
そういう意味ではざまぁ作品にも価値は存在するでしょう。
作者様が意図してそのタイプのものを書いているのであれば、それはそれで成功です。
ただ小説という土俵で戦っているかと言われれば、NOと言えるかもしれません。
何故ならそれらはr-18のついていない卑猥作品の様なものであり、親御さんからすれば子供に悪影響待ったなしと判断される様なものだからです。
ざまぁというのはそういうグレーゾーン的な部類のものなんですよね。
面白さではなく、エロさを売りにする。そういう類のものと言えるでしょう。
⑥総括
とまぁ「ざまぁ」の低俗さについてつらつら書きましたが、ぶっちゃけ私は「ざまぁ」が嫌いです。
なろうに入ってきたばかりの頃は、まぁ物珍しさから読んだりもしました。
しかし流石に色々読んで目が肥えてくると、どれもワンパターンで将来性がないことに気が付いてしまう。
やり返した後は主人公がちやほやされるだけ。
「チート」や「最強」に一つ付け加えただけのアナザータイプに過ぎません。
リアリティもオリジナリティも全くないし、タグがついていればまず間違いなく面白くない。
しかしありがたいことに、「チート」「最強」「ざまぁ」は除外ワードとしては優秀です。
三つ外すだけで、面白い小説に当たる確率が飛躍的に上昇するんですよ。
もちろんそれらがついているものの中に面白いものがないとは言いませんが、ハズレの作品があまりにも多すぎる。
三つ除外して長文タイトル回避。これが有効である以上、筆者的にはその類のものは書かないほうがよろしいと進言せざるを得ません。
最後にちょっと話は変わるんですが、この検索方法で問題なのは「いずれ最強」ってタグがついてると除外しちゃうことですね。
成長ものは最後は強くなるというのは読者からすればある種当然なので、そのタグ外しておいてもらえると助かるなーって思います。
終わり。
投稿していいのかな?って気持ちと、投稿してやったぜ!って気持ちがミックスしている。
このエッセイを執筆したことを後悔だけはしていない。
2021/09/07 誤字報告感謝です!