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メロスは株を買う
メロスは決意した。株を買うのだと。
メロスは確定拠出年金とつみたてNISAを始めた。どちらも上限額を投資した。
確定拠出年金年金は毎月5万円のつみたてた。積立額は全額所得控除になるというお得付き。
つみたてNISAは、年額で40万円をつみたてた。売却益が非課税というお得付き。
合計額は月8万円で、これを拠出するのに苦労をした。同期のセリヌンティウスが年12万円の賃貸に住むのを横目に、メロスは半分の額の賃貸で我慢した。また、セリヌンティウスがボーナスをもらって散財するのを横目に、メロスはボーナス全額を貯蓄した。幸いメロスはお金を使うことに幸せを感じず、お金は未来の不幸を回避するためのものだと位置づけていた。
入社後の1年間でいわゆる生活防衛資金を貯めることに成功したので、先の投資が可能になったのである。
メロスは激怒しやすい性格であることを自覚していた。この生活防衛資金は上司に中指を突きつけても生きていけるという心の安定をもたらしていたのである。
メロスは黙々と働きながら、資産を増やしていった。