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メロスは激怒しない
メロスは社長の立場を慮ってみた。なぜ毎年達成できるかもわからない売上増目標をたてるのか。そして、売上増目標を達成するための手段をなぜ何も言わないのか。年始の挨拶を聞くに、今やっていることはそのまま、人員もそのまま、給料もそのまま、とりあえず頑張ろうとしか聞こえなかった。もしかしたら売上増目標を達成する気が無いのではないだろうか。
そう考えると、社長にも同情する。社長はただの雇われであり、親会社からの目標を一方的に押し付けられているだけではないか。
では、諸悪の根源は親会社か?株主として配当を要求し、子会社の労働力を搾取し、それに見合う対価を払わないのではないか。
メロスはサラリーマンとしての限界を感じつつ、今日も寝入った。