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チョコレート至上主義のこの世界で、持ち武器が「チョコスティック」の俺  作者: 鷺ノ宮修
永続氷河大国=モールスモール
8/9

ゆずれないもの


「ふぅ、今日の午後は大変でしたねぇ」

「あぁ、マーブルのやつをなだめるのは、本当にめんどくさい」

ボルドとカミーラの二人はベルメット製菓の二階でくつろいでいた。


「しまいには、銀行に行って、お金をおろしてくるんですから驚きです」

「しかも、グリコールは今日は時短営業で、戻った時には開いてなかったとか

あいつも運がないな」

ざまぁぁぁと内心思っているボルドであった


「ベルメットさんが代わりといってはあれですが、チョコレートを用意してくれて

助かりましたね」

「あぁ」



「なんでそうなるの!」

バン!と調理台を叩く音が下から聞こえてきた


「どうして、プラリネ作るの止めちゃうの!」

「プラリネは作るのに、時間がかかるし、使用してる材料も他と違って高い」

なんだなんだと、二人は調理部屋をこっそり覗いた


「プラリネはベルメット製菓で1,2番に売れてる商品なんだよ」

「そんなことは分かってる、でも今言ったようにプラリネはコスパが悪いんだ

経営難の今のうちに、プラリネを作る余裕はない」

店の経営方針で争っているようだった


「やだよ、私、プラリネ止めちゃうなんて!」

「私だって、そうだが、仕方ない。プラリネ以外にも人気商品はまだある」

「違うよ!人気商品だとか、本当はそんなことで怒ってるんじゃないんだよ」

「…」

ベルメットさんは痛い所をつかれたのか黙ってしまった


「このプラリネは、お母さんとお父さんと私の3人で作り上げた商品だよ!」

「そんなことは分かってる」

「そんなことって、分かってないよお父さん!」

ヴァローナは声を荒げる


「なに…」

「お母さん言ってたよね、私たち家族で作り上げたこのプラリネを街の皆に食べて

もらって笑顔になって欲しいって」

ボルドはヴァローナの母親に会ったことはないが、笑顔が絶えない愛嬌のある人物とヴァローナから聞いたことがある


「この店だってマーヤとお前と私で作り上げてきた大事な店だ。店が潰れたら、

元も子もないんだぞ」

ベルメットさんが言っていることはいたって正論


「分かってるよ、でも潰さないためにプラリネ止めたり、流行りに乗っかっただけの

大して洗練されてもない商品店頭にだしたりして恥ずかしくないの!」

一方ヴァローナはボルドから見たら、「青い」という印象だった


「なに、生意気なこと言ってるんだ、お前に味なんて…」

「分かるよ、何年、父さんのチョコ食べてきたと思ってるの?はっきり言って、腕

落ちてるよ!だからポット出のグリコールなんかに負けちゃうんだよ!」

あ、っとカミーラが声を漏らす


「ふざけるな!」

さすがにベルメットの堪忍袋の緒が切れてしまった


「っつ…」

「働き始めて日が浅いお前に、店の苦悩が分かってたまるか!口を出すな、黙って働け」

「あっそう、じゃあもういいよ!」


バタン!とドアを力強く閉めてヴァローナは出て行ってしまった


「大丈夫か?」

「すまん、見苦しい所を見せてしまって」

ベルメットのいつもの厳つい顔つきは影を潜めていた


「いや、どこの家族だって喧嘩くらいしますよ」

「ボルドさん、ヴァローナさん探しに行きましょう」

「あぁ、さすがにこの暗い夜に女の子一人はちょっと危険だしな」

寒いモールスモールの夜にくりだす準備を始める


「すまない、私が行った所で、ヴァローナと上手く話せる自信がないヴァローナのことよろしく頼む」


「手分けして、3人で探すぞ、マーブル起こしてきてくれ、俺は先に教会方面に

行って探してくる」

「分かりました。」






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