表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男運ゼロの薬師令嬢、初恋の黒騎士様が押しかけ婚約者になりまして。  作者: 柊 一葉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/48

ロリコンではありませんが弟子はかわいいのです《お師様side》

前衛的熟女好きのティグラルドです。


あぁ、熟女好きには前衛と後衛という二つの派閥が存在しまして、前衛的な熟女好きは年相応の美しさというものを愛してやまない派閥です。いわゆる美魔女というのは対象外でして。後衛は、熟女だけれど若くきれいな女性を好む派閥です。


あまりご興味はないですか?リディアなんて「どっちでもいいです、仕事さえしてくれれば」と言ってあまり真剣に聞いてくれないんですよ。困った弟子です。


そういえば、そのリディアですよ。

私がちょっとメリダ・ヒース子爵夫人と旅行に行っている間に、あの黒騎士様を連れ込んでいました。どう見ても彼はリディアを好いているのですが、なぜかリディアは彼を遠ざけようとしています。


ナタリーが言っていました。

えぇ、私は部屋に篭ってお仕事をしていますから……。


ナタリーは用事があると遠慮なくズカズカ入ってきて、話したいだけ話して帰っていく元気なお嬢さんです。あの子はきっとお喋り好きな熟女になるでしょう。


「ちょっと小耳に挟んだんだけれどね?」と言って、国家機密を喋り出すような熟女になるに違いありません。


……何のお話でしたっけ。


そうそう。リディアとラウルです。

私は弟子の色事には関わらないと決めているので放置しようと思っていたのですが、たまたまリディアが早めに就寝した際に彼とリビングで出くわしまして。


事情を聞いてみると、彼はエドフォード殿下の選んだ見合い相手だったそうです。

カイアスさんとおっしゃる方が魔女の生け贄なんていうから、てっきり人体実験される生け贄だと思ってここに来たと彼は言っておりました。


なんとまぁ、人の話はしっかり聞いて、契約書に目を通さねばいけないというのに。

戦場では最強の敵なしだった黒騎士様も、どうやら色事には疎い上に会話能力があまりないようです。これは軍人ですから仕方ありませんね。


しかし彼は優しい人です。


『生け贄は勘違いで、婿になるために来たんだってリディアに伝えたらどうですか?』


私がそういうと


『自分の婿を生け贄だなんて表現されたと知ったら、リディアが傷つく。だからこれは黙っていて欲しい』


彼がそう思うならそういうことにしましょう。多分リディアは傷つきませんが。「カイアス()ぜろ!」くらいは言うでしょうね、ただしそこに悲しみなんてないと思います。


『仕方ないですね。私からは何も言いません。リディアは呪われた武具でも装備しているかのように壊滅的に男運がないので、ラウルに幸せにしてもらえればと思います』


私が笑顔でそう伝えると、彼は少しだけ躊躇いつつ言いました。


『念のため問うが、師匠はリディアを女として見ていないのか?』


驚きです。

そんなことを聞かれるとは。私がリディアを女性として愛するなんて、異種族間恋愛か異次元恋愛をするくらいの不自然なことなのですから。


『おかしなことを聞きますね~。私は正統派の熟女好きでして、それはある意味で人種と表現してもいいでしょう。あの子は出会った当時12歳でしたし、今でも親子ほど年齢差があります。あぁ、伝わらないですか?確かに世の中にはそういう夫婦もおりますものね。けれどご安心を。私はロリコンではありません。けれど、弟子はかわいいのです。リディアが70代になったら恋に落ちるかもしれませんが、そのとき私は100を超えていますから、きっと冥府でさらなる熟女を追いかけているでしょう』


『……わかった。無駄な質問をしてすまない』


『あ、そうそう。一つ大事なことを言っておきます』


『なんだ』


『熟女の魅力は星の数ほどありますが、私が最近発見した魅力は、かつてはスレンダーだった女性が年々ふくよかになり、50代に差し掛かったときにふとした瞬間に生まれ出る「加齢えくぼ」です。たるみとハリのなさが生み出す熟女の神秘と申しますか、つぼみが花咲くようにある日突然現れるえくぼ。片方だけに出ているのもまたよし、両方に出るのもよし、いずれあなたにもこの良さがわかると思いますがこれは絶対的に知っておいた方がいい情報ですのでご留意くださいませ』


『いらん』


ラウルの目元が引き攣っていたのはなぜでしょう。

彼は21歳のリディアに惚れるなんていうロリコンですから、熟女の良さは伝わらなかったみたいですね。


こういうことは無理強いできませんから、そっとしておいてあげましょう。


どうか若い二人に、大いなる幸福が訪れることを願って。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2022年9月1日アイリスNEOさんより刊行予定!
なろう版はこちら▼
『転生王女は愛より領地が欲しいので政略結婚を希望します!』

html>
(978-4758094894)
― 新着の感想 ―
[良い点] なんていうか お師様最高(笑) 毎日更新ありがとうございます!たのしいですー
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ