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第一章〜オワリ〜

どうも櫻井と申します。コロナで暇でしょうがないって人、どうぞ呼んでやってください。


羽田響介 主人公 ラブホの横にあるカラオケ屋 パコサウンドの店員。口の悪いイケメン。


佐々木咲千 ヒロイン 主人公の元カノ、高校大学の同級生、24歳。黒髪ロングの超絶美女。氷の女王、ツン度70%(昔は85%くらいだった)のツンデレ。


松葉未優 ヒロイン パコサウンドのバイトの子 高校三年生、新鮮なJK。主人公のことが好き。6歳差でもめげないポニーテール。


大野夕美子 ??? 急に主人公の元にやってきて、人類滅びるとか言い出す。雰囲気が誰かさんに似てる。

「ねぇねぇ君高校生でしょ、バイトいつ終わんの?おごるから飯いこうよ」


「あははー、でもバイト終わったらすぐ帰んないとお母さんに怒られちゃうんで」

 会計が終わると金髪ピアスのうざいのがナンパしてきた。

「えぇ時間ないんじゃしょうがないなぁ、連絡先教えてよ、今度映画見に行こうよ」

 こんなラブホの隣にある店でバイトしてるのだから仕方もないけど、正直なれないしキモい。


「いやでもその、私今年受験生なんで」

「マジで、俺向こうの大学通ってるから勉強教えてやるよ」

「でも、あの、え、ちょっと離してください!!」

 え、なんでいきなりつかんでくんの、ちょ、ほんとキモい、、キモいし、怖いし、もう嫌だよぉ


「おい、うちの店員に何勝手に触ってんだお前、ここカラオケ屋ね、歓楽街にあるせいで偶に酔っ払いが間違えるんですよ」

「あ!!先輩!!」

 助けが来たし、しかも羽田先輩だし、でもやっぱ最悪、こんな余裕ないとこ見られるとか

「あぁ!?なんだお前」

「だいぶ酔っぱらってるようですね、まだ夕方ですよ」


「いや、俺は酔っ払いじゃねぇ」

「何言ってるんですか、酔っ払いじゃなきゃキャバクラとカラオケ間違えるシラフがいる大学があるんですか?どこのFランだよ」

 

 

「俺はな、、あ、お前、あぁ」

 どうしたんだろう、金髪が先輩の胸のところ見て何かうなづいた。

「どうしました、吐きそうなんですか」

「I'll earn more than you」

 え?

「Oui, je t’enracine.Et mourir. 」

 んん??

「・・・おま、は」


「どうしましたか」

「いや、、その、吐きそうで」

「やはりそうですか、はいこれ酔い止めです、タクシーよんどいたんでそれでは」

 よくわかんないけど、やっぱり羽田先輩カッコいい!!あぁあと金髪は青い顔をして帰っていきました。




* * * * * * * * * * * 


 胸元を、名札を見れば正社員かバイトかがわかる。社会の縮図ってやつだ。俺が悪い。


 「羽田せんぱぁい、助けてくれてありがとうございますねぇ。お礼に今日ご飯おごりますよ」

 鬱陶しいのはこいつも客も変わらんな。


 「お前もあの金髪と一緒だな、ホストなら裏の通りの端にあるぞ」

女性用のスタッフ着に身を包んだ茶髪のポニーテールは、あざとく上目遣いで身体を動かす度に、たわわな部分と一緒に揺れる。


 「ちょっとあんなのと一緒にしないでくださいよ。第一、私別に男に飢えてませんし」


 「じゃあガキは早く帰れ」

 そもそも俺はまだ仕事があるし、女子高生がこんな歓楽街を一人でしかも夜にぶらつくもんじゃない。本当はここでバイトしてること自体に意見したいくらいだ。

 「先輩ひどい……もうこんな暗いのに、またあんなのにからまれたらって考えたら怖くて……だから、」


 松葉……俺は、何を言ってんだ……普段どんなに装ってはいても、結局まだ女子高生なんだぞ、あんなことがあれば怖いに決まってる。ここでバイトしてるのだって、何か事情があるに決まってる、年の近いバイト仲間もおらず、年上にも積極的に話しかけているんだぞ、ガキなのは俺の方だろ、、


「ごめん松葉、その、店長に事情話してくるから少し待ってろ。飯なら今度おごってやるから、今日は家で休め」

 こういう時、笑えてるか心配になる。


「やったー羽田先輩がおごってくれるーデートだ〜イェ〜イ」

こうやって、わざとらしく、俺には到底できない振る舞いだ。

「お前さっきの演技だったのか」

「違いますよ、先輩が奢ってくれるって言うから驚いたんですよ」

確かに、俺にしちゃ珍しいな

「年上の男といたって噂されてもしらんぞ」



* * * * * * * * * *

  《もうすぐ着きま〜す》

スマートフォンの画面に表示されているのは、現在の為替レートだが、発達した人類のテクノロジーは便利なもので、通知が来ると画面の上部分にLINE 誰から 文の初めの一言程度 が表示される。

話している内容は、バスに乗遅れましたとか、もうすぐ着きますとか、何の変哲もない事務的内容だが、松葉がバイトで入ってきて1年、仕事だからと入れていたLINEを私用で使用したことはそうそうない。

《了解》


そもそも普段行われている私用会話は、勝手に意味不明なスタンプを送ってきたり、服の写真を送ってきてどっちがいいか聞いたりと、一方的に爆撃を受けているに過ぎない。にしてもなんでそんなことをわざわざ俺に聞いてくるんだ。まだ自分は若いと思っていたが、既にJKの発想について行けなくなったか……


2018年5月3日、例年通りのゴールデンウィーク憲法記念日。こうして職場の後輩である松葉未優に飯をおごるという目的の元大型ショッピングモールに来ているが、やはり問題はあれか。


目線の先には最近若い女性もといJKを中心に流行りに流行っているタピオカとかいうドリンクの専門店がある。


元々世俗の流行には疎い訳では無いものの一切合切興味もないので、基本的にはどうでもいいのだが、あまりあのドリンクは好きではない。そもそもタピオカというのは、中に入っているあのキャッサバでできたあの黒い球体であり、ドリンク自体は関係ない。


初めはタピオカミルクティーとか呼ばれるものがトレンドと言われていたが、今やミルクティー以外にもごく普通のジュースを使用したタピオカドリンクが勢力を拡大した。一地方都市という名の田舎であるこの街は、既にヤツらタピオカ組のシマと化したのだ。


「わっ!!」

ビックリした、とかいうとこだろうが俺はそんなに優しくないし、ビックリしないし鬱陶しいし可愛い。


振り返って一瞬で確認できたコーデは、デニムのミニスカートに上は白い英字入りのシャツの上に白のレースガウンを羽織っていて、足元は某スポーツメーカーの靴下に厚底のスニーカー。実に女子高生らしいが、よくよく考えると初めて見る松葉の私服、ハッキリ言って、シャツ越しにそびえるチョモランマも、スカートからすらっと伸びた信濃川も、スタッフ着の時より遥かに色気を出している。

 

 いかん、子供相手に何をかんがえている。

「おう、来たか松葉、よし、早くフードコート行くぞ。混んだら困るからな」

と、逃げるようにその場を動こうとした俺の服の袖を何者かに掴まれた。


「ちょっと先輩もっとしっかり見てくださいよ、あとなんでフードコート行くんですか!レストランいっぱいあるじゃないですか!」

さりげなく安く済ませようとしたのがバレたのはどうでもいいが、その手を離して貰えますか松葉さん。


こいつは元々無駄にあざといやつだ、この格好も仕草も演技じみていて腹立たしいが、おかげで何も感じない。感じないはず、ですが袖を掴むのは反則では、色々思い出すからやめてくれ、頼むやめてくれ。


「服伸びちまうだろ」

「あ、すみません」

よかった、離してくれた。あと少しでキャラ崩壊を起こすとこだった。


「で、どうですか私の私服は!レベル高くないですか!!」


案の定あざとさ全開で感想を求めてきた。おちつけ、別になてことは無い、俺は立派な大人で子供相手に何も思わん。

「普通。今の女子高生の私服に興味はないが、よく見る。みんな同じ格好じゃアイデンティティがないってもんだろ」


「ちょっと酷くないですか、もうちょっと褒めてくださいよぉ」

割かし正直な感想を言ったら、頬をふくらませたシマリスみたいな松葉になった。


「そう簡単に褒められないんだよ社会は。でもそうだな、可愛いんじゃねぇの、高校生にしちゃ」


やっぱりまだまだ俺も大人になりきれてないのか、高校生に心を乱されてはダメだな。もっと余裕ある大人の対応をだ


「もう先輩ったら素直じゃないんですから、正直に抱きたいって言っていいんですよ」


「よし帰るか」

「ちょっと待ってくださいガチで帰ろうとしないでよ先輩嘘ですから嘘ですからあ」



* * * * * * * * *


「先輩タピらないんですか?」

「なんだその動詞は、最近じゃそんなふうに言うのか」

結局入ったタピオカ店の2人席に腰かけ、俺は何も頼まず迷惑客をやっている。

「やっぱ先輩ってあれですよね、顔イイのに性格陰キャですよね」

正面に座った松葉が、例のドリンク片手にスマホを触りながらよく分からないことを口にしてくる。


「お前にどう思われようが知ったことじゃないが、正直その言葉もよく分かってない」


「え!!マジで言ってるんですか、先輩、どうやって生きてきたんですか」


「いや、俺が高校生の頃はそんな言葉なかったし、大体そんなくだらない話するやつうちの学校には……まあまあ居たな」

思い出せば二流高の三流連中が使ってそうだ、すなわち母校の、というか同級生のことで。


「はぁ、最低限の流行くらい乗っといた方がいいですよ、まあわたし的には先輩がモテない方がいいんですけど」


「言っとくがタピオカくらい飲んだことあるぞ」

「嘘!!先輩が!なんで!」

なんで今度は驚くんだよ、こいつの中での俺はどんなイメージなんだ。

「4年くらい前に興味本位で飲んだ」

「4年、って、そんな前からあるんですかタピオカ」


「ああ、俺か飲んだのは台湾に行った時だが、国内にも既に試験的に取り扱ってる店があったぞ、不味かったけどな」

初めて飲んだ時に衝撃的に美味しくなかったので、もう二度と飲まないと心に決め、というかこんなもの流行らないだろと思っていたのだが、まさかの一大ブームとなったのだから世界はわからん。



「え、響介、、」

え、響介?え、響介って。響介って俺だな。

急に声をかけられて、しかも名前で呼ばれたのでびっくりして、まあ大体声で検討は着いているのだが、信じたくなくて一応確認するため振り向いてみると

咲千(さち)?、、、おま、何やって」

予想通り、運悪く横の席によく知った顔があった。と、頭は冷静な筈なのだが、


「何って、私は単にタピオカを飲みに来ただけよ。でもアナタがこんなもの飲むなんて珍しいわね、お連れさんのワガママに付き合ってるのかしら」

1年ぶりに見る顔に戸惑いが隠せない、最後に話したのはもっと前だろうか


「誤解すんなよ、こいつは職場の後輩で、今日は色々あって飯を奢りにだな、てか、お前がこんな場所に来る方が珍しいだろ」


「あらら何と勘違いするのかしら、大丈夫じゃない、私になんと思われても関係ないでしょ。それに私はこういうとこ好きなのよ、知らなかったの」


「違うって言ってんだろ、第一なんだよ、お前こそ俺の人間関係に首突っ込むなよ」


「?私は別に何も言っていないわよ」

「いやあからさまに機嫌悪いじゃねぇかよ、嫉妬かよ」


「私がアナタに?ナルシストすぎて気持ち悪いのだけど」


コイツ、、、待て待て、久しぶりあってこんな状況で戸惑ったが、俺が怒る理由もないし誤解をとくだけでいいんだ。向こうが誤解してないって言うんだからそれでいい、なんの問題もない。

俺はコイツに、、咲千と喧嘩したいわけじゃない。冷静差を欠く必要は無い。


「・・・・・・行こう松葉」


逃げるが勝ち。確かに咲千は普段から少しきつかったようにも思える。俺が勝手に思い違いしてるだけだ。本当にナルシストだな、気持ち悪い。

こんな奴を、こんなどうしようもない男を好きでいてくれるわけないだろ。振られたんだぞ俺は、とっくの昔に。


「え、ちょっと先輩まってっ」


* * * * * * *

佐々木咲千。あ、名前可愛い。

じゃなくて、そうだな、現を抜かしてるとか散々馬鹿にしてたけど、自分がなってみると意外とどうしようもない。しかももう過去の話だと言うのに、いつまでも。元カノ、なのか。そんな言葉、俺が使う時が来るとは、怖いもんだ。


「せ・ん・ぱ・い!!聞いてるんですか先輩」


「あ?、あ、すまん、なんか言ったか」

今度は冗談ではなく結構真面目に期限を損ねた松葉が目の前にいた。

「もう、最低ですよ先輩、女の子と一緒にいる時にほかの女のこと考えないでくださいよ」

ぐうの音も出ない・・・・・・こういう時は

「考えてないよ別に」


「嘘つかないでくださいよ、今思いっきり考え事してたじゃないですか、表情暗いですし、さっきの女誰なんですか!」


「ただの大学の同級生だって言ってんだろ」

「絶対元カノですよね、絶対なんかあったやつですよね」

「だから、何回も言わせんなよ、俺が鉄骨亘って手に入れた億の金を船の上で奪われたんだって」


「どこのカイジですか!あの人天海祐希ですか!」


「違うぞ、あれは中間管理職の仕掛けるイカサマカードゲームで勝って手に入れた金だ」

「知りませんよ!」


ダメだったかぁ

* * * * * *

この間は何とか松葉の機嫌を取り戻すことに成功した。終わりよければすべてよし。


「せんぱいせんぱい」

休憩室で休んでいると、松葉の声が聞こえてきた。いつもの事のようだが、流石に休憩時間でもないのにわざわざ来ないだろ。


いやわからんな、どうでもいい話かもしれない。

「せんぱい、お客さんですよ」

「客?俺にか、あぁすまんありがとな」

呆気に取られてしまった。そんなことがあるのか、ここで働き始めて4年になるが、知り合いが尋ねてきたのも大学の同期くらいだ。わざわざ俺に用事?仕事関係なら電話だろう。

またホストの手伝いでも頼まれるのだろうか。


「お待たせしました」


のれんを潜りながら受付に出ると、そこには見慣れない黒髪ロングの美女がいた。


なるほど、通りで松葉が少し不貞腐れていたのか。




こんな男にモテ期など来たことは無い。そんな俺に、ついに厄災という名のモテ期でもやってきたのだろうか。この数日やけに美女に会う、しかももれなく全員知り合い。正直やめて欲しい、俺は未だにアイツにあったせいで精神が不安定なんだ。


「単刀直入に言うわよ」


急に自分の話になるが、この1年、というよりこの街に戻ってきて3年、何処かよがんだ世界にいた気がする。ずっと退屈していた気もする。何かこう大切なことを忘れていた気がする。


この数日、咲千と再開してから少しおかしいように思っていた。でも違う。あんな感じだった、俺にもあった、青春なんて日々が、人生が。


でも、この瞬間、俺には人生が戻ってきた。

だが、この瞬間、俺は元の日常に戻りたくなった。

ただこの瞬間、長く続いた退屈な日常は終わりを告げ、地獄の日々が始まることとなった。俺は、これを嘘だと信じたい。


「このままじゃ人類は滅ぶ、だから私たちを助けて」


ここまで読んでいただき誠にありがとうございます。正直、見切り発車なので、着地点は見えてるんですけど、いつ着地するか分かりません。いややっぱり着地点曇ってて不確かです。

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