第一話 ハプニング
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「え、、、?」
始まりは唐突に。
「なに、これ、、、」
息が詰まる。
声がひっくり返った。
早朝、5時半前と言ったところだろうか。
昨日引っ越したばかりの新居の洗面所にて、僕は鏡に釘付けになっていた。
何故かって?
それはーーーーー
「ーーーーーお、お、女の子になってるぅぅーーーっ!!?」
御歳16となる僕、橘 馨が、目が覚めたら女の子になっていたからである。
、、、であるじゃないよ、もうなんなのこれ!
時間は遡り、一昨日の晩。
県外の高校へ進学することになった僕は、いそいそと出立の準備をしていた。
どうにも遠くからの生徒も受け入れるくせに寮制ではないようで、ちいさなアパートメントの一室を借りることになったのだ。
駅近で学校にも徒歩十分ほど。
なかなか好条件だったので高くついた。
けれど、そこはもう既に対策を打ってある。
おなじくそこへ進学する僕の友人、志波 裕大と、家賃割り勘で同居、もといシェアハウスすることにしたのだ。
裕大とは小さい頃からの付き合いで、まあ俗に言う幼なじみというやつだ。
あんな筋肉の権化みたいな偉丈夫が幼なじみとか、夢も希望もないな、、、。
閑話休題。
まあとにかく一緒に住むことになった裕大と僕であったが、まさか引っ越した初日からこんな現実味のないハプニングが起きるなんて、予想だにしなかっただろう。
シーンは戻って洗面所。
しばらく鏡をみて呆けていた僕であったが、はっと気が付き、早朝に大声を上げてしまったことを思い出した。
ああしまった、と思ったのもつかの間。
ガラリ、と背後のドアが開いた。
ゆっくりと振り返るとそこには、寝ぼけ眼で頭を掻きながらやってきた、裕大の姿があった。
「え」
「あ」
掛けていた眼鏡がずれた。
しばらく見つめ合うこと数秒間。
先に口を開いたのは裕大だった。
「え、えーと、、、どちらさん?」
戸惑いがちに、彼は疑問符を浮かべる。
僕は前のめりになりながら声を上げた。
「僕、僕だよ!馨だよ!」
するとどうだろうか、女性的に膨らんだたわわなお胸様がぽよよんと上下に揺れた。
「、、、、、、」
「、、、、、、」
oh......ジーザス。
気まずい空気が流れる。
さて、どうやって僕だと証明しようか。
場所を移動してリビング。
ちいさなちゃぶ台を挟んで、僕たちは向かい合っていた。
「で、君は、、、その、ほんとに馨なのか?」
「ほんとに馨です、、、」
うーむ、と腕を組んで裕大は唸る。
「確かに、言われてみれば顔立ちは似てるし、体格や声はあいつその物だ」
「不本意だけどそうだね、、、朝起きたらこうなってたんだ、昨日まで普通だったのになあ」
それに、何となく感覚で察している。
長年連れ添った我が息子が消息を絶っている。
代わりに摩訶不思議なミステリーホールが空いてたりする。
なんだミステリーホールって。
「にわかには信じられんが、まあお前がそう言うんなら信じるしかないし、そうなんだろ」
「裕大、、、!」
持つべきものは友だな。
久しぶりにそんな柄にもないことを思った僕であった。