表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/73

第7話(よし、“ステータス・オープン”)

 どうやら許嫁ではなく幼馴染らしいのだが。

 そこでレイトが、


「こちらの方にいらっしゃると分かりまし慌ててたので総出で探しに来たのですが、こんな人の多くいる場所に出てきていただいて探す手間が省けましたよ」

「……もう少しその嫌味な言い方は何とかならないのか?」

「嫌みの一つも言いたくなりますよ。幼馴染で乳兄弟の貴方が書き置き一つで姿を消したともなれば、大騒ぎですよ?」

「……」


 カイルが沈黙して、そっぽを向いた。

 それに困ったように苦笑するレイトは、そのままそばで何かのジュースを飲んでいたメルの頭をなぜて、


「まあ、私としても、おかげでこんな可愛い子を拾えましたから良しとしますが」

「にゃあ、頭をなぜるな、子ども扱いするな!」

「お腹が空いて私の目の前で倒れていたのはどなたでしたか?」


 レイトが微笑んでメルに告げると、メルが小さく呻いて黙る。

 しかも更にレイトは、


「そして今日も僕は大人だー、と言ってここの人達にマタタビ酒を分けてもらっていましたね?」

「! そ、そういえば何で話していないのに……」

「お酒の匂いがしましたしね。それにいつもより気が大きくなっていましたから、ああ、またかと」

「ま、またかって……」

「マタタビをなめたメルはそれはもう凄い事になりますからね。以前なんて……」

「! な、何回同じ話をする気なんだ!」

「では貴方との出会いの話をもう一度つぶさに、カイル達に話しましょうか?」

「だ、だから鳥のくせに昔の事をねちねちと。三歩歩いたら忘れろ!」

「生憎ですが、貴方との出会いは忘れられませんね。衝撃的で」

「……喧嘩を売る気か? 買うぞ?」

「仕方がありませんね、少しお相手しましょう。まだマタタビが抜けないようですし。……カイル様、少し失礼します」


 そうレイトは僕達に告げるとともに離れた場所に。

 周りのお酒を飲んでいた人たちも、面白そうに様子を見ている。

 そこでレイトとメルが光に包まれたかと思うと、一匹の茶色い猫と、白鳥に変化した。


 戦い始める二匹を見つつ僕は、


「えっと、二人はどんな関係なんだろう」

「さあ。俺は良く知らないからな、二人の出会った経緯については。だが、レイトはよほどメルという少年が気に入ったみたいだな」

「そうなんだ」

「ああ、大抵の人間とはつかず離れずの位置だったからな……よほど気に入らない限り」

「へぇ、そうなんだ」


 そう思った所で、白鳥のキックが茶色い猫の頭にクリーンヒットした。

 痛そうだなと僕が思ってみているとそこでカイルが、


「まあ獣になっているから回復力も早いし心配することも無いだろう。それよりも今のうちにタクミの特殊能力を見た方がいいんじゃないのか?」

「そうだね“鑑定スキル”……まずは、自分に向かって使ってみるのがいいかな? どうすればいいんだろう?」

「鑑定のイメージを思い浮かべて呟いて、後は、そのイメージを声に出していってみるのもいいかもしれない」

「イメージ……ゲームっぽくていいのかな? よし、“ステータス・オープン”」


 僕が小さく呟くと低重音がして目の前に桃色の光の四角形が現れて、そこに僕の基本能力と、一部モザイクがかかった状態でステータスが現れたのだった。


評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ