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第70話(お菓子を寄越すのだ!)

 現れたリファスは息を切らして真っ青になっていた。

 そしてすぐさま土下座して、


「もうしわけありませんでした、カイル様! ですから、全ての非は私にあります。ですからレイスは関係ないのです!」

「ふにゃ! ……あれ、リファスも来たんだ。ふぁああっ」


 そこで大きな声が聞こえたので僕は目を覚ました。

 どうやら僕は少し眠っていたようだ。

 そこでカイルと僕は目が合う。


 カイルは疲れたような顔で、


「……ちなみに、そのリファスという竜人がタクミを攫ったのか」


 と聞いてきたので僕は頷きカイルに、


「うん、砂漠を元に戻してほしいんだって。あと、僕が昔のレイスに似ているから気に入ったみたいな事は言っていたかも?」

「……本当にそれだけか? 花嫁にしようと狙っていたりしないのか? タクミは可愛いし」

「え~と、僕はあの二人にとって二番目に気に入って可愛いから花嫁にしたいなとは思っていたみたい?」

「……それで二人の本命は?」

「それは本人の口から出ないと」


 そう答えてカイルに、にこりと笑った。

 すると僕の顔にカイルの顔が近づいてきて、唇が重なった。

 何だか気持ちがいいなと僕の頭が別な意味でぼんやりして来たところでようやく僕は解放され、


「ふう、すっきりした」


 カイルがやけに清々しい声でそう僕に告げた。

 そこでカイルがレイスを見て、


「それで、俺やタクミに迷惑をかけた分、することをしろ」

「は、はい」


 慌てたようにレイスが土下座するリファスに近づいていき、大きく深呼吸をして、


「俺は、リファスが好きだ」

「え?」

「その、自分の気持ちを隠そうと思ったが、無理だった。リファスがとられるのが嫌であの、タクミを攫ったりするくらい、俺は……リファスが好きだ」

「レイス……本当ですか?」

「本当だ」


 その言葉にリファスはしばらく何も言えなくなっているようだった。

 やがて、ポツリポツリと自分の思いを吐露し始めるリファス。

 あの森に固執したのもリファスがレイスとの思い出を残しておきたかったからであるらしい。


 他にもどれだけ好きなのかを告げて行って、結局すれ違っていただけのようだった。

 僕の予想通り。

 にこにこと笑っていた僕にカイルが、


「なんでそんなにタクミは嬉しそうなんだ?」

「僕はハッピーエンドが好きなんだ」

「そうか、それで散々俺を心配させたこと関してしたことは、タクミは何か言う事があるか?」

「え、えっと、ごめんなさい」

「本当に心配したぞ」


 そう優しく言われて頭を撫ぜられて僕はまた、ぼんやりしてくる。

 と、そこで僕の肩が叩かれて、ふりむくとメルとレイトがいた。

 そしてメルが僕に、


「僕達だって心配したんだぞ」

「う、うん、ごめん」

「というわけで謝罪はいらないから賠償という名のお菓子を寄越すのだ!」

「ええええ!」


 といった冗談を僕は、メルと僕はしたのだった。




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