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第69話(これで二回目だしな)

 こうしてカイルは、レイスの話を聞くことに。

 その間もう二度と僕を放さないぞというかのように抱きしめている。

 僕は僕でカイルの力がちょっと強い気もしたけれど、くっついていると幸せな気持ちになりボンヤリしてくる。


 何だか安心してきたな~と僕が思っているとそこでカイルが、


「つまりあてつけで連れ去ったと」

「……申し訳ありませんでした」

「……本当だ。それにタクミが関係ないのに巻き添えで攫われるのは、これで二回目だしな。まったく……タクミ、寝るな」

「ふにゃ!」


 そこではっとして目を覚ました僕だが、またうとうとしてしまう。

 すごく眠い、とても眠い。

 くぅ。


 抱きついたまま僕の瞼は自然に下がっていってしまう、そんな僕を見てカイルが怪訝に思ったのかレイスに、


「タクミに睡眠薬でも盛ったのか?」

「いえ、おそらくは、砂漠の異変を見るのに力を使い過ぎたのかと」

「……“世界の根幹アカシック・レコード”にふれていると」

「正確にはそこから我々に必要な情報を取り出して可視化している関係で、より多くの情報にアクセスする事になると“疲れてしまう”といった所です」

「それは、そんなにタクミの体に負担になるのか?」

「……一時的にすぎません。一度問題が分かれば後は、対処すればいいだけでずっとその力が必要なわけではありませんから。そもそもその話に関しては、そちらの方がよくご存じなのでは?」


 レイスにそう返されたカイルは黙ってしまう。

 すでにタクミはカイルの腕の中ですうすうと穏やかな寝息を立てている。

 よほど疲れて緊張していて……けれどカイルの腕の中は安心するのだろうかと、カイルはタクミの寝顔を見ながら思う。


 愛おしい。

 誰にも渡したくない。

 それこそ異世界にも帰したくない。


 ずっとそばで一緒に居たい、そんな感情が膨れ上がる。

 そう、これは欲望だ。

 タクミをずっとそばに置いておきたいという、感情。


 愛しているといって、愛していると返してもらえたのだからそこでもう少し、心の余裕を持てばいいのにさらに狭くなってしまった気がする。

 そう思いながら見つめると、タクミは無邪気な寝顔をカイルの前でさらしている。

 カイルは、俺がどんな気持ちでタクミを見ているのか全く分かっていないだろうと思った。


 見ているだけで劣情を覚える。 

 なのにお預け状態というひどさ。

 それでも嫌いになるどころか欲望が降り積もっていく。


 本当にタクミに覚えているなとカイルは思いながら、


「俺は異世界人の嫁なんて興味がなかったから、そういった話の勉強からは逃げていたからな」

「それは……」

「“神子”としての役割は知っているが、どんな力なのかといったことはほとんどが聞いてもすぐに忘れてしまった。そこまで異世界人に俺が心を捕らわれるわけないだろうと高をくくっていたからな。結果はこの通りだが」

「……」

「まあいい。戻って話を聞こう。俺にとってタクミは大事な相手で……少しでも負担を俺が減らせるならそうしたい」

「そうですか」

「ああ、それと言い忘れていたが、ここに俺が辿り着く前に、お前に似た竜人がここの館を目指しているのを見かけたぞ」


 カイルが告げると同時に、メルとレイトと一緒に……竜人リファスが現れたのだった。


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