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第65話(モザイクなしで)

 レイスという人物。

 そういえばリファスに、レイスは僕を好みそうだと言われていた記憶がある。

 記憶がある、のだが、


「あの、僕はどうしてこのような服を着せられているのでしょうか。これ、女の子の服ですよね」

「そう称されている服だが男でもよく着るだろう」


 呆れたように言うレイスを見ながら僕は、知りませんよ~、こんな服着たくないよと思った。

 微妙に価値観が同じな所が嫌だ。

 そして価値観が似ていると言うならこの服は……。


「百歩譲って、女の子の服なのは認めます。でもこの服は……“花嫁”衣装な気がします」

「そうだな。花嫁が着るのだから、“花嫁衣装”だな」

「……一体何時何処で僕を花嫁にしようというイベントフラグが立ったのでしょうか?」

「そうだな、館で一目惚れした……では駄目かな?」


 笑うレイス。

 その表情にはどこか憎悪が見える。

 僕を見ているようで見ていない。


 側にいたくなってしまうような、カイルのようなあの眼差しと優しさは何処にもない。

 彼の言葉には“嘘”がある。

 もしも本当に好きなら、もっとカイルのように僕の気持ちを考えてくれる機会があると思う。


 独りよがりな想い、と言うものもあるのかもしれないが……そのレイスの笑みに僕は、


「僕じゃなくて、一体誰が本当に好きなんですか?」

「……気に入ったから連れてきた。その力も魅力的だった」

「でも僕、“鑑定スキル”であの異変を直したら、リファスさんに銀狼の国フェンリルに連れて行ってもらって、元の世界に帰るんです」

「無理だな」


 そこで目の前のレイスが断言した。

 なんでそんなことを言うんだと僕が思っていると、

 

「リファスさんは僕を……」

「初めてみた時に気に入って、花嫁にしようと思ったらしいぞ」

「え?」

「それでさんざん根回しをしてようやく、といった形なのだ。今はね。穏健なようで策略家。あいつも王族の端くれだという事さ」


 そう告げたレイスに僕は、ある事に気づいて問いかける。


「で、でもリファスさんは普通に荷馬車で移動をしていた時に出会っただけで、一目惚れとか嫁とか、それに王族だったらあんな風に馬車で移動しないと思うんです」

「あいつは昔から変人で荷馬車で移動したり旅をしたりするのが好きなんだ。もっとも、あの砂漠の場所をもとに戻したくて、何か手がかりはないか、というのもあって旅をしていたらしいがね」


 そこでお前に会って一目惚れしたというわけだ。

 そう笑うレイスの表情が一瞬だけ柔らかくなる。

 リファスの話をしたときだけ表情が、ほんの少し柔らかくなる。


 これはひょっとしてレイスはリファスが好きなのでは?

 そしてリファスは僕を花嫁にしたいらしい。

 なのでリファスの花嫁にするくらいなら奪ってやれと……。


「あれ、僕はとばっちり?」

「なにがだ?」


 怪訝そうな顔で聞いてくるレイスに僕は、そういえばプライベートな情報も出たよなと思いだしたので、


「“ステータス・オープン”、モザイク無しで」


 そう告げる。

 少し頭痛がしたが、瞬時に目の前のレイスのステータスが現れてその下には、レイスがリファスが好きだと出てくる。


「やっぱり、リファスが好きだから僕を攫って花嫁にって言ったんだね」


 表示されたの文章。

 それをじっと見つめたままレイスは凍りついたのだった。

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