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第61話(効果を見ることに)

 “鑑定スキル”を使って現されたその、砂漠に関する情報。


「水は地下深くと、空の彼方に消えて炎と土が手を結ぶ……それぞれの属性に偏りが生じてしまった?」


 魔力の属性が、変な形で別れてしまったらしい。

 更に内容を読んでいくと、自然界ではそれがだいたい均一だが、稀に別れてしまうらしい。

 そうするとこのように砂漠になってしまったり、逆に沼地になってしまったり……環境が変わってしまうらしい。

 

 けれどそれらは元々の属性が消失したわけではないので、軽く処置をすれば治るらしい。

 その処置の仕方もこの“鑑定スキル”には記載されている。

 そこで僕は頭が揺れて、膝をつく。

 慌ててリファスが抱き留めて、


「大丈夫ですか?」

「うん、なんだか暑くて。ものすごく勉強を頑張った後みたいに感じる」

「……では、そちらの馬車の陰で休んでいてください。この砂漠をもとの緑豊かな場所にする魔法を、私もこれに倣ってやってみます」


 リファスはそう答えて馬車の陰まで肩を貸してくれる。

 しかも飲み物と食べ物までくれた。

 熱中症かもしれないとの事で、それ用の飲み物を用意していて良かったとリファスは言っている。


 そして飲み物を飲みながら僕はリファスの様子を見る。

 僕の“鑑定スキル”で現されたのは、大きな魔法陣だった。

 まずはそれを地面に描かないといけないらしい。


 その魔法陣が出来れば、後は魔力を通せば自動的にこの森が以前の状態に変化していくそうだ。

 だがその魔法陣は複雑だ。

 しかもそのまま棒で書いても風が強くすぐに埋もれてしまう。

 

 なので、水を使って砂を固めながらリファスは魔法陣を描いているようだ。

 でもそんな小さなもので大丈夫なのだろうか?


「リファス、もっと大きいもので無くてもいいのかな?」

「そうですね、まずは小さいものを起動させてみてから様子見という形になります。その小さいものでどの程度の範囲に効果があるのか分かりませんから。それから計算して最適な大きさを決めようと思います」


 小さいものを作って、それがどの程度の速度で森を回復するのか、魔力の割合はどれくらい必要かなどを考えて、丁度いい魔法陣大きさを決めるらしい。

 なるほどなと僕はぼんやりと思う。

 と、そこで僕達が来た方から一つの馬車がやってくる。


 僕達の乗ってきた馬車と似ていたが僕のいる場所の近くまで来て止まり、


「ここか、リファスは」

「レイス、どうしてここに来たのですか?」


 リファスに似たあの館にいたレイスという人物だ。

 気をつけろと言われていたけれど、と僕は思い出していると、レイスはリファスに話しかける。


「リファスが心配で見に来たんだ」

「……珍しいですね。最近は私の事を避けているようでしたが」

「一人で大丈夫なのかが気になってね。この土地はもう駄目だから捨てようという話になっているのにリファスだけは、あきらめきれないようだったからな」

「……ここは昔私が遊んだ場所です。そして、レイス貴方も」

「……そうだったな。まあ、そういうのもあってか、気になったというのもあるが」

「そうですか? あなたは興味が無さそうでしたが」


 警戒するようなリファス。

 それにレイスが、


「人の好意は素直に受け取っておくべきだぜ」


 レイスが冗談めかして告げたのだった。

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