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第28話(絶対に集めてみせる!)

 リーフィアの屋敷の廊下を歩きながら、なんだか凄い所に来てしまった感覚に陥る。

 窓枠も含めて、手の凝った細工がされているのに日常的な落ち着きもある。

 普段使いの家屋敷といったものを感じる。


 珍しく思って周りを見てしまうけれどそこで、メルに、


「タクミ、早く」

「ごめん。何だか綺麗だなと思って」

「……そうか? 普通だろう?」


 メルがこともなげに言う。

 でも普通と言ってしまえるメルを見て、やはり長い間住んでいるとそれが普通になってしまうのかなとも僕は思った。

 少し違う場所に行ってみるのも新しい再発見があっていいのかもしれない。


 などとぼんやり考えつつ向かうとその先に一つの部屋が。


「ここがリーフィアの部屋です。入りますよ」

「はーい」


 ミストフィアが戸を叩き声をかけると、メルよりも少し高い声で中の人が答える。

 そして木製の扉を開けると中には……ベッドの上でちょっとアレな服を着た、


「メルにそっくりだけれど、繊細な美少年に見える」

「……僕が繊細じゃないって言っているように聞こえるぞ」

「黙秘するお!」

「タクミのくせに生意気な、がおっ!」

「がおっ!」


 そうやって僕がメルと威嚇しあっているとそこで、ベッドの上にいたリーフィアが、


「メルフィア兄様! 戻られたのですか!」

「う、うん、それはまぁ……ね」

「良かった、誰かに誘拐されたりしていないか心配だったのです。兄様の特殊能力は不思議な力ですし」

「……心配かけてごめん」

「いえ、無事戻ってきてもらえて嬉しいです」


 ニコリと微笑むリーフィアは神々しいまでに美しい。

 そしてメルとの会話を聞いていた僕は、どちらがお兄さんだか分からないなとも思った。

 そんな兄弟の会話に僕がほのぼのしていると、ミストフィアが、


「それでリーフィア。今日はメルフィアの友人であるタクミに、診てもらうことになった」

「? お医者さんなのですか? というか兄様に友達? 珍しいですね」

「……恐らくは信頼できる人物であると思う。そしてこのタクミの能力が、変わった“鑑定スキル”なのだ」

「“鑑定スキル”ですか? でもあれは主に無機物……」

「それが人間にも使えてしまうようだ。情報は選別するから、見せてもらいたい。そうすれば病名がわかるかも」

「! 本当ですか」


 目を輝かせるリーフィアに僕は、ここで出来るかどうか分からないなどとはいえず、


「そ、その、頑張らせて頂きます」

「はい!」


 そういうのが精一杯だった。








 というわけで緊張しながらの、


「“ステータス・オープン”」


 そして現れる光の枠。

 魔力などの中で体力が少ないのは仕方がないのかなと思いつつ見ていくと、


「“ニャンメルト病”この世界では現在、“原因不明”の病気とされている。治療方法は、“マタタビ森草”“クラッケン石”“メメアの花”“ロエアルト水”。これらを全て鍋に入れ……これ、薬の作り方なのでは」

「メモ、メモだ、必要な物を集めて……!」


 ミストフィアが慌てたようにメモできそうな紙を探し、薬の材料、作り方を写していく。

 というかこれ原因不明なのに何で作り方が載っているんだろうと、僕は思いはしたものの、そこでミストフィアが、


「よし、どれも貴重な材料だが絶対に集めてみせる!」


 そう息荒げに宣言したのだった。

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