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第25話(案の定、道に迷った)

 さて、猫の国であるエレントにやって来た僕達。

 確かに言われてみれば、猫耳の人達だらけだ。

 都市というだけあって人が多い。

 

 ちらほらと違う耳の人達も見かけるが、圧倒的に猫耳だらけだ。

 だがその全てが“男”だ。

 非常に残念な気持ちになりながら僕達はその、転送陣の店を出る。


 どうやら他にも転送陣には入り口と出口が決まっていて、ここは出口となっている専門の店らしい。

 そして出口を事前に連絡を取り確保して、人や物を送るようだった。

 そんな転送陣から出た僕達は、すぐに路地裏に駆け込んだ。


 そこでカイルが、


「さて、俺は顔を布で隠させてもらう」


 そう言って、顔に布を巻いていくカイル。

 目の部分だけ出た状態で、狼の獣耳までもが布でくるまれて、ぴょんと立っている。

 なんとなく時代劇の忍者みたいだと僕が思ったのはいいとして。


 これでカイルの顔は隠せたらしい。

 そんなこんなで僕達はメルに案内されて、メルのお屋敷に向かう事になったのだが、


「ここが何処だかは分からないけれど、多分こっちの気がする」


 という頼りないメルの案内で進んでいくと……案の定、道に迷った。

 都市というだけあってとても広いがために、そして能力と貴族という地位からあまり市井に出ていなかったメルが道を知っているはずもなかった。

 だから途中、土産物屋でこの都市のガイドブックを購入した。


 それからガイドブックからメルの屋敷の場所を見つけて、次に目印になりそうな建物や像などをガイドブックから探し出し、レイトに白鳥に“獣化”してもらい上空から目印となるそれらを探してもらった。

 

「どうやら東の方にメルのお屋敷があるようです」


 空から周囲を見回して、地上に降りてきたレイトが僕達にそう告げた。

 そして東に向かって、治安が良さそうな大通りを歩いていく。

 出店では色々な種類のマタタビ酒が売られており、時々メルが立ち止まっていたけれど、レイトに手を引かれて名残惜しそうにその場を後にしていた。


 また魚の干物など、魚関係の保存食が充実しているようにも見える。

 そう思って歩いていくと、大通りのためか馬車が結構行きかっていたのだが、そのうち前方からやけに豪華な装飾の施された馬車が。

 しかもその馬車は僕達の目の前で停止した。


 すぐさまその馬車の扉が大きく開かれて、メルを少し大人にしたような、髪の長い猫耳少年が現れて、


「メル! 戻って来たのか!」

「兄さん、その……」

「いや、無事でよかった。何でも親切な人たちと一緒に旅しているようでしたといった話を、フィズから聞いていた……が……」


 そこで、メルの兄は、顔を布で巻いたカイルを凝視した。

 そういえば以前、カイルはメルの兄に会ったことがあるようではあったけれど、と僕が思っているとそこで、


「……メルを“保護”していただいたのですか?」

「俺は途中で合流しただけで、空腹で倒れているのを拾ったのはレイトだ」


 初めましてとあいさつするレイト。

 それに挨拶をし返してからメルの兄は、メルを見て、


「色々と言いたいことがありますが、まずはこうやって無事戻ってきてくれただけで僕は嬉しいです。……“保護”していただいた皆様にもお礼がしたいので、当家にご案内します」


 そう、メルの兄は僕達に言ったのだった。

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