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第24話(矛盾しているような違和感)

 こうして僕達は次の町に着く。

 そこは人の多い大きな町だった。

 石畳の道を歩きながら僕は、


「今までで一番建物が大きくて、人も多い。こんな大きな町だから転送のお店もあるのかな?」


 そんな僕の問いにカイルがそうだと答える。

 けれどそれ故に、その転送陣は混むらしい。

 だからとカイルが続けて、


「特に安い所はすぐに予約が埋まってしまう。逆に値段の高い所はそこそこ空きがある」

「そうなんだ。そういえばどんな事にその転送陣は使われているのかな?」

「主に旅行だな。後は貴重品であったり、薬の即急な転送か」

「そうなんだ……あれ、それを使えば、すぐにその僕を呼び出したお城につけるのでは?」


 僕はある疑問に気づいた。

 だがそれを言うと、カイルが僕から顔を横にそむけて、


「……俺の個人的な事情で、転送陣は使えないんだ。あそこを通ると、身元不明の個人の場合は魔力が記録されてしまうから」

「そういえばカイルも逃げだしてきたんだっけ。転送陣今は使うとまずいんじゃ」

「いや、そこに魔法騎士団副団長様がいるからフリーパスだ。問題ない」

「そっか。……でも、それなら転送陣使って、メルの件が終わったその召喚された城に僕を連れて行ってもいいんだよね? 転送陣は大きい町にあるから使えるはず。そしてそこまで行くのに、レイトがいるのなら一か月いらないよね?」

「いや、転送は費用が結構掛かるから。今の手持ちだと足りないんだ」

「なるほど、そうなんだ……ごめん。疑っちゃった」

「何をだ?」

「カイルが僕と一緒に居たいから、嘘をついているのかなと思ったけれど、そんな事はなかったんだ」


 ほんの少し、カイルが僕と一緒に居たいからそう言ってくれていたらいい、などと思ってしまった。

 そこで、カイルは硬直したように立ち止まる。

 それから大きく深呼吸してから吐いて、


「……ただ単に、召喚されたのに俺の毛が使われていたりと色々しているみたいだったから、連れて行こうと思っただけだ。責任も感じたし」

「そ、そっか。うん、そうだね」


 ただの責任感からであるらしい。

 カイルが真面目だからそうなのだろうけれど、なぜか今の会話は矛盾しているような違和感を感じたけれど、僕にはよく分からない。

 そもそもカイルは男なのに、どうしてそんな好意をカイルに求めてしまったのだろう?


 自分でもよく分からない感情に僕は首をかしげる。

 そんな僕達を見て、レイトとメルが、無自覚ですねと話していたのを僕は、全く聞いていなかったのだった。







 転送陣のお店に来るととても混雑していて一周間待ちらしい。

 仕方がないのでメルがこっちがいいと、“勘”で言い出して幾つか回ると、魔力は僕達持ちで、転送の魔法を使う手数料だけ取るお店にたどり着く。

 一応は魔力自身も別料金で売っているらしい。


 また、その魔法を使う料金は割高だが、すぐに移動したいなら今日中に使えるそうだ。

 そしてここには、異様に魔力の大きい僕がいる。

 というか、僕の高い魔力がここで使えるとカイルが提案したのだ。


 それからレイトをリーダーとして登録して、僕の魔力を使い転送してもらう。

 一瞬にしてメルの屋敷のある都市にたどり着く。


「こんなにすぐに来れるなんて“運”がいいね。メルのおかげかな?」


 そう告げると、そうだといいねと珍しく弱々しく、メルが答えたのだった。




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