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第19話(お前が一番働け)

 “鑑定スキル”のうち、“ステータス・オープン”を僕は使う。

 範囲は窓の外にいる、“敵”と思われる人物全員!


「“ステータス・オープン”」


 そう僕が呟くと同時に、こっそり覗いた窓の外では、宿を囲むようにしていた男達に次々と光の四角が現れてステータスが表示されていく。

 だが少し距離があるからか、ここからでは文字が読めない。

 と、僕の隣で窓の外をのぞき込んだカイルが、


「……“メルの情報を得て、誘拐しに来た人物の仲間その5”と書かれているな。やはり異世界人の持つ“鑑定スキル”は普通じゃないな」

「つまり特殊能力チートってことだよね、というかメルを誘拐しに来た?」

「現在見える範囲ではそう書いてあるな。さて、お話合いが絶対に通用し無さそうな相手だから、少しがんばるか。レイト、お前が一番働け」


 そこでカイルがそう告げるとレイトが肩をすくめて、


「そうですね。私が頑張りますか。メルのためですから……拾ったものには責任を持たないとね」

「……皆、ありがとう」


 メルが小さな声でお礼を言った。

 同時に僕は、浮遊感を感じた。

 カイルが僕をお姫様抱っこしたらしい。


 なんで突然と声をかける前にカイルが、そのまま窓に体当たりをするようにして外に飛び出した。

 僕から声にならない悲鳴が出る。

 ここは3階なのだ。


 高すぎない場所か、というと僕は否定したいくらいの高さで、すぐに落下する感覚を覚える。

 なんでこんなことにと、見上げたカイルの表情は真剣で、一瞬僕は見入ってしまう。


「ぐあっ」

「ごふっ」


 そこですぐ下の方から声がした。

 カイルは落下の勢いでそのまま二人ほど倒したらしい。

 ステータス画面に表示された体力が半分になり、気絶となっている。


「タクミ、降ろすぞ」

「あ、うん」


 僕が頷くと同時に地面に降ろされ、囲んでいた僕がステータス画面を表示させている敵が襲ってくる。

 だが即座にカイルは蹴り飛ばすわ、腕をつかんで受け流して宿の壁に衝突させるわで、複数人同時に倒していく。

 鮮やかな体術にほれ惚れしつつ僕は、カイルってこんなに強かったんだと思った。


 能力のある騎士か何かだったのだろうかと僕が思っていると、そこでその敵のうちの一人が魔法を使ってくる。

 氷の刃がこちらに飛んでくる。

 殺すつもりですか!? と僕は思ったのだけれど、カイルが何かの魔法を使うと粉々に砕けた。


 しかもその魔法使いは、いつの間にか彼らの背後に回ってレイトに殴られて気絶させられる。

 そして、ステータス画面の表示させられた相手はそれ以上襲ってくる気配はなくなった。

 レイトが後ろを振り向き、


「メル、これで全員みたいですよ」

「うん、ありがとう。迷惑をかけちゃった」

「いえいえ、メルに迷惑をかけられるのはいつもの事ですから。それにカイルが派手に敵を倒してくれたので私はそちらに気を取られているうちに、この宿の周りを一周して全員倒せましたしね」


 動揺は上手く誘えましたよ、そういった意味でもとレイトが笑う。

 それにカイルが、


「……いつもは俺にお任せなのに今日は頑張っているな」

「格好いい所を見せたかっただけです。私もね。それでどうしますか?」

「宿代がもったいないが、次の町に向かおう。ただ、次の町までは距離があるから、その途中で野宿だな」


 そうカイルが嘆息するように告げたのだった。

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