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第18話(自白してどうする)

 囲まれているなってそんな、一体どうして……と僕が思っていると、猫のメルをベッドに移して立ち上がり、窓からちらりと外の様子を窺ったレイトが、


「……囲まれていますね。様子を見る限りは、こちら側の方々ではないようです」

「武器は持っていそうか?」

「無さそうですね。“誰か”を捕まえに来た、縄などを見るとそんな風に見えますが、まだ私は連絡していませんからね」


 カイルとあの町で出会ったので連絡している暇がなかったのです、逃げられると困りますのでと、レイトが告げる。

 カイルの機嫌が悪くなっているが、そこで更にレイトが、


「そして警備の人間、というわけではなさそうですね。となると、そちらの異世界人の方は何かされましたか?」


 そこで唐突に僕の方に話が振られて、え? と思う。

 そもそも僕は今日、カイルに会ったばかりというかこの世界に来たばかりで……と凍り付いているとカイルが、


「俺の目の前に今日、現れたのだからそんな変な事をする暇がない」

「ですよね。となると一番怪しいのは、メルですね」


 そこでメルがそっと逃げ出そうとした所を、レイトが、がしっと尻尾をつかんだ。


「みぎゃあ!」

「メル、事情を説明してくれますね。と聞かなくても大体は察しがつきますが」


 レイトが穏やかな口調で言うのを聞きながら僕は気づいた。


「そうか、昼間会ったあの人から、メルの実家に連絡が入って捕まえに来たとか?」

「そんな所でしょうね」


 相変わらず危機感のない声でレイトが言う。

 そこでカイルが少し黙ってから、


「確か、猫の国であるエレントの公爵家には見目麗しい三兄弟がいて、確か次男がメルフィアという名前だったような。長男のミストフィアに会った時に聞いたから間違いない。メルは似ているし」

「そうですか、メルフィア……それがメルの本当の名前ですか」


 カイルのその話にレイトがメルの名前が分かったと嬉しそうだ。

 一方メルは、尻尾を捕まれたまま逃げられないからか、首をギギギっと嫌そうに回して、


「カイル、お前、何者だ? どうして僕の兄様と話したことがあるんだ?」

「……自白してどうする」

「は!」


 そこでメルは、問いかけたがために自分の正体を認めたのに気づいたようだ。

 意外に抜けているなと僕が思っているとそこでレイトが、


「でも拾ったのは私なので、メルは私の物です」

「……別に。僕が一緒にいてやっているだけだ」

「そうなのですか? ありがとうございます」

「……」

「それで、そもそも外の方が本当にメルを連れて帰ろうとしたのか分かりませんし、どうしましょうか。やはり一人くらい捕まえて、吐かせるのが手っ取り早いでしょうか?」


 サクッと力技で解決しようとするレイトに、話合いとかそういった穏便な方法はどうなんだろうと思ったけれど、外から見ている分には武器が無くても隠し持っているかもしれないし、確か歴史で、話し合おうと言ったら問答無用と言い出したアレがあったなと思い出した。

 これは仕方がないが、そうすると戦えない僕は邪魔かな、と思って何かできることはないかと考える。


 そこで思いついたのは彼らの、ステータス表示だ。

 どれくらい体力があるのか分かれば、倒しやすいかもしれない。

 僕がそう思って提案するとカイルが、


「表示させた瞬間にこちらが気付いていると気付かれるが、体力表示が見れるのはいいな。それにどうせ倒すのなら、こちらから仕掛けた方が動揺も誘えるか。それと、タクミは猫耳カチューシャはつけておけ」

「う、うん」


 そうして僕は頭に猫耳を装備して、外にいる彼らに“鑑定スキル”を使用したのだった。


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