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第13話(これは“罠”だと)

 荷馬車で移動させてもらえることになった。

 けれど、荷物を寄せても背も体もどちらかというと大き目なレイトとカイルが乗るのは大変そうだったのだが、


「仕方がありません。カイルは“獣化”すると体が大きくなりますし、それなら私が“獣化”した方がいいでしょう」


 とレイトが言い、白鳥に変身した。

 こういう時は動物に変化するのはいいなと僕は思いつつ、ふと気づく。

 なので荷馬車に乗り込んで僕は、


「この世界の獣化できる人型の種族って幾つあるのかな?」

「? 猫、狼、兎、白鳥、犬、狐、狸の7つの種族だな。他は、竜等もいるが彼らと獣人はあまり交流が無いから、タクミが目にすることはないだろう」

「そうなんだ」


 この世界の事情にはまだまだ疎い、そう僕が思っているとそこでレイトが、


「ふむふむ、この世界の事に興味がおありで?」

「! 動物状態でも話せるんだ」

「はい、“獣化”しても獣人は言葉を話せます。そしてこの世界について興味が出てきたと?」


 それはまあ、と答えようとして僕は気づいた。

 これは“罠”だと。

 ここで頷いた瞬間この世界に留まりませんか攻撃が!


「あ、いえ、ちょっと気になっただけでそこまで興味はありません」

「そうですか。残念です」


 本当に残念そうな口調でレイトが引き下がった。

 危ない危ない、そう僕が思っていると今度は猫耳少年のメルが僕をのぞき込んできて、


「それで、異世界人には獣耳が無いって本当? 大抵のこの世界の種族にはその種族特性の耳や耳のようなものがあるはずなのだけれど……女の子以外」


 それを聞きながらまた僕は女の子に間違えられるのかなと思いつつ、猫耳カチューシャをはずす。

 するとメルがその猫耳があったあたりの頭に触れて、


「本当だ、耳が無い。女の子みたい、変なの……本当は女の子とか?」


 僕の頭を触っていたメルが、そう言って今度は僕に手を伸ばして、服の上から胸のあたりに触れる。

 突然それをされて僕は、


「ふぎゃっ、や、やめ、揉むなっ」

「やっぱり胸が無いから、男なのかな……ごふっ」


 そこでメルに、白鳥になったレイトが体当たりをした。

 同時に僕はカイルに腕を引かれて抱きしめられるようにされてしまう。

 まるで僕を守るかのようにそうされて、傍にカイルがいて、僕はドキドキしてしまう。


 と、不機嫌そうにカイルがメルに、


「タクミが嫌がるようなことをするな」

「! は、はい……そうだよね。うん、もう少し周りには気を配るようにするよ」


 カイルにメルが焦ったように言う。

 僕は助かったと思いながらカイルに、


「助けてくれてありがとう」

「……タクミが嫌がっているから」

「うん。でもあんな風に胸を触られたことなんてなかったから知らなかったけれど、結構感じるものなんだね」


 そう僕が言うとカイルが僕の胸のあたりを見て、すっと手を伸ばして、


「ふぎゃっ、やぁああっ」

「確かに感じるみたいだな。タクミは感じやすいんだな」

「ちょ、やめてっ、ふえぇ、揉まないでっ」


 何故か僕の胸をカイルが揉んでいる。

 男の胸をもんで何が楽しいんだと僕は反論したかったけれど、ぞくぞくと感じてしまいそれ以上何も言えない。

 服の上とはいえカイルの指の動きは巧みで……。


 そこで、馬車が急に止まったのだった。

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