釣り(川釣り)
さて、詩野紫苑三大趣味のひとつ、釣りの話をしてみたい。
ちなみにあとの二つは何かというと、史跡巡りとゴルフだ。(二〇一七年六月現在)
私の現在の釣りのメインフィールドは「海」のため、川釣りの話は十五年以上前の思い出話となることをご容赦願いたい。
川釣りには鑑札や遊漁券と言って、地域の漁協が発行している許可証がないと釣りが出来ない場合が多い。もっとも私の場合は父親が漁協の組合員だったのと、見回りに見つかっても「◯◯さんの所のセガレか、頑張って釣れよ!」とお目こぼしをもらえるくらいの田舎に住んでいたので、鑑札は買ったことがない。
これから紹介する釣り方もマネをする際は自己責任でお願いしたい。
というか、現状だと確実にアウトなやり方ばっかりだ(笑)
川釣りと聞くとどんな光景を思い浮かべるだろうか?
朝霧立ち込める深山幽谷、釣り人が一人、そっと仕掛けを投入する。
いわゆる渓流釣りかな?
岩をよじ登り、藪を漕いで、ようやく釣り場にたどり着く。
野生の魚との真剣勝負の知恵比べ。
女の子が一切出てこないハードボイルド小説のようにガチガチにストイックである。
まあ、そういうのもいいんだけどね。
どうせなら、楽して魚を釣りたい。
という訳で、漁協の解禁日を狙う。
解禁日とは今日から釣りをしてもいいよという日で、だいたい四月頭くらいからではなかろうか。
この日に合わせて、漁協も魚を放流しているので、ざくざく釣れる。
しかも、険しい渓谷に行かなくても中流域でも放流してくれるので、足場もよい。
スプーンというルアーを使う。
これは食器のスプーンの頭の部分を取って下にフック(針)をつけたような形状をしたもので、金属が水中で光を反射して、小魚に見えるので魚が食い付いてくるという代物だ。
一時間でヤマメ(関西ではアマゴ)やイワナが十匹というのも夢ではない。
魚も放流されたばかりでスれてない。
上京したての女子大生みたいに、警戒心がないのだ。
釣りたての魚を炭火であぶって、塩焼きにすると最高だよ。
後はアユ釣り。
これもなかなか面白い。
アユの友釣りというのを聞いたことがある人もいるだろう。
アユは普段、川石についたコケを主食にしているので、基本エサで釣ることができない。
この川石を巡って縄張り争いをするアユの習性を利用したのが友釣りだ。
オトリアユといって生きたアユを調達して(田舎の釣具屋に行くと一匹五〇〇円くらいで売っている)、そいつにフック(針)をつけて、ポイントに流す。
自分の縄張りに入ってきた他所者をアユがタックルして追い出そうとするので、うまくいくと針に引っかかるという寸法だ。
オトリのアユを交換するタイミング(釣れないと負のスパイラルに陥る)や、狙ったポイントに仕掛けを投入する技術など、川釣り最高峰と言ってもいいほど奥の深い釣りなのだ。
まあ、私はやったことないけどね。
アユ竿だって高いと十万円以上するし、オトリアユは高いし完全に大人の遊びだ。
という訳で、代わりにアユルアーというのを使う。
またルアーかよ、お前(笑)
私はルアーが好きなのだ。
根がせっかちだから、じっと待つエサ釣りは少ししんどい。
アユルアーというのは文字通りアユの形をしたルアー。
コイツをポイントにうまく投入してリールを巻く。要するにアユを演じさせるわけだ。もちろん友釣りよりもヒット率は少ないが(誰だって本物の女の子と二次元の女の子を並べられたら本物の方に行くと思う……ちょっと違うか)、たまーにアユが引っかかってくれる。
コイツを塩焼きや甘露煮にすると……うーん美味。
あとは、晩秋の汽水域(川と海の間くらいの場所)でボラを狙ったり。
コイツは太めの竿に、大きめのフックを付けて橋の上から仕掛けを投入する。
ボラが通り過ぎるのを待って一気に仕掛けを引っ張り、ボラを引っ掛けるわけだ。
後は自分が川岸の方へ降りていって、リールを巻いて、最後はタモ網で回収。
地域によっては、サケもこのやり方で採れるよ。
漁協にニラまれそうだけどな(笑)
夏のボラは臭みが強すぎて食べれたもんじゃないけど、寒い時期のボラはタンパクで美味だよ。
煮付けやフライにしてもらった記憶があるなあ。
海釣りについては、また気が向いたら書きます。
ちなみに明日(六月十五日)は私が敬愛する歌姫様のお誕生日なので、よかったら拙作『歌姫と銀行員』も読んでみてくだされ。(無理矢理宣伝!)