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四国遍路その3

ずーっと前にハードディスクでお蔵入りになっていたものを投稿しております。数字表記や文体が統一されてないことをお許しください。たぶん私が十年くらい前に書いた文章です。

今回は41番龍光寺からです。

四回目の四国へ


■一日目


夜、仕事を終えて、ハービス大阪前から宇和島行きのバスに乗車。

6:30宇和島着

そこから予土線で15分くらい、務田という駅で下車。


愛媛では稲刈シーズンの真っ最中。黄金色に染まった田んぼに朝日があたってとてもきれいでした。自然を感じられるのはやはり遍路の醍醐味ですね。


8:10 41番龍光寺着


龍光寺を出発して、30分くらい歩くと大きな池(中山池)がありました。

そこのほとりでぼーっとしてると地元のおじいさんに話しかけられました。

おじいさんは地元の歴史の話をいろいろしてくれました。

私の持っていた「四国遍路ひとり歩き同行二人」の本を見て、

「でも(歩くのは)ひとりじゃないもんね」(大師さんが一緒についてきてくれているという意味)と言っていたのが印象的でした。


おじいさんはもっと話したそうでしたが、ちょっと切り上げて道に迷いながらも

10:00 42番仏木寺到着


ここで定年退職してお遍路を始めた東京から来たYさんと道中ご一緒することになりました。私が仕事のグチととかをブツブツいっていると、「でも若いのはほんとうらやましいですよ。その気になれば何でもできますからね」と言ってくださり、ちょっと頑張る気が起きました。


山越えの道を歩くこと10キロ以上

14:30 43番明石寺到着


15:30ころ予讃線卯之町駅に到着し、Yさんと別れました。

そこから松山まで特急を奮発して乗り、松山ダウンタウンユースホステルに泊まりました。(ここで3泊しています)




■二日目


松山の繁華街、大街道からバスに乗ります。

今日はバス移動がメインです。


8:00 久万高原に着きました。ほんまに山の上にある町っていう感じです。

そこから徒歩で

8:30 44番大宝寺に到着

やっぱり山中に建っている寺の方が風情があっていいですね。自然と一体化しているように思えてくるし、境内も広いですし。(その分行くのも大変なんですが)


久万高原バス停まで戻り、次のバスまで時間があるのでヤマザキショップ(この町唯一のコンビニっぽい)で立ち読みしたりして、時間をつぶしてました。

途中で遍路姿のお兄ちゃんに会いました。

少し話を聞いてみると、大学生だそうで、巡礼について研究しているらしいです。

スペインの巡礼もいったとかでも「こっちの方が山道が多くて大変」だそうです。


11:45 バスに乗り 岩屋寺前で下車

岩屋寺は駐車場を過ぎてから20分くらい歩きました。

山道には慣れていてもかなりきつかったです。

12:00 45番岩屋寺到着 やっと八十八箇所の折り返しです。

本堂のすぐそばまで岩場が迫っていて迫力満点。


帰りは久万高原まで歩くかということで、山道をえっちらおっちら歩きます。

一人で山道ってかなり心細いです。マムシとか出てきたらどうしようとか思いますし、スズメバチで死人でてますからね。


挿絵(By みてみん)


30分くらい歩いて平地にでると、人懐っこそうなお兄さんがこっちに向かって歩いてきました。


「すいません、NHK松山放送局のものですが。歩いている所を取らしていただいてかまいませんか?」ということでカメラでばっちり撮られました。

そのあとインタビューも受けました。人生初のインタビュー経験。たぶんこれからもないと思いますが。

(注 ちなみに2018年現在においてもこれが最後のインタビュー経験である。どうでもいいけど)


・遍路を始めたきっかけは?

先輩が彼女に振られて四国八十八箇所に行くということになったので、それに付いていったのがきっかけです。


・遍路のよさは?

自然との一体感を味わえることと、いろんな人に会えること、人の親切に触れることができるからかな


・なんで歩きなんですか?

(失礼 私はオール歩き遍路ではありません。電車もバスものります)


・歩いてる時にどんなことを考えていますか?

何も考えてません (笑)


とまあこんな具合に10分くらいインタビューを受けました。

あまりに浮かれすぎていつオンエアされるのか聞くのを忘れました^^

もしかしたら今頃愛媛ローカルで私のマヌケづらが流れているのかもしれませんね


1:40 国民宿舎 古岩屋荘到着

なんか疲れてきたので30分後にバスもでることだし、バスに乗っちゃいました。

バスの待合所で地元のおばあさんによもぎ入り大判焼きをもらいました。今回初お接待。


その後 古岩屋バス停 から 伊予鉄久万 まで行き 久万高原からバスに乗って松山まで帰りました。



■三日目


8:20 大街道からバスに乗車


9:00 46番浄瑠璃寺到着

境内にインドで実際にお釈迦様が座って説法した、とされる石が置いてありました。

ご自由にお座りくださいと書いてあったのでちょっと座ってみました。

すると、なんか体が軽くなって癒されたような気分になりました。

ホイミをかけられているような感覚です(やったことないけど)

これも信心の表れか、単なる気のせいなのか


9:30 47番八坂寺到着


さらに歩いていくと文殊院(初めての遍路と言われる衛門三郎の菩提寺&旧宅跡)と札始大師堂(衛門三郎が始めてお札を納めた場所)がありました。すかさずお参り。遍路の開祖の旧跡をたどれるなんてちょっと感動です。


11:30 48番西林寺到着

このあたりで財布に1000円くらいしかないことに気づきます。今日回る予定の札所の納経代ギリギリくらいしかありません(><)ということはご飯も食べられないし、暑いのにお茶も買えません。非常に弱りました。道路沿いにATMくらいあるやろっとタカをくくっていたのですが、農協のATMって日曜はやってないんですね。あと四国だとファミリーマートでお金おろせないんですね。

西林寺では井戸水をくめる場所があったのでとりあえず500MLのペットボトルを満タンにして、水の心配はなくなりました。それにしても暑いです。飲んだ分、全部汗になって出ます。


行けども行けどもATMはありません。


12:30 49番浄土寺到着

お金のことが心配で読経も上の空です。

ここの本堂は室町時代のもので重要文化財だそうです。

そう言われると、小さいながらもどこか安定感のある建物です。


15分くらい歩くと、某地方銀行の看板が見えました。

救われた思いでした。ありがとう、ひ◯ぎん! い◯ぎんに負けるなよ!

すかさずお金をおろしました。

安心したらお腹がすいてきました。

どこか食べ物屋はないかなと探しているとラーメン屋がありました。


13:30 あかねラーメン到着

とんこつベースのしょうゆ味、麺は太麺でとてもおいしかったです。水を立て続けに4杯飲んで、店員さんにめちゃびっくりされました。


14:30 50番繁多寺到着


暑かったですが頑張って歩いて


15:30 51番石手寺到着


道後温泉の近くだけあって観光客が多いです。

あんまり注意してみてませんでしたが、仁王門は国宝だそうです。

私はそれより、重文の三重塔の方が心惹かれました。

逓減率が高いせいか、見ていて安心感を与えます。

きっと昔からここに来る遍路たちを見守っていたのでしょうね。


せっかくだから道後温泉に入ろうと思い、豆だらけの足を引きずって道後温泉本館へ。坊ちゃんと同じように2階の休憩室の分のチケットも買いました。

湯船に「坊ちゃん泳ぐべからず」と書いてありました。

湯船自体は狭く、歴史的建造物でなければ「金返せ」と思うくらいでした。


今日はユースホステルが相部屋だそうで、先にビールを飲みながら待っていると、私と同年代くらいのさわやか青年が現われました。

彼も社会人一年生で、なんと農林省のキャリアです。

お酒を飲みながら話をしました。

最初会社のグチになり、つづいて松山は可愛い女の子が多いという話になりました。

そのあとO-ゾクの話で盛り上がりました。彼は翌日「夜の道後温泉★」に行くとのたまわっておりましたが、果たしてどうなったのでしょうか。




■四日目


8:30くらいの遅めの起床。今日は遍路最終日です。

Yくんに別れを告げ、9:00過ぎ大街道から市電で松山市駅に向かいました。


松山市駅から歩いて数分の子規堂にたちよりました。

ここは俳人 正岡子規が幼少の頃住んでいた家です。

子規の勉強部屋なども見ましたが、ヤブ蚊が多かったので早々に退散しました。


その後松山市駅から伊予電鉄で

10:00 高浜駅到着

ここからは海沿いの遍路道を行きます。

瀬戸内海に浮かぶ島々を見ながら歩きます。

1kmくらい歩くと山道へと入るのですが、この山道がくせものでほとんど人が通らないのか藪が生い茂ってました。最初は強行突破しようとしたのですが、道を間違えて遭難したら大変と思い(実際そのくらいの山道でした)やむなく引き返しました。


高浜トンネルを抜けるルートを選択し、11:15分頃高浜トンネルを抜けました。


このあたりで雨が降ってきました。

最終日だというのに災難です。最初は菅笠でしのいでいましたが、強くなってきたのでカッパを着込みました。


雨中を必死に行軍しながら

12:00過ぎ 52番太山寺到着 です


その後、13:30 53番円明寺まで無事到着

この頃になると晴れ間も見え始めました。

大師堂で旅の無事のお礼を言います。

少しベンチで休んでいると、団体のお遍路のおばさんから「息子と同じ年くらいだから」ということで300円お接待いただきました。


松山駅まで戻りおみやげなどを買いました。

松山ということで中学の時に一回読んだ夏目漱石の「坊ちゃん」を購入。


帰りの飛行機では窓際から景色を見るのを楽しみにしていたのに、あいにく通路側でほとんど見えず・・・

しかも伊丹に着いたときに預けていた荷物の引換券(金剛杖、笠、リュック)をなくしてしまいました。受付のお姉さんに相談すると文書に署名したらその場で持って帰っていいとのことだったのでラッキーでした。


うーん、小説家になろうで一年以上ベッコベコにもまれたはずなんだけど、十年前から文章が進化していないような……(爆)


次回に続く……のか?

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