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接続世界の装士使い  作者: カオスザイン
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EPⅠ「はじまりの蒼黒の装機、雫月起動!」

とりあえず

~人族国境線にて~

「クッ!…雫月を追う任務で出撃たというのに此処でまさか獣人族の奴等が襲撃に遭遇するとは!…援護で参戦したまではいいのだがこれ以上の増援は期待出来ない…だが!このまま諦めて獣人族の我等人族の国を明け渡す訳には!…」

件のロボット、雫月の行方を追跡していたカミネ隊は突如締結されていた筈の条約を無視した獣人族が国境線付近に奇襲をかけてきて圧倒的に戦力が足りないとの事で要請が入ってきた。

彼女は最初、雫月捜索というA級任務の為に断ろうとしたがそれが国境線付近が戦場となっているのなら話は別だと後回しにせざるを得なかったのだ。

アルレスネの輝装、アークゲーナーを撃ち放つが敵の数は一向に減らない。

「今日こそ人族を倒せえー!」

獣人族の兵が一歩、また一歩と人族の領地へと侵入してくる。

人族を滅ぼさんが為に。

「大尉!このままこれ以上この戦闘を継続していては雫月を探す人員が…」

「分かっている!…クッだがどうすればいいというのだ!?…」

人族の頼みの綱、そして希望の雫月は未だ行方不明。

そもそも動かせる装演者が人一人たりともいないのだ。

「大尉!前方から敵機が…」

隊員の一人が気付き敵接近を警告を発するが思案を巡らせていたカミネは反応が遅れてしまい接近を許してしまう。

獣人族の量産型装機、ガムカの剣の矛先がアルレスネに迫る。

「しまっ!?…」

「指揮官の首もらったあー!」

「大尉ィー!?」

カミネが死を覚悟したその時…

ガキィン!

「!?」

「な、何だあっー!?」

何かがガムカの剣を弾き飛ばした。

「まさか!…」

カミネはその姿に驚きを隠せない。

蒼黒のフォルムの装機、見間違える筈がない。

そう彼女達が探していた雫月が戦場に突如出現したのだから、

「嘘!…」

他の隊員も驚愕を隠せない。

「うおおお!?…」

「『まだまだこの雫月と対等となるのはこの中にはおらぬようだな』」

無人な筈だがまるでエース級パイロットが操縦している様な動きで雫月は蒼の剣、「クレッセインソード」でガムカを吹っ飛ばし斬り裂いた。

パイロットが脱出する間も無くガムカは爆散した。

「す、凄い!…」

雫月にただただ驚く隊員達。

「…」

「大尉!?何を…」

流石にあの機動は可笑しいと直感したカミネが雫月に刃を向け出したのだ。

「答えろ!その装機には一体誰が搭乗っている?それは本来こちらの所有物であるぞ!即刻コクピットから降りろ!さもなくばこちらは強硬手段に出ざるを得ない!」

カミネは警告を促した。

~雫月コクピット内~

「『何じゃもう騒々しいのお…っといい加減起きんかい!』」

「あでえっ!?何だ何だ!?」

何者かに思いっ切りはたかれてやっと目を覚ました俺は困惑した。

ていうかナニコレ?…

『少年!?』

「??」

外から通信の声が聴こえて俺は何が何なのかサッパリ分からずに上を見上げた。

「でえ!?なんだお前は!?」

俺の頭上に浮かんだ妖艶な少女に俺は驚く。

「『やっと目を覚ましおったか!わっしはクロノアシアン、装機雫月の最新鋭超AIじゃ!待っておったぞ選ばれし救世主であるお主を!…』」

超AI?装機?選ばれし救世主?

「何の事なのかサッパリなんだが…」

「『お主の名まだ聞いておらぬぞ?』」

「お、俺は器桐 弐鬼だ」

「『弐鬼か…お主はこのわっしと雫月に選ばれた装演者となった。

お主が望むのであるなら神にも悪魔にもなれよう…』」

『おい貴様聞いているのか?!』

クロノアシアンと名乗った少女の言葉を通信が遮る。

「あの人達は?…」

「『あの者達を敵とみなすか味方と思うかそれはお主次第じゃ』」

丸投げかよ…俺はとりあえず通信してきた人達に事情を説明&聞く為に外に出ようとした。

だが…ドヒュン!

「なっ!?」

「『お?』」

『まだ敵がいたのか…それにあの装機は!…』

撃ってきたのは獣人族のエース専用装機ゴウソウガであった。

「やっと見つけたぞ!人族の新型!」

『ゴウソウガ!…獣人族のエース、ソウガ・オルム・二プールか!』

「その新型この俺様が直々に粉々に破壊してやるよお!」

『大尉!敵装機からの獣装召喚反応キャッチしました!』

『回避しろ!少年!』

「え?おおっと!?」

女性指揮官に言われたが俺は反応出来なかった。

だが機体は見事ゴウソウガの獣装、『ビーストサンダークロー』を回避した。

「あ、危なかった…」

「『何をボサッとしておる!わっしが反応せねば奴の獣装をモロに被弾していたぞ!』」

「ああ悪ィ…クロンありがとな!」

「『クロン?』」

「ああ、お前の愛称だどうだ?」

「『…うむ!気に入ったぞ!弐鬼共にいこうぞ!』」

どうやら気に入ってくれたらしくクロンは嬉しそうだった。

「機動性能は良いようだな!だが攻撃の方はどうだあ?!」

「『第二波が来るぞ!』」

「ああ!」

気絶していたのにこのロボット、雫月といったかの操縦法、それにこの世界が異世界である事、そしてあらゆる知識が俺の頭の中に流れ込んできた。

「輝装…『蒼き欠月の月刀』!」

「何ィ!?」

この世界の人達が扱える『装』と呼ばれる力、その中で人間が唯一扱える『輝装』雫月の力、『蒼き欠月の月刀』を召喚装備し奴の獣装とぶつけ合わした。

「だがなぁ!その程度の輝装なんかに押される程俺の獣装はヤワじゃねえんだよ!」

「おわっ!?」

奴のビーストサンダークローに押し負け蒼き欠月の月刀は先端から折れてしまった。

「『チッ…弐鬼お主のその輝装はどうやら未完成のようじゃ…どうする?』」

折れてしまったのもそれが理由か…

「なら!」

俺にしか出来ない事たった今しがた理解した。

何故クロンが俺を選んだのかという事も。

「はああああああー!」

『!?雫月から獣装召喚反応検知!』

『何だと!?』

「来い!…俺の獣装、『ファングスティンガー』!」

雫月の獣装である銃槍、ファングスティンガーが召喚装備される。

「何ィー!?ただの人間如きが何故俺達獣人族にだけ許された獣装を召喚出来やがる!?…」

「それは…俺がこの世界に選ばれし者、救世主だからだ!」

「『この短時間で其処まで理解出来るとは…やはりわっしの目に狂いは無かったようじゃな!』」

「はったりだ!そんな迷信事なんか俺は認めねえー!」

ゴウソウガが最大パワーで仕掛けてくる。

「ならアンタを倒すまでだ!はああああー!」

雫月を最大加速で突撃させファングスティンガーのショットで奴のビーストサンダークローに充填されていたエネルギーを弾き飛ばした。

「何ッ!?」

「これで決める!クロン!」

「『分かった!獣装コアへのエネルギードライヴ充填解禁を承認するぞ!』」

クロンが機体中枢システムにアクセスしエネルギードライヴを解放した事でファングスティンガーにエネルギーが充填される。

「『ファングストライクショットエンド』!いっけええーー!!」

ゴウソウガに肉薄したままファングスティンガーから分離した弾倉{この部には実は使い捨てショートブレイドが内臓されている}にも獣装のエネルギーを回して斬り浴びせた。

「なんだ!?エネルギー回路が!?…そんなこの俺様が!…馬鹿なぁー!?……」

ドオン!

ゴウソウガの内部エネルギー回路は俺が斬り浴びせたエネルギー作用によって逆流を引き起こし最後には爆散した。

「ふう…」

『「終わったようじゃな…』」

ゴウソウガを見事に打ち倒し一息付く。

『大尉一体あの少年は?…』

「分からん…只の人族の者の身でありながら獣人族にしか召喚不可能な筈の獣装の召喚が可能などと!私は認めん!…それに我々に動かせなかった雫月をああも容易く装演しソウガを撃破出来るなんて!…」

戦闘の一部始終をすっかり傍観していたカミネはハッと我に返り苦口を溢し弐鬼に再び通信を入れる。

『助かった…と言いたい所だが…。

まずは…私はフレイア装機隊リーダー、カミネ・フレイア大尉である!

その装機は本来我々の所有する機体である!ご同行を願う!』

「はあ~…やっぱこうなるよな…」

俺は頭を抱えながら渋々彼女達に同行する事となるのであった。





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