第一話
高校二年二学期初日。高校生として二年目を迎えるそわさわとしつつ穏やかな日が狂うのにそう時間はかからなかった。
「あの…先輩!」
潜りなれた校門で不意に声をかけられた、そこには僕をしっかりと見つめる二人の女の子が立っていた。
「八坂先輩!」
「私たちと!」
「「付き合って下さい!!」」
………ふぅ、とりあえず落ち着いて振り向こうじゃないか。きっとよくある自分が呼ばれた訳じゃないっていう勘違いだ、僕は騙されないぞ♪
そう振り向いた先には生徒どころか教師すら見当たらない。
「・・・・。」
OK僕も男だ。ここで彼女たち?の勇気をないがしろにして逃げたりはしないでおこう。彼女たちが僕には見えないものに告白している場合は例外だぞ♪。それにまだお約束の職員室までとかそんな落ちも視野にいれないと!。
「・・・あの…僕に告白したの?」
ここでクエスチョン、女の子があなたに告白したかもしれません。あなたはどうしましたか?
僕のアンサー、自分に告白したのか確認しました・・・・なにこれすごい恥ずかしんだけど!。もっというと僕に告白した訳じゃなかったら逃げ出したい!二つの意味で!
「そうです!」
「その通りです!」
どうやら本当に僕に告白してくれたみたいだ。二人の女の子に同時に告白されるなんて僕も罪な男のみたいだ、男としてこんなにうれしいことがあるだろうか。
しかし!、懸命なみんなは解るだろうこの子達の不可思議な点、それではリピートアフタミー。
「私たちと!」
「「付き合って下さい!!」」
・・・おわかりいただけるだろうか。私たちと?彼女たちはどちらかを選べでもなく、付き添いです♪っというような女の子特有の友情でもなく単純に二人と付き合えと要求してきたのだ!。
「あの…え?、二人と僕が付き合うの?」
しまった、少し声が上ずってしまった。
「そうです!」
「私たちはもう付き合っているので!」
「先輩が私たちと付き合ってくれれば完成です!」
・・・何が?。何が完成するの!?
「私たちずっと女の子しか愛せなくて!」
「小学生の時にお互い一目惚れして即日カップルだったんです!」
「その日から女の子どころかお互い以外恋愛対象がいませんでした!」
「でもそんなとき!二人がおんなじ男の人を好きになったんです!」
「初めて一目惚れした男の人がおんなじなんて運命です!」
「私たち三人が付き合うのが理想の関係なんです!」
「「だから私たち二人と付き合って下さい!!」」
「・・・・ごめん考えさせて!!」
彼女たちの勇気を踏みにじって僕は全力で登校した。