金木犀の公園
踊る人の汗は茶色い豪雨に抱き込まれてしまっていて、
もはや村娘たちの菱の実摘みを語る者もない。
私はケタケタ笑う猿が口癖のようにmonkeyから慧への感謝を抜いてしゃべるのを
嘔吐しながらどうしようもなく噤んでいる。
かつての神楽は演算子の川に投げ込まれてしまった――――。
そう嘆くのも時代の1つの作られたフレーズの表情だろうから。
晴れた夜の公園で月人の桂が溌らつと香っている。
黄葉する時になるらし月人の
桂の枝の色づくみれば
(万葉集より)
私はまだ埋み火のようにある鍵をまわして
魂をシャンシャンとならす月の女神の鈴にうらやかな兎になろう。
蟲のざわめきのような人の流れを迂回して。
11月の心の瞬きは金木犀の澄んだソーダ水です。