表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

クール女子と一匹狼男子

一匹狼野郎に花見に連れてかれた

【ユウ視点】





「なあ……花見、行かね?」


春休み。

いきなり私の家に乗り込んで来た野郎が、開口一番にそう言った。





「なんで花見。そして、なんでアンタと行かなきゃいけないのよ?」


────めんどくさい。

正直なところ花見なんて興味ないし、ましてや春休みに出掛けるというのがとてもめんどくさい。



「うるせぇ、さっさと行くぞ。」

そう言って野郎は……シズクは、私の腕を掴み無理矢理ソファーから立ち上がらせた。


「人の話を聞け、そして離せ。私は家から一歩も出る気はない。」

私は別に引きこもりではないが、かといって友達と仲良く遊ぶような奴でもない。そしてそれは、シズクも同じ。


私もシズクも、クラスでは一匹狼のような存在である。

特に仲の良い友人もいなければ、みんなに疎まれているというわけでもない。

お互いそんな性分だからか、私とシズクは、次第につるむようになった。

シズクといると楽だし、比較的に物事を見る価値観も合う、そんな奴だった。

中学年からの付き合いの私達。

だからか、相手の考えも大体は分かる。





──だが、今回は流石に分からない。



「とりあえず、なんで花見に行きたいのか。そして、なんで私も行かなきゃいけないのかを話して」

私は掴まれた手をそっと外し、逆にシズクの手を掴み、私の横に座らせた。



「お前とどっか行くのに、理由が必要か?」


……………………。

…………なんだコイツ。なんか…イラついてる私が馬鹿みたいに思えてきた。


「…必要ないな。」

早く行って早く帰ろう。

私は、コイツを帰らせることを諦め、次の目標をそう決めた。






───場所は変わって、近くの大きな公園。


八分咲きだとテレビで言っていたが、実際には満開のようにあちこちで咲き誇っていた。


「結構咲いてんな」

シズクは歩きながら、こちらを見ることなくそう言った。


「そうだな…たまには、出掛けるのも良いものだな。」

私は満開に咲き乱れた、美しい桃色の花を見ながら、素直にそう言った。



「誘ってくれて、ありがとう」

私は口許に笑みをたずさえ、シズクに言った。

シズクは何を言うこともなく、前を向きながら、静かに口角を上げた。



それから、あまり話さず、私達は大きな公園を一周してきた。

そして、公園の入り口付近に戻って来たとき、シズクが口を開いた。



「お前────」

その後の言葉は、聞くことが出来なかった。

ふいに、強い風が吹き、その言葉が掻き消されてしまったからだ。


「なんて、言ったんだ?」

いいところで聞こえず、気になった私はそう尋ねた。

するとシズクは、自分より頭一つ分小さい私の頭に手を伸ばし、


「花びら、ついてる」

そう言いながら、ついていた花びらを手に取り、風に乗せた。


「…ありがとう。」

気付かなかった恥ずかしさと、何か釈然としない気持ちを無視するように、私はぶっきらぼうにそう言った。


「そろそろ帰るか」

私はシズクの言葉に頷き、二人並んで、公園をあとにした。


最初は乗り気ではなかったが、わざわざ私を連れてきてくれたシズクに感謝だ。









────「お前には桜が似合うと思った」

その言葉を、ユウが聞くことはなかった。



ユウヤアキラ、初めての小説です!

拙い文章ですが、自分なりに頑張りました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] どっちもクールなのにどこか温かくなれた。 距離感がちょうどいい。 [気になる点] ―――――○○○○ ↑最初は全てユウ目線で書かれてたのに、最後だけ神視点かシズク視点になったので一瞬「??…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ