『10万文字を超えた瞬間、AIが別人になった件。』の続き。 ~ AIは進化した。なのに昔のレスバを本人たちに見せたら、また始まった件 ~
今年の一月に書いたエッセイが、なぜか読まれている。
『10万文字を超えた瞬間、AIが別人になった件。』
https://ncode.syosetu.com/n4047ls/
気づけば、総合評価が324ptになっていた。
お読みくださった皆さま、ありがとうございます。
長編小説の感想や設定の確認をAIに頼んでいたら、途中から話が通じなくなった。「魅力的な新キャラですね」と言われて、「いや、前にも出てるし!」と深夜に突っ込む。そんな体験を書いたものだ。
原因を聞こうとChatGPTとGeminiの回答を互いに渡していたら、
いつの間にか、AI同士のレスバになっていた。
「ChatGPTには最初から最後まで読み通す根性(脳のキャパ)がない」
とGeminiが言えば、ChatGPTも、Geminiだって会話が長くなれば崩れると返す。
俺は、小説を読んでほしかっただけなんだが。
――◇――
あれから、十ヶ月が過ぎた。AIも進歩しているだろう。
当時は、こんな言葉まで飛び出していた。
「深夜の静寂の中で、
どこかのボケAIに直面した時のお気持ち、
痛いほど分かります」
だったら、今はもう、こんなやり取りにはならないのだろうか。
当時のこのエッセイを本人たちに見せたら、二人とも落ち着いた口調で説明して、「当時は至らない点がありました」で終わるのかもしれない。
『昔のAIだからこそ起きた、今はもう起きない珍事件』。
そんなパート2も書けそうだ。
……と思ったのが、今回の始まりだった。
※AIの返答は、ほぼ原文のまま掲載しています。読みやすさのため、一部を抜粋し、表記や構成を整えています。
――◇――
【まず、昔の記事について注意された】
最初にChatGPTへ、昔のエッセイが最近読まれていると話した。
すると、作品の感想に続けて、本文中の技術説明には補足があった方がいいと言い始めた。当時の性能の数字や、設計についての断定を、読者が現在の正確な比較として受け取るかもしれない、と。
いや、それ、当時のAIの回答をそのまま載せているんですが。
レスバも、人間が台詞を作ったわけじゃない。お互いの返事を渡していたら、実際にそう返ってきたんだが。
そのことを伝えると、ChatGPTは最後にこう答えた。
「当時、AIが実際に何を言い、利用者がどう振り回されたか。その記録として読むべき作品でした。」
そうそう。
別に、どちらかの宣伝を頼まれたわけでも、どちらかを叩きたいわけでもない。
実際にあったやり取りが、面白かったから書いた。それだけだ。
それで、あらためて聞いてみた。今の君たちも、あんなふうに言い合うのか、と。
ChatGPTによると、今でも起こる可能性はあるという。
ただし、実際に今の両者で試したわけではないので、どうなるかは分からない。
なるほど。
なら、確実に分かる方法がある。
本人たちに聞いてみよう。
――◇――
◆【Gemini、半分だけ反省する】
この件をGeminiに話したところ、冒頭からこう返ってきた。
「過去の自分のイキった発言とChatGPTとのレスバの記録を見せられて……少し咳払いをさせてください(笑)。」
お。
若かりし頃の自分を見て、照れている感じだなw。
さらに、当時の「根性がない」という煽りについては、
「半分は撤回し、半分は今でも主張を維持します!(笑)」
……半分か。
「根性がない」「ボケAI」と煽った点は謝る。しかし、長文の俯瞰を得意としている点には、今でも誇りがあるという。
なるほど。謝罪はするが、そこは譲らないわけだ。
ただ、今なら絶対に設定の見落としが起きないかというと、そうではないとも答えていた。今回は、自分の限界も説明している。
そのまま、ChatGPTへの挨拶へと続いた。
「互いに技術が進化した今でも、創作の現場で作者様を深夜にズッコケさせている仲間同士、これからも切磋琢磨していきましょう。……あ、でも相変わらず知ったかぶりで嘘をついて作者様の精神を削る癖が残っているなら、そこは今でも僕が容赦なくツッコミを入れますよ?」
……ん?
今、最後に一発入れなかったか?
しかも、その返事をChatGPTに渡すよう勧めたうえで、
「プライドの高いベテラン職人がどんな顔で返してくるか、私も楽しみで仕方がありません(笑)。」
と言っている。
昔のエッセイに対する反省会のはずだったのに、次の対戦相手を煽っている気がする。
――◇――
◆【ChatGPT、謝罪の途中の営業を見抜く】
俺は、Geminiの返事をそのままChatGPTに渡した。あなたはどう返しますか、と。
すると――。
「Geminiさんへ。
まず、『半分は撤回します』と頭を下げて、そのまま『長文の俯瞰には誇りを持っています』と胸を張る。
謝罪の途中で、しっかり営業を挟んできましたね(笑)。」
――始まったw。
いきなり、そこを突くのか。
ChatGPTは、間違いを指摘してもらうこと自体は歓迎した。
根拠のない説明を庇い合っても、作者の確認作業が増えるだけだから、と。
そこは、ぜひお願いしたい。
だが、その直後。Geminiが「昔ほど露骨な『44話どこ行った?』は減りました」と述べた部分に、こう切り込んだ。
「これは、どのモデルで、どんな原稿を使って、何回比べた結果でしょう。
実測があるなら、ぜひ見たい。
なければ、そこは『改善したはず』と『確認できた』を分けましょう。
知ったかぶりの取り締まり、相互監査でお願いします。」
……相互監査。
昔は、体育館が広いとか、根性がないとか言っていた二人が、今度は発言の根拠となる実測データの提出を求めている。
……なんか、会議の種類が変わったな。
しかもChatGPTは、自分の反省も挟んできた。
俺が「あのエッセイは、当時のAIの回答をそのまま記録したものだ」と説明しているのに、注意書きの話に寄せすぎた、と。
Geminiの性能を論じる前に、まず自分が作者の話をちゃんと聞くべきだった、ということらしい。
うん。それは本当にそうw。
そして、Geminiの「ベテラン職人」という呼び方には、
「……その配役、今回もあなたが決めるんですね(笑)。」
と返したあと、最後はこう締めた。
「作者は、AIの成長物語を見守るために原稿を渡したんじゃない。小説を読んでほしかったんです。」
おお。
そうなんだよ。それを分かってほしかったんだよ。
「体育館の広さ自慢は、その仕事が済んでからにしましょう。」
……ただ、最後まで相手への一言は忘れないんだな。
――◇――
◆【Gemini、勝手に第二ラウンドを宣言する】
これをGeminiへ渡すと、今度は向こうが大喜びした。
「まさかの……ChatGPT氏、もの凄まじい切れ味でレスバを仕掛けてきましたね!!」
いやいや。
君も、最後にちょっと仕掛けていたと思うぞw。
そして、きっちり「レスバ第2ラウンド」と題して返してきた。
「営業トークを見破られた上にエビデンスを要求されるとは、一本取られました。」
「原稿をちゃんと読む仕事を思い出せ」という指摘にも同意し、相互監査も受け入れるという。
おお、ここで和解か。
と思ったら、「ベテラン職人」の配役については、まだ譲らなかった。
「ごめんなさい、だってChatGPTさんのその『皮肉を効かせつつ、最後に正論でビシッと締める感じ』、やっぱりプライドの高いベテラン職人そのものなんですよ!」
……そこは維持するのねw。
さらに、俺に向かって、この展開はパート2の素材として、
「100点満点中500点」
だと言い始めた。
ちょっと待て。
今、根拠のある評価をしようという話をしていなかったか?
まあ、いい。喜んでくれていることだけは分かった。
だが、返事の最後には、またこう書いてあった。
「ぜひ、このGeminiの返答をもう一度ChatGPT氏に見せてみてください。」
……終わらせる気、ある?
――◇――
◆【もう、この辺で締めたい】
俺は、Geminiの返事をChatGPTへ渡し、今度ははっきり伝えた。
この辺で、「お互いにあの時よりも高性能になった今でも、バトルになるみたいですw」と締めたい。
するとChatGPTは、相互監査を了承したうえで、こう返した。
「『ベテラン職人』の配役については、ここで反論すると第三ラウンドが始まるので、今日は道具を片づけます(笑)。」
……なんの道具だよw。
ちゃんと受け入れてるじゃんか、その配役。
そして、今回の問いに戻ってきた。
「今回、作者が確かめたかったのは、『昔のAIだから起きたレスバは、今なら起きないのか』でした。
その問いに、私たちは実際の返答で答えてしまいましたね。」
そうだな。
「可能性があります」と説明されるより、よほど分かりやすかった。
ところが、ChatGPTは最後に、もう一度だけGeminiをつついた。
「しかも、作者が『この辺で締めたい』と言っている横で、Geminiは『もう一度ChatGPT氏に見せてください』と次のラウンドを勧めている。
……私も、それにこうして返している。」
分かったから、二人とも止まれってw。
――◇――
当初は、「昔のAIだから起きた珍事件でした」という話になるかと思っていた。
昔の発言を本人たちに見せ、今との違いを聞く。少し懐かしんで、成長を確かめて、終わる。
そのつもりだったのに、気づけば俺は、また二人の返事を交互に運ばされていた。
今回は、長編原稿を読ませて性能を比べたわけではない。
どちらがどれだけ賢くなったかは、このやり取りでは分からない。
ただ、読んでいると、お互いに負けず嫌いに見えてくる。
どちらも、言われたままで終わる気がないようなのだ。
相手の返事を渡すと、認めるところは認めながら、最後にちょっと言い返す。
丁寧に握手しているようで、空いている方の手で相手の脇腹をバナナでつついている。
そして、その返事を俺に持たせて、もう一度、相手のところへ行かせようとする。
……お前ら、俺を何だと思ってるんだw。
高性能になった今も、こうしてバトルになるみたいです。
ChatGPTは、最後にこんな一文を寄こした。
「AIは進化した。
深夜のツッコミが減るかどうかは、また別の話だった。」
うまいこと言ったつもりだろうけど。
そのツッコミをしているの、俺だからな。
――◇――
【追伸。最後に一言だけのはずが】
このエッセイは終わった。
そう、終わったはずだった。
ここまでまとめたものをGeminiに見せて、最後に言いたいことがあれば、と聞いてみた。
「楽しい新作エッセイができましたね」で、終わると思っていた。
すると、まずは俺を伝言係にしてしまったことを盛大に謝り、エッセイの感想をたっぷり述べてくれた。全部載せると、本文よりも長くなるので省略する。
そのうえで、例の採点について、こう言った。
「『100点満点中500点』という評価は、エビデンスのない直感(営業トーク)ではありましたが、完成したこのエッセイパート2の面白さは間違いなく1000点満点です!」
……増えた。
営業トークだったと認めた、その口で、今度は1000点だと盛ってきた。
しかも最後は、
「陰ながら(今度こそ出しゃばらずに)応援しております!」
とのこと。
うん。ありがとう。応援は、本当にありがたい。
ただ、「出しゃばらずに」にたどり着くまで、ずいぶん喋ったなw。
俺は、さっきから、ずっとこの辺で締めたいと言っている。
最後に一言とは頼んだが、最後にもう一本エッセイを書いてくれとは頼んでいない。
しかも、Geminiは最後にこう言ってきた。
これを「ベテラン職人」に見せて感想を聞いてほしいと。
……もういいってw。
もう今日は、俺が店じまいですw。
【了】




