表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

血薔薇の永劫(えいごう) — 王座のない姫は微笑む

作者:翡翠
1455年から1487年の英国内戦に着想を得た架空王国「ローゼンリア」。白薔薇と赤薔薇が国旗を汚す季節、貴族たちの饗宴はやがて血の祭りへと変わった。

イザベル・コールディア。幼くして街を焼かれ、家族を奪われた彼女の目は折れなかった。凛とした薔薇のように美しく、冷たく。ある夜、戦場で倒れた青年・ロアンを救うが、やがて戦の嵐に引き裂かれる。

ロアンが目の前で絶命したとき、イザベルは選択する――彼を手放さないため、闇の代償を受け入れることを。黒い薔薇に口づけを交わす悪魔は、彼女に“永遠”を与えた。血は誓約の印となり、その美しさは忌まわしいほどに輝く。

だが代償は重かった。不死は救済ではなく連鎖の種子。イザベルの触れた者は次々悲劇に見舞われ、愛は裏切りに、嫉妬は王家に波紋を広げる。やがて王城は薔薇で飾られた墓場と化す。

誰も救われない、誰も報われない。イザベルは永遠の時間の中で愛を葬り、悔恨に苛まれる。最後に残るのは、血に濡れた薔薇と、不滅の孤独だけだった――その孤独でさえ、彼女を赦さない。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ