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時を超えたパパ活

明らかになった、召喚儀式の実行犯。

今日、ベル女で召喚された存在によって世界が終わる。


4巻目は、ついにバトルへ!

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 目の前に、赤と黄色でオッドアイの女子がいる。


 立ったまま腕を組んだ、ブレザーとスカートの制服姿。


 黒髪ロングで、ご令嬢が普通のJKに成りきってみた感じだ。


「私は……あなたの娘です! 会いたかったですわ、お父さん?」


 向き合っている俺は、(うなず)いた。


 (りょう)愛花莉(あかり)と名乗った、俺の娘は――


「え? まさか、有亜(ありあ)の!?」

「そうですわ!」


 冗談キツい……。


 確かに、目立つオッドアイだし、何となく親近感を覚える。


 だが!


「お母さんは、あり得ないですか?」


「初対面で、詩央里(しおり)じゃ()たないの? とか、最大でも小さいだの言ってきた奴に――」

 ブホッ!


 気分を落ち着けるためか、紙コップを口につけていた愛花莉は、噴き出した。


 ゴホゴホッと、()せる。


「大丈夫か?」


 涙目になった愛花莉が、こちらを見た。


「え、ええ……」


 視線は、何があった? と言いたげ。


「お前の想像とは違うぞ? 単に、挑発されただけ……。未来のお前の事情を知らんから、何とも言えない! 知りたければ、戻ったあとで誰かに聞け」


「そ、そうさせていただきますわ……。しかし、お母さんにも良いところが――」

「グループ交際をすれば、憎まれ口を叩いた挙句に、俺の手首の関節を決めながら銃口を突きつける。さらには、自分が嫌だからと、俺を婚約者にして、面倒なお見合いから逃げたんだぞ、あいつ!」


 思い出したら、腹が立ってきた。


 口元をひくつかせた愛花莉は、顔を伏せた。


「……どうしても、嫌だと?」


「女が多すぎて、有亜を迎え入れる必要もない……。あいつは防衛省にいるし、魔法師(マギクス)としても異色だ。あいつ自身に怒っているが、問題はそこじゃない! 室矢(むろや)家は、中央省庁に介入する余地を与えたくない」


 愛花莉は(うつむ)いたまま、息を吐いた。


 上体を戻した彼女は、どこか吹っ切れた様子だ。


 さっきまでの有亜とよく似たシニカルな雰囲気が、消えている。


「では、最後に1つだけ、お願いを……」


「その前に、俺も聞きたい」


 愛花莉は、首を縦に振った。


 それを見た俺は、率直に言う。


「過去に戻ったことは、驚かない。だけど、俺が父親であるのなら、こうやって接触したうえに『自分は娘である』と明かすことで、未来が変わるだろう?」


 逡巡(しゅんじゅん)した愛花莉は、観念したように告げる。


「実はですね? 娘の私たちは、お父さんに会えなくて……。年末年始などの季節の挨拶を儀礼的にするだけで」


「え、そうなの?」


 笑顔になった愛花莉は、衝撃的な事実を告げる。


「はい! お母さん達が色々と理由を作って、お父さんと娘だけにしないんですよ。会う機会も数えるほど」


「……実の娘に手を出すと思われてんの!?」


 知りたくもない未来が!


 フォローするように、愛花莉が付け加える。


「なまじ知っているだけに、『もしかしたら』の考えがあるのでしょう」


 うへー。


「なので、お父さんの顔を見に来たんですよ? ろくに会えないから、ここで知られても大丈夫」


「その理屈だと、母親には――」

「秘密にしてくださいませ」


 考えをまとめるため、持っていた紙コップを口に運ぶ。


 残りを飲み干し、愛花莉を見た。


「それで、お願いは?」


「私とデートをしてください、お父さん!」



 ◇



「あれ?」


 隠れている梁有亜は、首をかしげた。


 片手で向けていた、先端にアンテナをつけたような形状のガンマイクを下ろす。


「おかしいわね? 待ち合わせだと思ったのにぃ……」


 駅前で誰かを待っていた、梁愛花莉。


 そこに室矢重遠(しげとお)がやってきて――


 気づけば、また愛花莉だけに。


 彼女も、どこかへ立ち去った。



「まだ、追いかけるの?」


 年下の親友である咲良(さくら)マルグリットの声に、有亜は振り返った。


「ええ! うちのキャンパスにいた怪しい人物だもの……。それに、あの子が重遠の毒牙にかからないよう、見張らないとぉ!」


 壁にもたれているマルグリットは、その巨乳を支えるように腕を組んだまま。


「ねえ、有亜? ……何でもない。とにかく、あの2人の邪魔はしないで」


「そうね……」


 マルグリットは、生返事を聞きながら、どこまで話したものか? と悩む。


 親友に無理強いをする気はないが、さりとて……。


「予想していたけど、監視がキツいわね! あの女子を見張っているのが、警察だけで2、3チームとは」


「東京で正体不明のMAマニューバ・アーマーが暴れ回って、与党のVIPが襲撃された……。直後に、この連続失踪事件よ? むしろ、穏便なぐらいだわぁ」



 世間話をするマルグリットは、室矢カレナの眷属(けんぞく)だ。


 それだけに、重遠が時間を止めて、有亜の未来の娘である愛花莉と話していたことも知っている。


 周囲をフレームワークのように把握すれば、日本警察だけではなく、密かに狙っていたスパイの慌てふためく様子が……。


 警察チームを盗聴する。


『室矢くんに接触しますか? ターゲットの顔を見ているはず』

『いや、ここではリスクが高すぎる!』


『慎重すぎでは?』

『俺たちが詰めよれば、どうせ消えた! 室矢を尾行しつつ、「梁あかり」と再び会ったら、その会話と行動パターンを分析する』


『彼女が出現しそうなのは、オープンキャンパスの次元振動研究室と、それだけ……。分かりました! 警視庁に連絡して――』


 八代(やしろ)沙矢(さや)吉見(よしみ)の会話を聞いたマルグリットは、思わず呟く。


「好奇心はネコをも殺す、か……」

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

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