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第42話 魔王城へいらっしゃいませ!


【ユーナのレベルを上げさせない作戦】


 魔王軍において非常に重要かつ極秘のこの作戦は、現在も継続中である。


 それは、ユーナたちが滞在しているトゥースの街近辺ももちろん対象であり、魔王軍の優秀な配下たちは協力して作戦を遂行していた。

 

 そんなある日の、私が魔王城にいる時のことだった。


 魔王城に、招かれざる客というか……来てほしくない者というか。キノコとシャンプル、それから元四天王のゴリラが訪れていた。


「「こんにちわー!」」

「ただいま戻ったゴリ……四天王エツィー、戻りましたぞ」


 キノコ頭で身長のちっさい美少年、キノコと銀髪の美女シャンプルが魔王城エントランスに笑顔で立っている。


 あとゴリラが。このバカがわざわざ魔王城まで勇者パーティーをご案内たてまつりやがったのだ。


 するとだ。


「いらっしゃいまちー! 魔王ちゃまー、久しぶりの人間のおきゃくさまでちよぉー! あと……なんかいっぴきゴリラがいるでちが」


 トタトタちょこちょこと足取りの早いロリエラが、私を呼びながら勇者パーティーを出迎える。


「さぁどうじょ! われらが魔王じょーへようこちょでちよ!」


 ロリエラは魔王軍四天王ながら、重度の人間好きの猫娘だ。久しぶりの人間たちの来訪にゴロゴロと喉を鳴らせて浮かれている。


 それにしても、キノコとシャンプルには感心する。

 敵地の中心、それも我が魔王城まで来て緊張も物怖じもしてる様子はない。むしろどこか笑顔でいるような感じさえする。


 さすがは大魔法使いと大聖女といったところか。


 ロリエラが案内をしようとした時だ。

 裏切り者のゴリラが口を開いた。


「さぁ、二人とも。ワガハイが魔王城をご案内するゴリ……しよう! なぁに四天王のワガハイがついていればこの広い魔王城で迷子になどなろうはずがないゴリよ! ウホホッ」


 バカゴリラがキノコとシャンプルに自慢げに語りかけるのを私は無視をして、私は彼らに告げた。


「ふたりともよく来たな。どんな要件かは後で聞くとして、まずは冷たい飲み物でも持ってこさせよう」


 勇者パーティーをもてなすのは魔王として不本意極まりないが、仕方ない。

 彼らはユーナの大事な仲間なのだ。


 私が無下に雑な扱いをしたら、ユーナに嫌われてしまう。


 すると。


「あ、ありがとうヨルケスおにいさん……ほんと優しいね」

「ダールン、わたくしに優しくしてくださるのは嬉しいけど、マッシュに気を使う必要ないのに」


 お決まりなのか、二人の視線はバチバチと火花を散らしていた。


 その時だった。ゴリラが私に対して声を荒げて言う。


「まっ!? 魔王様!? ワ、ワガハイには冷たい飲み物はないゴリ……ないのですかっ!? 久しぶりに帰ってきた部下に対して非情ですゴリよっ! ……ですよぉお!」


「何言ってるのだエツィー。お前は私の元を去った裏切り者だろう? どうして私が魔王軍から離れたお前に優しくせねばならんのだ」


 やれやれ、と私はため息を一つ吐いた。


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