第40話 魔王はフラグをへし折って! ②(ユーナ視点)
ヨルケスの優しいメッセージに一度は心を揺さぶられそうになったあたし。
でも。
魔王軍四天王ノゾッキーさんが〝ドヤッター〟上に挙げたセンシティブな画像が、あたしの芽生えかけた恋心に〝待った〟をかけた。
☆★
──そんなこんなで、その日の夕方。
あたしはトゥースの街のシンボル、【オードリーノ・キャスガ像】前にヨルケスを呼び出していた──
「ユーナから呼び出されるなんて嬉しい。えっと、これはデートのお誘いってことでいいかな?」
細身のスーツスタイルであたしの前に現れたヨルケスは、ニコニコと嬉しそうな笑顔で私に問いかける。
そういえば……あたしがヨルケスを呼び出すのは初めてのことだ。だからデートの誘いと勘違いしてるのかも。
そんな彼に、あたしはそうではないことを告げる。
「えっと、デートじゃなくてね? 今日はヨルケスのほんとの気持ちを聞きたかったん」
「ほんとの気持ち? すまない、どういう意味だユーナ?」
「ヨルケスさ……、ユーナのこといっつも『好き好き愛しとうよ』言いよるけど……それほんとなのかなあって」
「何を言ってるんだユーナ! 私が君を愛していることに偽りなどない、君ら人族の神に誓ってもいい!」
ヨルケスが声を張り上げる。
なので、あたしはカバンから魔導水晶板を取り出して彼に突きつけるように見せた。
「ほんなら、この画像はどーゆーこと? 男の人とエチい雰囲気になっとうけど……彼とはどんな関係なん?」
あたしはヨルケスに、〝ドヤッター〟の【ノゾッキー・トサッツー@魔王軍四天王! 魔王様グラビア写真集予約受付中】さんのアカウントページを見せる。
魔導水晶板の画面には、魔王とイケメンエルフのえちい……腐思議の世界が広がっていた。
すると、それを見たヨルケスは唾をごくり……と飲み込むと、「こっ……この画像は!」と言って驚いていた。
「あんな? ユーナな? 実は今日……ヨルケスの優しい気持ちが嬉しくて、気持ちに応えたいかもって……思ったんやけど。でもこれを見たらちょっと、その……ね?」
「ち、違うんだユーナ! 聞いてくれ、これは誤解だ、誤解なんだ!」
ヨルケスは自分の胸に手を当て、必死に言い訳をしながらあたしに近づこうとする。あたしはそんなヨルケスから、なぜかわからないけど一歩後ずさりながら言った。
「誤解? この金髪イケメンエルフに首筋キスされて、おっぱい揉みしだかれよることのどこらへんが誤解なん?」
「こ、これはその……」
あたしがそう言うと、魔王ヨルケスは額に冷や汗をびっしりとかきながら「ぐぬぬぬぬ……」と呟いていた。




