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第36話 ユーナをストーキング!


 トゥースの街の冒険者ギルド内、併設されたダイニングバーにて──


 私はふたたび『変装』と『擬態』の魔法を使い、冒険者ひしめくギルドへと訪れていた。


 もちろん、前回シャンプルを拐った姿を変えての別スタイルで再登場だ。


 大きめサイズの黒縁メガネ、スマートで大人っぽい雰囲気を演出した上下細身のスーツスタイル。

 インナーに白シャツを合わせたことで、汗くさい冒険者感をすっかりと消し、明るい雰囲気を意識……!


 これでどこからどう見ても風のようにさわやかな冒険者だ。魔王感などまったく感じないはずだ。


 そう、私は魔王軍の頂点にして魔王。抜かりはないのだ。


 そんな今回の私は、離れた席から愛するユーナ・ステラレコードのことをじっ……と見つめていた。


 彼女は両腕を枕にしながらテーブルに突っ伏している。


 普段の私なら、心配で心配でたまらなくなるその仕草。すぐにでも事情を聞いて、具合が悪いなら回復薬だの回復魔法だのをご用意したい……!


 と、思うのは必然だが、今回の私は魔王ヨルケスとして来ていない。駆け出し冒険者ヨルケスとしてここにいるのだ。


 そう、『ユーナのレベルを上げさせない作戦』の一環として、『ユーナが私に振り向くにはどうしたらいいか』という、重要極まる作戦行動中なのだ。


 ユーナが好きな食べ物、好きな音楽、物語など……とにかく幼少期より趣味に変化はあったはず。情報を仕入れて行動するのは魔王として当然の務めだと思う。


 心を鬼にした私は、コーヒーを片手に雑誌を読むフリをする。


 そうして一般冒険者に溶け込みながらユーナを監視していると、裏切り者のあんにゃろーバカゴリラがユーナに声をかけていた。その後ろにはシャンプルとキノコの姿も見える。


「ウホッス! 勇者殿、ご気分すぐれぬようですが大丈夫ゴリ……大丈夫ですか?」


「あ、エツィーおはよ。だいじょうぶだよ……気にしないで」


「どしたのユーナちゃん? 何かあったの?」


「バカねマッシュ。勇者様が元気ないのは……そうね、きっと好きな殿方でもできたに違いないわ? 恋煩いよ、そうでしょう勇者様?」


「シャンプルな、なにを言いよるの!? す、す、好きな殿方なんて、い、いないよ? しかもあんな無自覚タラシのバカのことなんて……考えてないんだからッ!」


 ……こ、これは?


 ユーナにしては珍しく慌てた様子だ。シャンプルとしては何気なくユーナに聞いたつもりで言ったはず。


 だのに、過剰すぎる反応とは思わないか? これはユーナに好きな人が居るって暴露してるようなものじゃないか。


 ぐぬぬぬ……私を差し置いて一体誰のことを……!


 ゆ、ゆるせん! どこのどいつだぬっころしてやる……!



「へぇー、ユーナちゃんが気になる人かぁ。ボクも知りたいな。……ヨルケスおにいさんはこの間フラれてたから違うとして……だれだろぅ?」


 キノコがなぜか私の方へ視線を向けて言った。


 一瞬の焦り。


 小さく汗をかいた私は、持っていた雑誌を食い入るように見るフリをして顔を隠す。


 ……バレてないはずだ。私のパーフェクトな変装、どこからどう見ても新米さわやか冒険者だ。


 ユーナの方を私は雑誌からチラチラと覗き見る。


 さて……キノコよ、お前フラれたとか言うんじゃない。私のせっかく治りかけてた傷を開こうとするだなんて、ほんとうに残酷な少年だ……! 


 どんな貫きの魔法よりもグサっときたじゃないか!


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