第一34話 勇者だって嫉妬するんだよっ (ユーナ視点)
魔王ヨルケスが勇者パーティーの大聖女、シャンプル・リンスルとデートをした。
……その姿を、魔王軍四天王の中で随一の盗撮魔【ノゾッキー・トサッツー】は闇に紛れてずっと監視、そして〝ドヤッター〟にその動向をアップしていた。
「…………くっくっく。黒ノゾッキー」
片手でサングラスの位置をクイッと直す彼は、不敵に笑う。
魔導水晶板でポチポチと文字を打つ……そんな彼のドヤ呟きは当然、神託の勇者ユーナ・ステラレコードの〝ドヤッター〟のタイムラインに流れてしまうのだ。
【魔王様、勇者のこと世界一かわいいとか言ってるのに、コレはないわぁ〜チャラいわ〜】
ドヤ呟きの下に貼られた画像は、魔王ヨルケスがシャンプルをお姫様抱っこしているものだった。
☆★
魔王ヨルケスと大聖女シャンプルがデートをしている一方で──。
ここはトゥースの街、あたしたち勇者パーティーが新しく寝泊まりしている宿。
いま、あたしは魔導水晶板でヨルケスの動向をチェックしていた。
というのも、最近ヨルケスを注視しだしたのは、私がせっかく仲間にした大聖女と大魔法使いを彼が誘惑しよったから。
しかも、無自覚に……!
そんなだからあたしは最近、ずっと彼の行動を監視し続けた。
だってだよ? マッシュもシャンプルもユーナにはもったいないくらいに高レベルの仲間だし、できればパーティーを抜けてほしくない。
ちなみにあたしがチェックしているのは、毎日朝からヨルケスを監視しているアカウントのドヤ呟きだ。
その人はなぜか、魔王ヨルケス・ブーゲンビリアに固執していて、魔王についてのコメントばかりを載せている。フォロワーさんもたくさんおるし、すごいインフルエンサーなんやろね。
黄色いくまさんにサングラスをかけた、かわいいアイコンの【ノゾッキー・トサッツー@魔王軍四天王! 魔王様の不幸はハチミツの味】さん。
彼は今日、ヨルケスとシャンプルのデート画像をたくさんアップしていた。
ノゾッキーさんのコメントはこんな感じだった。
【魔王様、四天王としてセッシャはその趣味にはついていけません】
そのコメントの下には、ヨルケスがシャンプルと顔を近づけて本を見ている画像が貼られている。
しかも、その本の表紙をチラッと見たけど……なんだかえっちい感じ。
細身で素っ裸の男性が、なんかチャラそうな男の人にいやらしい感じで胸を揉まれてるものだった。
しかも本の帯にデカデカと書かれたキャッチコピー? タイトルなのかな? がめっちゃひどい。
『俺のアレが巨根みたい! と言うアイツの股間が気になって夜も眠れない──待望の俺巨根第二期舞台化決定!』
だって。
こんなえちい感じの本が舞台化するんだ……。
「……男同士でえちいことする舞台……じゃなくて!」
問題なのは、ヨルケスとシャンプルがえちい本を一緒に見てるってこと。
だって、シャンプルは大聖女だよ? えちいのとかをヨルケスは彼女に読ませて、闇堕ちさせる気なんちゃうの?
そう考えたあたしは、さらに〝ドヤッター〟を確認する。
すると、
【魔王様、人間の大聖女とデートなう。これも魔王軍の作戦? それとも勇者への恋をあきらめたんですか?】
【魔王様、まーた今日もコーデがダサくて草。穴あきデニムとか、どれだけ魔王軍びんぼーなのかと思われるんですが?】
ヨルケスをディスるコメントが並ぶ中で、ノゾッキーさんの最新のコメントに、あたしは目を丸くした。
【あちゃー、魔王様。大聖女をお姫様抱っことかお熱いですわぁ】
【でも、魔王様? 勇者のこと世界一かわいいとか言ってるくせに、コレはないわぁ〜】
そのコメント下の画像には、ヨルケスがシャンプルをお姫様抱っこしているものだった。
…………イラッ。
あたしは魔導水晶板の操作をするのが、なぜか嫌になってきた。
なんなん? ヨルケスあいつ、いっつもユーナのこと『好き好き愛しとうよ』言っとるくせに……!
なんでシャンプルをお姫様抱っこしよるん?
そりゃマッシュとシャンプル、どっちか選べばと言ったのユーナだけど……。
そんなことを考えてしばらくの間、あたしが魔導水晶板とにらめっこをしていると……ピコッ! と音を立てて通知が入る。
〝ドヤッター〟でフォローしているシャンプルがコメントを入れたのだ。
『今日はマイダールンにプロポーズされちゃった! しかもみんなの見てる前で……キャピ♡ でもなー、わたくし最近勇者様のパーティーに入ったばかりだし、ちょっと困っちゃう』
「な!? ヨルケス……! ぐむむむ……」
あ、あんたって男は……!
開いた口がふさがらなかった。
つい最近知り合ったばかりで、しかもユーナの仲間になってくれよった女の子にさっそくプロポーズ!? そんなバカな話がある?
あたしはノゾッキーさんとシャンプルのコメントを見て、だんだんとヨルケスに対して腹が立ってくるのだった。
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