第24話 望まぬ恋
「いや、すまない。貴女がまるで夜空の星のように美しすぎて、つい見惚れてしまっただけだ。ふむ、そちらのフルーツを食べて良いのだな? 私は差し出された物は残さずいただく主義。ありがたくいただこう……! ぱくっ」
「あっ! ちょ、ちょっと! え、えー……?」
私はシャンプルのフォークに刺さってるフルーツをぱくりと食べる。
「あの、そのー……間接キスなのですわ……?」
「ムっ……ねぇヨルケスおにいさん! ボクの食べてるウインナーも美味しいですよ? ほら、『アーン』」
なぜかキノコは私を睨み上げ、フォークに刺したウィンナーを差し出してくる。
よくわからないが、シャンプルに至っては急に頬を赤らめてモジモジとし始めるし、それを見たキノコは私の隣りで頬をぷくりと膨らませるし。
なんだか意味不明だ。
たしかに、タレ目の可愛らしいショタから上目遣いで、『アーン』をされたら、腐女子ならご褒美案件、鼻血モノだとは思う。
だが私はショタでもなければ、男色家でもない。
だからぜんぜん嬉しくないし、なぜキノコが私に『アーン』をしてくるのか理解に苦しむ。
てゆーか、まったく可愛いくないしときめかない。
あぁ、早くユーナ帰ってこないかな……どうせなら私は、ユーナから『アーン』されたいし、したい……!
まぁ……おそらくキノコとしては、私がさっきエツィーにキレまくっていたから、気を使ってくれているのだろう。
その気遣い、人間にしとくにはもったいないほどだが……私は男に『アーン』されてもキュンとしない。
私はキノコにバッサリと切り込む。
「キノコよ。私は一人で食べられるから、そんな恥ずかしいことしなくていい。そーゆーことは、お前の好きな人にしてやるがいい」
「す、好きなひとっ!? そ、そうですか……わかりました。じゃあヨルケスおにいさん、あーん……♡」
んん? こいつは酒に酔ってるのか? 私の言ってる意味を理解していないらしい。
しかし私は差し出しされた物は残さない主義、不本意な『アーン』だが、いただくとしよう。
私はウィンナーをキノコから食べさせてもらう。
ぱくっ……!
うん、パリッとしてジューシー。口の中いっぱいに、肉汁がふわぁっと溢れる。
とはいえ、私とキノコの様子は周りからは異様に映っているのだろう、
「……見てアレ、きゅんきゅんしない?」
「どっちが攻めで、どっちがウケちゃんなんだろー? 以外に背の高い方がヤられる側かな〜?!」
「ヤバ♡鼻血出そう~!」
……なんか、おかしな方向で見られ始めている気がするのだが……!?
い、いかん! こ、これはまずい!
と、思ったその瞬間だった。
「ねぇヨルケス……あんたまさか、そーゆー性癖持っとったん? あんなにユーナのこと『好き好き愛しとうよ』言いよるのはウソやったと? まぁユーナは別にいいけど……」
振り返るとそこにいたのは、眉をハの字にしてその様子を見下ろした、私の愛する可愛い天使のユーナだった。




