表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔眼の錬成術師 〜魔眼になった幼馴染と行く異世界冒険譚〜  作者: てつじん
第一章 異世界への旅立ち
2/24

1話 不思議な力

自身初めての作品となります。

読みづらい点や分かりにくい部分も多々あるかと思います。暖かく見守っていただけると幸いです。

本日5話まで投函いたします。




続いてのニュースです。先月から多発している女子中高生の失踪事件に関する………』



「ーーん〜!?」


窓から差し込む光で目を覚まし、伸びをしているとテレビが付いていることに気付く。


「あ〜、またやっちまったぁ」

頭をかきながらそんなことをぼやく。


最近は仕事が忙しく家に仕事を持ち帰り書類整理をしている途中で寝落ちしてしまったようだ。

いつも仕事を持ち帰るのはいいがどうしても睡魔に負けて寝てしまうのだ。



時刻を確認すると朝の6時。

我ながら朝はきちんと起きられるものだと感心していると玄関のチャイムが鳴った。



「ーーおいカイト!起きておるか」


玄関から自分を呼ぶ声が聞こえてきたので、慌てて返事をする。


「ちょっと待ってくれ!今開ける」



こんな朝早く訪ねてくるのは1人しかいない。

幼馴染のマナである。



玄関へ行く間に手櫛で寝癖を直しながら最低限身なりを整える。

そして玄関の鍵を開けると


「おはようなのじゃ!今日の朝食はバナウイが食べたいのぅ」


開口一番にそんなことを言うマナ。

満面の笑みでそんなことを言ってくるが毎度のことながらドキッとしてしまう。

少し間が空いてしまい慌てて返す。


「ーーー今日『の』じゃなくて今日『も』だろ…ったく俺の力だって無限に使えるわけじゃないってのに」


マナの言うバナウイとは、カイトの【融合ゆうごう】の力を使ってバナナとキウイを合わせたものだ。


カイトは小さい頃この力で色んな食べ物を融合させては美味いものを作るのが趣味だった。

たまたま一緒に遊んでいる時に創り出したこのバナウイを食べてからハマってしまったようで社会人になった今でも朝から催促にくるのだ。



「そんなこと言っても食べたいものは食べたいのじゃ、あの甘みと酸味の絶妙なバランス!うぅ…早く食べたいのぅ」


部屋に入ったと思ったら自分の家かのようにキッチンから皿を取り出し、リビングのテーブルに座り早く出せと言わんばかりにテーブルをトントンと叩いている。


「……はぁ、ちょっと待ってろ」


カイトはキッチンへ向かい冷蔵庫からバナナとキウイを数個取り出しまな板の上に置く。

そして力を発動させると青い光の模様が現れ、バナナとキウイがゆっくりと一つになった。



「いつ見てもカイトの力は面白いのぅ」


いつのまにかカイトの後ろにいたマナがスッと出来たばかりのバナウイを掻っ攫っていく。


「自分だってやろうと思えばできるだろうに…」


呆れたようにマナに話すと


「へひふが%#¥€$<…」


口一杯にバナウイを詰め込み何やら喋っているがほとんど聞き取れない。


何故カイトがマナにそんなことを言ったかというと、この不思議な力は人それぞれで、物を浮かせることができる者、足が早くなる者、更には空を飛べる者なんかもいる。


この力は誰しもが持っているものではなくごく稀に力に目覚める者たちがいた。

この力が発見されてから30年以上経つが未だに解明されていない点が多い。


人によっては神からの贈り物だの超能力だと言っているが本当のところはよく分かっていなかった。


そんな力だがマナが持っているのは【完全再現フルコピー】どんな力でも完璧に再現できるのだ。

これだけ聞くとかなり有用な力に思えるが天は二物を与えなかった。

例えばカイトの融合の力は物によっても違うがだいたい1日に10回程使うと身体に不調が出てくる。

無理をすれば使えなくはないが限界を超えると意識を失ってしまう。

マナはどんな力でも完璧に再現出来るが回数がほぼ0に近くすぐ身体に不調が出てきてしまうのだ。


ただマナには不思議な力以外にも稀有な能力があった。

それは完全記憶能力だ。


これは生まれ持っての能力で一度見たものは一生忘れない。

なんとも信じがたい能力だ。

おかげでカイトはマナがテストで100点以外を取ったのを見たことがないほどだ。


マナに力の上限がなければ世界征服だって夢じゃないだろう。

なぜなら一度見た力をいつでも使えるのだから。


『まぁ世界というのはそんなに甘くはできてないということだろう』



「ごちそうさまなのじゃ」


俺がそんなことを思っていると綺麗に食べられたバナウイの皮が皿にのっていた。


「お粗末様でした」


俺は食べ終わった皿を持ってキッチンへ行く。



「今日も美味だったのぅ、さて私は先に研究所に行っておるぞ」


満面の笑みでお腹をさすりながらそんなことを言いながら立ち上がるマナにカイトはふざけた調子で


「ーーそれでは研究所でお会いしましょう。副所長殿」


俺に背を向けながら手をヒラヒラとさせて玄関から出て行くマナを見送り、俺は自分の準備をし始めるのだった。

ブックマーク、感想などしていただけると嬉しいです。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ