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蝿蝿蝿
部屋の中に蝿が入ってくる。
よく観察してみると(実際はよく観察している訳では無い)、蝿にも大体二タイプ存在する事が理解る(実際は理解っている訳では無い)。
単純に疾いものと鈍いもの。
鈍い方は叩くのも容易いが、疾風い方は勿論そうはいかない。
部屋の中を忙しく駆け、蝿叩きを振るうその数瞬前には既に別次元に転移している。
それどころか我の顔面や頭の周りを煽る様に遊泳する。射程の長い武器は懐に入れば無効化する事を既知っているのだ。馬鹿めている。自分より遥かに大きく力の強い存在を。天晴れではないか。
それに比べると直ぐに仕留められる鈍き蝿の何と儚き事か。温き、馳走の溢るる調理場を蹂躙すも束の間の夢。天国から地獄へ。まこと哀れではないか。
この差ァは如何に?
老いた蝿と若年き蝿の差ァなのか?
才に長けたる者とそうでない者の差ァなのか?
やる気の差?
経験の差?
蝿の道、奥深し。
また極め難し。
精進せよ。




