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涙
月が綺麗ですね
そう言いたかった
見上げればいつも
曇り空なんだ
馬鹿だな
かつて僕は下ばかり向いている子供だった
なんだか恐ろしくて 前も向けなかった
あの頃の空は一体どうだっただろう
僕は
気持ち悪くて
ウジ虫で
足の裏から腐敗臭がする
駄目人間だから
恐ろしかったんだ
どうしていつもこうなんだろう
気付いた時にはもう遅い
夜空を見上げても
そこには月は出ていない
あの時には
見上げる勇気も無かった
今なら言えるはずなのに
分かっている
月は見透かしている
僕の浅はかな性根を
月は決して僕を認めはしないだろう
いつか
言える時が来るのかな
馬鹿だな




