2 おうちでーと?
まだドキドキが止まらない愛。
「あれぇ?愛さんどうしたのかな、何か悩み事ですかぁ〜?」
奈由がからかうかのように愛に迫ってきた。それと同時にたゆんたゆんと胸が揺れていた。
「......別に、何にもないけどぉ。」
「おやおや、そのご様子では何かあったとしか言いようがないですね〜。」
グサっと正論を言われた。
「実はね、、、。」
もう言い逃れできないと悟った愛は昨日起きた出来事を話した。
「なるほど、、、まあ友達っぽい子が出来ただけよかったじゃん。仲良くしなよ。まぁこれ以上はわたし触れないから、、、、、。」
ちょっと引かれた感じがした愛であった。
お昼休み、いつものように母の手作り弁当を食べていると、携帯の音が鳴った。
『明日、愛の家に行っていい?てるより』
中身はてるからの超シンプルなお誘いメールだった。
「ねねねねねこれどうしよう?」
「それはあなたが決めなさい。まぁ家だから外よりかは安全だよね。外だと変な風に見られるし、そもそも高校生と小学生だからね。」
「奈由!次の教室行こう!!」
「はーい。じゃあまたHRでね。」
奈由は次の授業のある教室へ向かった。そして愛は、、、、
『いいよ』
と送ってしまった。それと同時にドキドキがより強いものになってしまった。あのかわいいかわいい子が明日うちの家にやってくるのだ。その結果、午後はあまり授業に集中できなかった。
「それではまた月曜日に皆さんが揃うことを祈っています。さようなら!」
(明日はあのこと家で遊ぶ日、、これってデートかな?いやいや家の中だし相手は女の子だし、、ふわっとしたでーとの方が正しいかな?あああああっもおおおおおうう!)
今日は一人で家まで直帰した。家に帰ってもドキドキは止まらなかった。たまに過呼吸になる愛であった。
「てるちゃんいらっしゃい!わたしの部屋は2階だから、このスリッパ履いてね。」
「お邪魔しまーす。」
午前中の雨にもかかわらずてるは愛の家にやってきた。そして家に入れたあと、、、、、、なにも考えてなかった。\(^O^)/ ヘタレが発動してしまった愛であった。その時、ピカっと外がひかり同時に凄まじい音が響いてきた。
「あれ、雷かな?けっこう近かったし、、あれ、、あい?」
てるの視線の先には震えている愛の姿だった。口がおもいっきり震えていた。
「雷はいやだ、かみなりはいやだ、カミナリハイヤダ、kaminarihaiyada、、、、。」
てるはどうにかこの状況を打開しようと考えていた。そして、、
「ねぇ、こっちきて。」
「なぁにぃ?もういやだよ。ぐす、、ぐす、、。ふぇ!?てるちゃん?なにしてんの!?近い近い近い!!!???」
てるはベットにある敷布団を愛にばさーっと被せた。そして耳を優しく押さえて小声で話しかけた。
「しばらくこのままでいよう。」
(やばいやばいやばい!こんなのわたしが耐えられるわけないじゃん!!!こんなかわいい子を目の前にしてあと少しでおでこが当たりそうなくらいの近さ。それにてるちゃんのいい香りがこの中に漂っているしもうどうなっちゃうのおおおおお!!)
「ねぇ、雷怖い?」
「......うん。」
正直に答えると、少しだけてるの顔が笑った。なにかを企んでいるようなあの顔。そして
「目を閉じて。少しは落ち着くでしょ?」
「いやいやより怖くなるから!」
「わたしがいるでしょ?」
「うん。」
言われた通り目を閉じると額に何かあったかいものが触れた。それはすぐに消えてしまったが。
「ねぇ、今何かした?」
「.....なにもしてないよ?」
(ぜったいうそだ!)
「あ!雨止んだね。そろそろお昼だし家に帰るね。じゃあまた今度!!」
てるはスリッパをしっかり下駄箱にしまい、家を後にした。
「もしかしてまたキスされた?今度は額に!?もう恥ずかしいよ、、、それにわたしが雷苦手ってこともバレちゃったしぃ〜〜。」
「ただいまーーー。」
「おかえりなさい、てる!今日はどうだった?お友達の家に行ってみて?」
「とても楽しかった!!」
「それはよかった。これからもその子の事大切にしなよ。あなたはグイグイ行きすぎて暴走しちゃうんだから。」
「うん、気をつける。」
二人で楽しそうに食事をするお母さんとてる。そしていつもドキドキしながら一人でご飯を食べている愛であった。(お母さんはお仕事なう。)
わたしもカミナリは大の苦手です。音が聞こえた時点で外に出るのもいやになりますw