共演者は太陽の素性に驚く
僕は、学校を早退すると一花さんと共に渋谷にある収録スタジオへと向かいました。
「一花さん」
「なに?太陽くん」
「今更こんなこと言うのも変だと思うんですけど、本当に僕が選ばれたんですか?」
「ええ、もちろんよ。…もう、そんなに緊張しなくても大丈夫だから」
「…そうですよね!ここまで来て実は違うとか無いですもんね!」
「そうよ、だから安心して行ってきて!」
「わかりました!……あっ一花さんまだ時間ありますか?」
「ええ、まだ余裕はあるけどどうしたの?」
「ちょっとそこの和菓子屋さんに行ってもらってもいいですか?後このルートのところにあるケーキ屋さんとお茶屋さん、それに唐揚げ屋さんにも」
僕の言葉に、一花さんは一瞬で理解を示してくれました。
「…そういうことね、了解!ちゃっちゃと行くわよ!」
こうして僕は、たくさんの荷物を手に一花さんに見送られながらスタジオへと入っていきました。
俺、鈴宮 健二は今回のキャスティングについて他の共演者たちと話をしていた。
「今回のこの作品は六道作品の中でも1、2を争う人気作だ。それなのに主役がアイドルってどうなんだ?」
「僕は別に気にしてませんけどね?まあこの面子の中で選ばれるくらいなんだからそれなりに出来たんでしょ?」
そう言うのは下井 紘也。紘也としては別に構わないらしい。
「まあでもなんで急に参加しようとしたんですかね?私達と違ってオーディションもしてないでしょ?」
そう言って切り返してきた桜井 朱音に俺も共感しようとした時、それに反論してきたのは意外な奴だった。
「それは違うよ朱音ちゃん?」
「よ、陽介さん!?」
「おう」
「陽介、お前なんで違うって言えるんだ?」
「ん?あぁ、だってこの作品のオーディションに出させたの俺ですもん」
「は?」
俺は、その場に現れた白鳥月と神谷陽介の2人に驚く朱音を横に陽介の発言に聞き返すことしかできなかった。そしてその後に告げられた言葉に俺含めスタジオの面々は今日一の驚きを見せるのだった。
「何せ一瀬太陽は俺の弟ですからね。まあ主役くらいは取るでしょ?」
「「「「は!?」」」」
「え?あのアイドルって陽介の弟だったのか?」
「ええ、健さんも良く見たら俺とあいつ似てるってわかるでしょうけどね」
「そうか、確かに言われてみれば似ている気もするな。でもなぜ急に声優業に出てきたんだ?」
「あいつはアニヲタでね。昔っから将来の夢は声優かアイドルだったんですよ。だから今回ちょうどあいつらの1stライブも終わった事だしオーディションだけでも受けてみたらって勧めたんです。ああ、安心してください。あいつ別に人気だから選ばれたとかじゃないですからね?何せ今回のオーディション、あいつは主役に応募してないんで」
「それはどういう…」
そう聞こうとしたときだった。
「おっと、そろそろ本人が来ますから僕はこの辺で。…そうそう、あいつは俺が白鳥月のマネージャーやってるって知らないんでそこは内緒で頼みますね」
そう言うと、陽介は外へと消えていった。それとほぼ時を同じくして入れ替わるかのように入ってきたのは、
「おはようございます!一瀬太陽です。よろしくお願いします!」
今回の主人公役、スターズの一瀬太陽だった……
いよいよ始まりました声優編。この章は途中にいろいろと挟みながらしばらく続く予定となっております。太陽の初の大仕事、そして月(三月)との関係も楽しんでいただけると幸いです!
また毎度のことではございますが、評価や感想のほどしていただきますと私のモチベにもなりますのでぜひよろしくお願いします!




