陽介の電撃復帰
僕達は店の奥にある個室へと移動した。
「とりあえずなにか頼みなよ、2人ともさ」
「じゃあ僕は緑茶にしとこうかな。三月は?」
「私はオレンジジュースで!」
「了解。じゃあ太陽が気になってることについて話そうか」
「そうだよ。陽兄、復帰するなんて聞いてないんだけど?」
「そりゃそうだろ?太陽には内緒にしてたんだからさ」
「まあ、それはそうなんだろうけどさ?でもなんで突然?」
僕は、声優としての活動に未練がなくなったと言っていた陽兄がなぜこのタイミングで、しかも僕が出演する作品に出ることになったのか気になっていた。そして、陽兄から告げられたのはある意味では予想通りだった。
「まあ単純な話太陽の音源聞いたらさ、俺ももう一回やりたいなって思ってさ。稲生監督と話してリン役のオーディション受けさせてもらったんだ」
「そうだったんだね…僕、ずっと陽兄を目標に頑張ってきたんだ。だからさ、今回こうして陽兄と共演できることになって驚いたけどすごく嬉しいよ!」
「そうだな。俺も太陽と共演できるのが嬉しいし楽しみだよ」
「あれ……でもそういえばさ」
「ん?」
「EDの作詞作曲も僕なわけだけど僕が書いた曲を陽兄が歌うってこと?」
「おう、そういうことだな。というか俺も最近まで巷で有名なアリアPが太陽だとは思ってなかったよ」
「まあ、隠してたからね」
「なにかやってるのは知ってたんだけどな。でもこんな日が来るとは思ってなかったよ」
「そうだね」
そんな話をしながら僕たち4人の食事は進んでいった。そして話題は180度変わって陽兄と一花さんの恋愛の話になっていた。
「陽兄と一花さんっていつ結婚するの?」
「「ちょ!?」」
「いや、もう付き合い始めてだいぶ経つでしょ?2人とももう身を固めるにもちょうどいい年齢だと思うんだけど」
「それ私も思ってた!」
「三月も思うよね!」
こうやって僕と三月で盛り上がっていると諦めたのか陽兄と一花さんは話し始めた。
「……まだ誰にも言うなよ?俺と一花は今年のクリスマスに籍を入れる予定だ」
「「おおおおーーー!!!」」
こうして、今日1番の盛り上がりを見せながら僕達は夜遅くまでご飯を楽しんだのだった。




