打ち上げ後に会うのは想定外 Side太陽
僕たちは、4人ともの家の近くにある焼肉店でマネージャーも交えて打ち上げを始めようとしていた。
「それじゃあみんな、今日もお疲れ様!今日のライブがこのツアーの千秋楽だったわけだけどみんなどうだった?」
「僕はとても楽しかったですよ」
「俺も楽しかった!」
「そうだな、俺も楽しかったよ」
「僕もです!」
僕含め、4人とも今回のライブツアーを楽しめて良かったと思いながら食事を楽しんでいたら、青空が急にぶちこんできました。
「でもそういえばさ、はる、今日のライブの終盤でアリーナにウィンクしてなかったか?はるがそんなことすんの珍しいからついつい目に入っちゃったけど」
「そういえばそうだな。太陽は基本的にそういうことはしていないからな。俺も見ていてびっくりしたよ」
「そうだよ!誰か気になる人でもいたの?……まさか彼女とか!?」
青空の言葉に天と流星も反応し、流星にいたっては彼女を疑い始めてマネージャーも険しい顔をし始めたのでそこは明確に否定をしておきます。
「そんな流星が思っているような関係じゃないですよ?ただ、学校の隣の席の女の子が最前列にいたんです。まさか隣の娘が僕推しだなんて思っていなかったんですけど、せっかくなので少しだけひいきしちゃったんですよ」
「そうだったんだね…」
この場はなんとかごまかせたようです。まあ今言ったことは事実なのでこれ以上追求されてしまってもどうしようもなかったのですけど…でもなんででしょうか、険しい顔をしていたはずのマネージャーがすごくニコニコとしながら僕を見てきました。
こうして僕らの打ち上げもそろそろお開きになるというところで、マネージャーの白河 一花さんより個々人への伝達事項がありました。
「えっと、まずは流星くん。流星くんは次の日曜から新ドラマの撮影が始まります」
「了解しました!」
「次に天くん。天くんは水曜の夜にN○Kにて歴史番組の収録」
「了解した」
「で、青空くんは明後日プロ野球のコメンテーターね」
「おう!わかった!」
「最後に太陽くん」
そう言ってしばらく何も言わない一花さんに僕は恐る恐る尋ねた。
「もしかして、特に仕事無い感じですか?」
「いえ、むしろ逆です!」
「逆?」
「はい!今週から始まる太陽くんの仕事はアニメ声優です!しかもこの前受けた新作アニメ、『クロスアイギス』の主演に決定しました!」
その言葉に、僕の努力を知っている3人はとても喜んでいました。そして何よりも僕はあまりの嬉しさに言葉が出ませんでした。
「そしてヒロイン役は白鳥月さんよ!頑張ってきてね」
「(うちの月をよろしくね)」
「はい!ところで一花さんなにか言いました?」
「いやいや何も言ってないわ?ということで、来週もみんなそれぞれ頑張ってください!」
こうして僕らの打ち上げは興奮冷めやらぬまま終わったのでした……
この後彼女と会うことなど今の僕は知る由もなかったのです…
なぜか三月話より太陽の話のほうが圧倒的に短くなってしまう…
そんなわけで、未だに恋愛色が全然ない本作ですが、もう少ししたら出てくると思います。書き溜めとかしてるわけじゃないので全然確定してませんが。そんなわけで、こんな駄作ですが皆さんよかったら感想や評価などよろしくお願いします!