プロローグ 1
僕の名前は鳳 太陽。普段はどこにでもいるような高校2年生、って言いたいところだけど学校では極力目立たないように生活しているため、若干ぼっちみたいなものだ。まあ、かと言って全く友達がいないのかと言われればそういうわけでもなく、ちゃんと仲のいい友達はいる。
「おっす太陽!昨日のアニメ見た?」
「当たり前だろ?だって僕の推しである白鳥 月ちゃんが主演なんだ。見ないわけがない」
「だと思ったよ。っていうか太陽は月ちゃんがデビューした時からずっと好きだって言ってたよな」
「あぁ、あの子の声は僕の心に深く深く突き刺さったんだ。もう今後誰が出てきても僕の1推しは月ちゃんだね」
そんな会話をしてくれたのは、僕にとって1番仲がいいと言っても過言ではない浅野 皇太だ。僕と皇太はともにアニメ好きの声優好きのため、よくアニメ談義で盛り上がっている。そのため、僕らは部活もアニメ研究会に入っているわけなのだが、僕はその星の数ほどいる声優さんの中でも去年デビューしたばかりながら既に主演作もあるほどの声優、白鳥 月さんが推しである。しかも、驚くべきことに月ちゃんは僕と同い年の17歳。尊敬しかすることができない。まあ一応僕にもみんなには内緒にしていることがあるわけだけど。そんなことを考えながら僕は今日も皇太と話をしている…
その時の僕は気付いていなかった。隣の席の女の子が月ちゃんの話をする度にチラリとこちらを窺っていたことに
今回は男の子目線のプロローグです。同時に女の子目線のプロローグも投稿しますのでどちらも読むことをおすすめします。