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純白のSと共に  作者: Kanra
10stage走り屋の聖地 群馬
99/435

秋名山へ

この物語はフィクションであり、実在の地名、団体とは一切関係ありません。

公道での乗用車による高速・危険走行は生命に危害を及ぼします。

作中での行為は絶対に真似をしないで下さい。

自動車を運転する際は道路交通法を遵守し、安全運転を心掛けてください。


また、サーキット走行に関する描写は、岡山国際サーキット及び、筑波サーキットの走行規程を元にアレンジした物です。

実際のサーキット走行時には、サーキットごとに定められた規程に従って走行してください。


 ぶつくさ言いながら自分のS660に戻る。

 青キップ。サインしてしまった以上、金払わねえと。

 なんでバス追い越していただけで、1点減点で6000円払わないとなんだ。

 そりゃ、ずっと右を走っていたのなら解かるが、明らかに左車線から車線を変えて、バスを追い越していたし、それを見ていたハズだ。

 まだ、C1や湾岸でヤンチャしてオービス光らせましたとか、峠でヤンチャして事故りましたの方が納得できるわバカヤロー。

 赤城PAにはスマートインターがある。ここから高速を抜け出して、近くの郵便局で罰金払っちまおう。

 郵便局で罰金を「持ってけドロボーッ!」と言わんばかりに払った後、一応会社に報告。

「いや、それは文句言うべきですよ!」

 と、電話口の向こうの杉野主任が言う。

 もう文句言ったぞコノヤロー!

 おかげで走る気が無くなった。

(伊香保温泉でも行くか。久しぶりに。あの漫画の聖地で気分転換しよう。)

 胸糞わりい。

 だが、今日はやけに空が綺麗だ。

 赤城PAからも、伊香保温泉のホテルがはっきりと見える程だ。

 そして、伊香保温泉も久しぶりだ。走る前に、温泉でも入ろう。

 伊香保の石段街の直ぐ近くの駐車場に車を停め、石段街を登って行く。

 駐車場には、如何にも走り屋と言う車が何台か居た。

 興奮するエンジン音に振り向くと、AE86が通り過ぎて行くところだった。

 伊香保では必ずといっていいほど、AE86を見られる。白黒のパンダトレノ。

 時に、AE85やAE86レビンにも遭遇する。

 石段街を少し登った公衆浴場で一風呂浴びたら、こちらも行きますか。

 BGMは当然、あの漫画のOP曲だ。

 前にはオレンジ色のTOYOTA86。後にはAE86トレノ。

 新旧ハチロク夢の競演だ。

「やっぱ、秋名は走り屋の聖地だな。今も昔も!」

 走り屋御用達のRX‐7、シルビアといった車とすれ違う。

 前のTOYOTA86と続いてコーナー進入。AE86もここ、秋名山では登場から数十年経ったとは思えない程、輝きを増している。

 秋名山。正式には榛名山だが、あの漫画ではここだけが架空の秋名山となっているため、一部の地元住民から不満の声が上がっている。しかし、俺の中ではここは榛名山では無く、秋名山って呼び名が定着してしまっている。

 5連ヘアピンを登り切った。だが、まだ登る。

 時折、ガードレールが派手にひん曲がっている場所に遭遇する。

 調子付いてバカやって事故ったのだろう。

 時折、前のTOYOTA86がイン側の溝にタイヤを引っ掛けている。

(溝走りか。俺もやったなNワゴンで。下手にやると、サス折るぞ。)

 だが、こちらもさっきのデカのイチャモンのイライラを放出するが如く、かなり速いペースのTOYOTA86に食らい付く。遂にはTOYOTA86が道を譲った。

(三峰での借り、返してもらうぜ。)

 そのまま、TOYOTA86を引き離す。

 登りきった。

 料金所跡、つまり、あの漫画のダウンヒルのスタート地点に車を止め、車外に出る。

(そういえば、坂口さんも彼女も抜きで、一人でこうして走るのって久しぶりだな。)

 と思う。

「いい機会だ。どうせあのクソデカの違反は消えないが、免停じゃないし、ていうかあんなの違反と言うより言いがかりだし。まあ、あんまりやんちゃしないで走って、自分を見つめ直すってのも良いな。」

 とか言っていると、TOYOTA86とAE86が登りきって来た。と思ったら、直ぐにまた降りて行く。

(自分を知り、車を知り、自分の思いを車と同調させながら走って行かなければ、いつまでも走り屋のままだ。今、自分がどうしたいかを考え、自分を知る事を第一に考えろ。)

 大山神威に言われた事がまた思い出される。

「今日、群馬に来たのって、一人で走って、自分と向き合うためだったかな。」

 車に自分の背中を付け、地べたに座る。

「クソ。自分がなんでここに来たのかって事さえ解らない。沼田を走ろうとして、デカにイチャモン付けられ、天気がいいからってここに来て、それで何をするんだ?温泉入った。登ってきた。でもその後何?山下りて、また登ってを繰り返しか?」

 R34GTRが目の前を通過し、伊香保温泉の方へ降りて行く。

「ちっ!こんなところでグズっていて何が分かる。走るんだよ!走りに来たんだよ!」

 エンジン始動。再度、来た道を下っていく。


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